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財産を特定の人にだけ相続させることはできますか?遺言と遺留分で知っておくべき重要ポイント
「長年介護してくれた子どもに多く財産を残したい」「事業を継いでいる後継者だけに相続させたい」など、相続に関する相談の中でも“特定の人にだけ財産を相続させたい”という疑問は非常に多く寄せられます。一方で、日本の相続制度には家族間の公平性を保つためのルールもあり、思い通りに進まないケースも少なくありません。本記事では、この疑問に対する結論と、制度上の注意点をわかりやすく解説します。 結論:条件付きで可能だが、制限もある 結論から言うと、財産を特定の人にだけ相続させることは「遺言書」を作成すれば可能です。ただし、法定相続人の中には「遺留分」と呼ばれる最低限の取り分が保障されている人もおり、その権利を完全に無視することはできません。したがって、実務上は遺留分を考慮した設計が重要になります。 制度の仕組みと法律上の根拠 相続は、原則として民法で定められた「法定相続分」に従って行われます。しかし、被相続人が有効な遺言書を残している場合は、原則としてその内容が法定相続分よりも優先されます。 例えば、「全財産を長男に相続させる」といった内容の遺言も形式が整って

誠 大石
3月9日読了時間: 3分


孫は遺留分を請求できる?甥・姪との違いと代襲相続の関係を弁護士が解説
はじめに 「子どもが先に亡くなっている場合、孫には遺留分があるのだろうか」 「兄弟が先に亡くなっていて、甥や姪が相続人になるなら、その甥姪にも遺留分はあるのだろうか」 相続のご相談では、このような疑問がよく出てきます。特に、家族関係が少し複雑になると、「代襲相続できる人」と「遺留分を請求できる人」が同じように見えてしまい、混同されやすい傾向があります。 しかし、結論ははっきりしています。 結論からいうと、 孫は遺留分を請求できる場合があります。 ただし、それは 被相続人の子が先に亡くなっており、その子の代襲相続人になっている場合 です。 これに対し、 甥姪には遺留分はありません。 甥姪は兄弟姉妹の代襲相続人として相続人になることはあっても、そもそも兄弟姉妹には遺留分がないからです。相続人になれることがあっても、遺留分権利者とは限りません。 ここで重要なのは、「相続人になれること」と「遺留分があること」は別の問題だという点です。代襲相続によって相続人になれるからといって、必ずしも遺留分まで認められるわけではありません。 この記事では、孫と甥姪の違

誠 大石
3月9日読了時間: 15分


不動産相続で揉めそうか3分で確認|共有・遺言・遺留分の火種を診断
不動産相続で揉めそうか3分で確認|共有・遺言・遺留分の火種を診断 相続財産の中に不動産が入っていると、話し合いが思うように進まなくなることがあります。預貯金であれば数字で分けやすい一方、不動産はそのままでは均等に分けにくく、「売るのか」「残すのか」「誰が住むのか」といった判断が必要になるからです。特に実家や土地、賃貸物件などが含まれている場合には、法的な問題だけでなく、感情や生活の事情も絡みやすくなります。 神奈川県でも、実家をどうするかで相続人の意見が割れたり、相続人の一人が住み続けているために話が止まったり、遺言はあるものの内容に納得できず不満が残ったりするケースは少なくありません。現金が少なく、不動産が遺産の大半を占めるような事案では、遺留分や評価額の問題まで重なり、さらに整理が難しくなることがあります。 もっとも、相続で不動産があるからといって、必ず争いになるわけではありません。大切なのは、自分のケースでどこが火種になりやすいのかを早い段階で把握することです。この記事では、不動産相続が揉めやすい典型的な場面を整理したうえで、あなたのケース

誠 大石
3月7日読了時間: 9分


不動産があるせいで遺産分割がまとまりません。売る・住む・共有のどれも揉めています。どうすればいいですか?
不動産がある相続で遺産分割がまとまらないときの進め方 売る・住む・共有で揉めた場合の整理法 相続で不動産が入ると、遺産分割は一気に難しくなります。預貯金のように単純に分けにくく、「売って現金化したい人」「そのまま住みたい人」「とりあえず共有でよいと考える人」で意見が割れやすいからです。特に実家や賃貸中の土地建物は、感情面と経済面がぶつかりやすく、話し合いが長引く典型です。こうした場面では、誰の意見が強いかで決めるのではなく、分割方法ごとの現実性を順番に検討することが重要です。 結論:最初に「共有を最終案にしない」ことが大切 結論からいうと、不動産相続で揉めたときは、最初に「共有を最終案にしない」ことが大切です。共有は一見折衷案に見えますが、将来の管理、修繕、固定資産税、売却のたびに再び対立しやすく、問題を先送りしがちです。実務では、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の順で現実性を検討し、住みたい人がいるなら代償金を払えるか、売るなら全員協力で任意売却できるか、共有しかないなら何年・どう管理するかまで決める必要があります。協議で限界が見えたら、

誠 大石
3月7日読了時間: 5分


神奈川県で遺留分侵害額を計算したい方へ|弁護士監修の無料計算機で目安を確認
神奈川県で遺留分侵害額を計算したい方へ|弁護士監修の無料計算機で目安を確認 遺言の内容を見て、「自分だけ取り分が少なすぎるのではないか」「遺留分を請求できるとして、実際にはいくらになるのか」と不安になる方は少なくありません。もっとも、相続の場面で本当に知りたいのは、制度の説明そのものではなく、自分がどれくらい請求できるのか、あるいは請求されたらどれくらい支払う可能性があるのかという具体的な金額の目安ではないでしょうか。 そこで本記事では、遺留分の計算方法を自動で行うオンラインツールを探している人向けに、まず無料計算機で遺留分侵害額の概算を確認する前提で、遺留分侵害額の基本、計算でズレやすいポイント、神奈川県や横浜市の相続で注意したいケースを、弁護士の視点から分かりやすく解説します。 遺留分侵害額とは何か 遺留分と遺留分侵害額の違い 遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分をいいます。被相続人が遺言を作成していても、また生前に一部の相続人へ多くの財産を渡していても、配偶者や子などには、まったく自由に奪えない最低限の利益が認められてい

誠 大石
3月5日読了時間: 13分


清算型遺贈で不動産が売れない|原因の切り分けから打開策まで遺言執行者・相続人向け完全解説
はじめに――この記事でわかること 清算型遺贈の遺言が残されていても、指定された不動産がなかなか売れない――こうした状況は、遺言執行者にとっても相続人・受遺者にとっても深刻なストレスです。 結論から言うと、「売れない」原因は大きく「市場要因(価格・物件の問題)」と「人的要因(関係者の非協力・権限の曖昧さ)」に分かれます。 この二つを混同して対応策を取ると的外れになりやすく、かえって時間を浪費します。 清算型遺贈で不動産が売れない|原因の切り分けから打開策まで遺言執行者・相続人向け完全解説と題して、解説します。 ★ ポイント この記事でわかること: (1)「売れない」原因を市場要因・人的要因に切り分ける判断軸 (2)遺言執行者の権限の範囲と、単独で動けない場面での対処順序 (3)関係者が非協力の場合の交渉手順・書面化ポイント・専門家連携の流れ 清算型遺贈で不動産が売れない「本当の原因」はどこにあるか ★ ポイント 「売れない」には市場要因と人的要因の2種類があります。 まず原因を切り分け、次の打ち手を決めることが最優先です。 市場要因(価格・立地・物

誠 大石
3月4日読了時間: 13分


遺留分侵害額請求を受けた(された)場合の対応|横浜の弁護士が初動から解決まで解説
はじめに ある日突然、内容証明郵便が届いた。「遺留分侵害額請求をします」という文面に、頭が真っ白になる——。 これは珍しいことではありません。遺言で財産を受け取った方(受遺者)や、生前贈与を受けた方(受贈者)のところに、他の相続人から請求が届くケースは実務で頻繁にあります。 このページでは、請求を受けた側が最初に何をすべきか、どんな反論ができるか、無視したらどうなるか、払えない場合にどうするかを、弁護士の視点から順番に解説します。 結論を先に言うと:無視は絶対にしてはいけません。しかし「請求が来た=全額払わなければならない」でもありません。 請求を受けたらまず確認する3つのこと 内容証明が届いたとき、感情的に動く前に、冷静に以下の3点を確認することが重要です。この3点が「戦略の出発点」になります。 確認①|請求者は本当に遺留分権利者か 遺留分侵害額請求ができる人は法律上限定されています。配偶者・子(代襲相続人を含む)・直系尊属(父母・祖父母)だけです。 特に注意が必要なのは「兄弟姉妹には遺留分がない」という点です。兄弟から請求が来ても、原則として

誠 大石
3月3日読了時間: 7分


遺留分侵害額請求の内容証明の書き方|文例・送る相手・注意点を弁護士が解説
遺留分侵害額請求の内容証明の書き方|文例・送る相手・注意点を弁護士が解説 相続が始まったあと、遺言や生前贈与の内容を見て「自分の取り分がほとんどないのではないか」と感じても、すぐに遺産の全体像や正確な金額まで把握できるとは限りません。それでも、遺留分の問題ではのんびりしていられません。相続の開始と遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ってから1年という期間制限があるため、まずは請求の意思表示をきちんと残すことが大切です。 そのときによく使われるのが、内容証明郵便です。もっとも、書式サイトの文例をそのまま写せば足りるとは限りません。実際には、誰に送るのか、何をどこまで書くのか、金額が未確定でも足りるのか、相手が受け取らないときはどうするのか、といった点で迷う方が多いところです。 この記事では、遺留分侵害額請求の内容証明について、最低限押さえるべき記載事項、送る相手の考え方、文例、送付後の動きまで、実務に沿ってわかりやすく解説します。 なお、この記事は令和元年7月1日以降に開始した相続を前提にしています。 【入門編】遺留分についてわかりやすく解説

誠 大石
3月3日読了時間: 11分


遺留分を請求する方法は?請求できる人・計算・期限を弁護士が一問一答で解説【2026年版】
はじめに 【結論】 遺留分侵害額請求とは、遺言や生前贈与によって最低限保障される取り分(遺留分)を侵害された相続人が、その不足分をお金で請求する制度です。請求できるのは、主に配偶者、子、直系尊属であり、兄弟姉妹には遺留分がありません。請求額は、遺留分の割合と実際に取得した財産との差額を基準に考えます。期限は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年が上限です。まずは、自分が請求できる立場か、期限が迫っていないかを確認することが重要です。 【こんな疑問ありませんか?】 「遺言で長男に全部相続させると書いてあった」「自分は何ももらえない内容だった」「生前贈与で、ほとんど財産が他の相続人に移っているようだ」 こうした場面で問題になるのが、 遺留分侵害額請求 です。 遺言は、亡くなった方の意思を尊重する仕組みです。もっとも、遺言や生前贈与によって、配偶者や子などの近い親族がまったく何も受け取れないとなると、あまりに不公平な場合があります。そこで民法は、一定の相続人に「最低限これだけは守られるべき取り分」を認めています。これが 遺留分 です。

誠 大石
3月2日読了時間: 16分


遺留分侵害額請求×不動産:評価方法の違い(路線価・固定資産税評価・鑑定)と注意点
まず結論:遺留分×不動産は「評価時点」と「時価」で決まる この章で分かること: 遺留分侵害額請求で不動産が絡むとき、何を軸に争点を整理すればよいかの全体像です。 遺留分×不動産で揉めるとき、問題の核はほぼ2つです。「いつの時点の価格を使うか(評価時点)」と「どの方法で時価を出すか(評価方法)」。 この2つが定まらないまま交渉に入ると、議論がかみ合わず長期化します。まず自分のケースの争点を見極め、対応する資料を集めることが出発点です。 改正で何が変わった?金銭債権化と共有回避 2019年(令和元年)7月1日施行の改正相続法により、旧来の「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」に変わりました。最大の変更点は、権利の効果が 金銭債権 (お金で払う請求権)に一本化されたことです。 改正前は、減殺請求により不動産に複雑な共有状態が発生することがありました。改正後は金銭で精算する仕組みとなり、原則として共有は発生しません。ただし例外もあります。 この記事が扱う範囲(不動産評価/支払困難/特殊物件) 本記事では、遺留分侵害額請求のうち「不動産評価」を中核に、評

誠 大石
3月2日読了時間: 17分


生前贈与と遺留分の関係|いつの贈与が対象?計算への影響と注意点を弁護士が解説
はじめに 「親が生前に兄だけに数千万円を渡していた。これは遺留分の計算に入るのか?」 「逆に、自分が生前に贈与を受けていると、遺留分はもらえないのか?」 生前贈与と遺留分の関係は、相続相談で最も多く問われるテーマの一つです。結論を先に言うと、生前贈与は一定の条件を満たす場合に遺留分の計算の基礎に加算されます。ただし「全ての贈与が入る」わけでも、「10年前なら関係ない」とも言い切れません。 この記事では、どんな贈与が遺留分計算に影響するのか、計算式の中でどう扱われるのか、注意が必要なケースはどんなものかを、弁護士の視点から整理します。 【入門編】遺留分とは?誰が、いつまでに請求できるかを解説 遺留分侵害額請求とは?請求できる人と期限をわかりやすく解説 遺留分の計算の「基礎財産」に生前贈与が加算される仕組み 基礎財産の計算式(全体像) 遺留分侵害額を計算するための出発点は「遺留分算定の基礎財産」です。これは相続時点の財産だけでなく、生前贈与を加えて計算します。 【遺留分算定の基礎財産】 相続開始時の財産の価額 + 相続開始前1年以内の贈与(第三者への

誠 大石
3月2日読了時間: 6分


公正証書遺言に納得いかない方へ 横浜の弁護士が無効・遺留分を解説
はじめに 「兄だけ多く相続する内容になっていて納得できない」 「前妻の子だけが優遇されているように見える」 「親の介護を長くしてきたのに、自分の取り分が少なすぎる」 このように、公正証書遺言の内容を見て強い不公平感を抱く方は少なくありません。 しかも、公正証書遺言は公証役場で作成されるため、「公正証書遺言だから諦めるしかないのではないか」と感じてしまう方も多いでしょう。たしかに、公正証書遺言は一般の自筆証書遺言に比べて方式面での不備が起こりにくく、証拠としても強い遺言です。しかし、公正証書遺言であればどのような内容でも必ず受け入れなければならない、というわけではありません。 大切なのは、納得いかない理由を整理することです。たとえば、遺言そのものが無効ではないかと考える場面もあれば、遺言は有効でも最低限の取り分である遺留分を請求できる場面もあります。また、相続人全員が合意できるのであれば、遺言とは異なる分け方で解決できるケースもあります。 つまり、「公正証書遺言に納得いかない」という悩みには、主に3つの対応の方向性があります。ひとつは遺言無効確認請

誠 大石
3月1日読了時間: 15分


遺留分侵害額請求の標準フロー|神奈川県の弁護士が注意点も解説
はじめに 相続が始まった後、「遺言で特定の人に財産が集中している」「生前贈与で自分の取り分がほとんど残っていない」といった状況に直面し、納得できないまま手続きを進めてしまうケースは少なくありません。こうした場面で検討するのが、遺留分権利者が受遺者・受贈者に対して金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」です。 遺留分侵害額請求は、単に「請求すれば終わり」ではなく、期限(知ったときから1年、相続開始から10年)を意識しながら、相続人関係と財産の調査、意思表示(内容証明)、侵害額の算定、交渉、調停(原則として家庭裁判所での調停前置)、そして必要に応じて訴訟・強制執行へと段階的に進むのが一般的です。 また、神奈川県では相続財産に不動産が含まれることも多く、評価の置き方や資料の集め方で結論が大きく変わります。請求する側だけでなく、請求された側(受遺者・受贈者)にとっても、過大請求や時効(期間制限)を見落とさないことが重要です。 この記事では、「遺留分侵害額請求の標準フロー|神奈川県の弁護士が注意点も解説 」と題して、神奈川県で相続案件を扱う弁護士の視点から

誠 大石
2月27日読了時間: 36分


遺留分を請求されたが払えない場合は?期限の許与・分割払い・初動対応を解説
はじめに 相続が始まった後、遺留分を請求されたものの、手元に十分な現金がなく困ってしまうケースは珍しくありません。特に、相続した財産の大半が不動産である場合や、事業に使っている資産、自社株のようにすぐ現金化しにくい財産である場合には、「払わなければいけないのは分かるが、今すぐは無理だ」という切実な状況に陥りやすいものです。 このような場面で大切なのは、「払えないから仕方ない」と放置しないことです。遺留分の問題は、初動を誤ると、相手方との対立が深くなり、調停や訴訟に発展し、最終的な負担が大きくなることがあります。特に注意したいのは、支払いが遅れることで遅延損害金が問題になる場合がある点です。 もっとも、現実には、受け継いだ財産の内容からしてすぐに現金を用意できないこともあります。そのようなときに検討すべきなのが、交渉による分割払いと、裁判所に対する期限の許与の主張です。ただし、期限の許与は主張すれば必ず認められるものではなく、事情に応じた見通しの検討が欠かせません。 この記事では、遺留分を請求されたが払えない場合に、まず何をすべきか、どのような流れ

誠 大石
2月26日読了時間: 19分


遺留分を不動産で払うと税金はどうなる?代物弁済の税務リスクを横浜の弁護士が整理
はじめに 遺留分を請求されたものの、すぐに用意できる現金がない。そのため、手元にある不動産を渡して解決できないかと考える方は少なくありません。相続財産の中心が自宅や賃貸物件などの不動産である場合には、なおさら現実的な選択肢に見えるでしょう。 もっとも、遺留分を不動産で支払う方法には注意が必要です。たしかに、当事者同士が合意すれば、不動産を移転して遺留分侵害額請求を解決すること自体は可能です。しかし、その処理は単なる「現物での支払い」とは言い切れず、税務上は譲渡として扱われる可能性があります。その結果、払う側には譲渡所得税の問題が生じ、受ける側にも不動産取得税や登録免許税がかかることがあります。 実務では、「不動産を渡せば終わり」と考えて話を進めたために、後から思わぬ税負担が判明し、かえって資金繰りが悪化したり、和解条件を再検討せざるを得なくなったりすることがあります。遺留分の問題は、法律上の正しさだけでなく、税金や登記費用、評価方法、履行方法まで含めて設計しなければ、かえって紛争が長引きかねません。 この記事では、遺留分を不動産で支払う場合に問題

誠 大石
2月24日読了時間: 17分


相続人が全員辞退した場合、次に相続するのは誰?相続放棄後の権利と手続きガイド
相続が発生した際、相続人全員が相続を辞退(相続放棄)した場合、その後の手続きや相続権はどうなるのでしょうか?これは高齢化や家族関係の希薄化により「相続を望まないケース」が増える中で、特に関心を集めているテーマです。不動産や借金など、マイナスの財産が多いケースでは、相続人が一斉に放棄することも少なくありません。 今回は「相続人が全員辞退した後、誰が相続するのか?」について、法律上のルールや手続き、誤解されやすいポイントまで詳しく解説します。 結論:次順位の法定相続人が相続権を持つ 被相続人(亡くなった方)の相続人が全員相続放棄をした場合、次に相続権が移るのは、法定相続の「次順位」にあたる人です。民法では相続順位が定められており、第一順位から順に確認していきます。 相続の順位と流れ 相続順位は以下の通りです。 1. 第一順位:子ども 2. 第二順位:父母・祖父母など(直系尊属) 3. 第三順位:兄弟姉妹 ※配偶者は常に相続人になります(順位に関係なく) たとえば、被相続人に配偶者と子がいる場合、子が全員相続放棄すると、配偶者とともに第二順位(親な

誠 大石
2月23日読了時間: 3分


他の士業に頼んでいるのに相続が終わりません。弁護士に相談すると案件を奪ったことになりますか?
結論:他の士業に頼んでいるのに相続が終わらないとき、弁護士に相談しても「案件を奪った」ことにはなりません 結論からいえば、弁護士に相談することは、通常、「案件を奪うこと」ではありません。相続は依頼者本人の問題であり、どの専門家に相談し、どの段階で誰に役割を担ってもらうかを決めるのは依頼者です。相続で大切なのは、誰が前に出るかの面子ではなく、止まった相続をどう終わらせるかです。 相続の相談は、最初から弁護士に行くとは限りません。相続登記なら司法書士、相続税なら税理士、書類整理なら行政書士というように、相続の入口ではそれぞれの専門家が大きな力を発揮します。実際、相続人同士の関係が良く、財産の内容も比較的シンプルなら、そのまま着実に終えられる相続も少なくありません。 けれども、途中から相続が止まってしまうことがあります。誰かが話し合いに応じない。返事が来ない。不動産や自社株の処理で着地点が見えない。感情の対立が強くなり、書類を整えるだけでは前に進まない。そうした場面で「ここで弁護士に相談したら、今の先生の案件を奪うことになるのでは」とためらう人は少なく

誠 大石
2月22日読了時間: 4分


遺留分侵害額請求×非上場株式:折衷方式(純資産+DCF等)が使われる理由と注意点
まず結論:自社株(非上場株式)の遺留分は「相続開始時の時価」が争点 この章で分かること: 自社株が絡む遺留分侵害額請求で、何を軸に争点を整理すればよいかの全体像です。 自社株(非上場株式)の遺留分で揉めるとき、核心は「相続税評価額をそのまま使えるのか、それとも別の"時価"を出す必要があるのか」です。結論から言えば、相続税評価額と遺留分算定で使う時価は目的も根拠も異なり、そのまま一致するものではありません。評価額が大きくなりやすい自社株では、この違いが請求額に直結します。 2019年改正で金銭債権化→評価額が請求額に直結 2019年(令和元年)7月1日施行の改正相続法により、遺留分侵害額請求は 金銭債権 (お金で払う請求権)に一本化されました。改正前のように株式の現物返還を求める必要はなく、侵害額に相当する金銭の支払を請求する構成です。つまり、自社株の評価額がそのまま金銭請求額に直結します。 この記事の射程(税務評価との違い/評価手法/資料/期限の許与/特例) 本記事では、遺留分侵害額請求における非上場株式の評価を中核に、税務評価と民事評価の違い、

誠 大石
2月18日読了時間: 16分


包括受遺者と特定受遺者の違いと使い分け方:遺言書作成の基本知識
遺言書を作成する際、財産を誰にどのように渡すかを明確にすることは非常に重要です。その中でも、「包括受遺者」と「特定受遺者」という用語は、遺言の効力や受け取る側の権利・義務に大きな影響を与える重要な概念です。 この記事では、両者の違いや具体的な使い分け、さらに専門家の視点から注意すべきポイントについて詳しく解説します。 包括受遺者とは何か 包括受遺者(包括遺贈)とは、遺言によって遺産の全部または割合的な一部(例えば「遺産の3分の1」など)を受け取る人のことを指します。この場合、遺産全体に対する受遺権が認められるため、相続人に近い立場になります。民法上、包括受遺者には「相続人と同一の権利義務」が準用されており、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も相続する可能性がある点に注意が必要です。 また、包括受遺者は遺言執行者がいない場合でも、単独で遺産の管理や処分を行う権限を有しています。そのため、遺言者が自らの意思を包括的に託したい場合に適した指定方法といえるでしょう。 特定受遺者とは何か 一方、特定受遺者(特定遺贈)は、遺言で「不動産Aを与え

誠 大石
2月16日読了時間: 3分


生命保険金に遺留分請求はできる?原則対象外だが例外あり【横浜の弁護士が解説】
生命保険は遺留分の対象?神奈川県の弁護士が例外まで解説 相続の相談で、「父が生命保険を長男だけにかけていたようです。これは遺留分の対象になるのでしょうか」「生命保険を使えば、特定の家族に多めに財産を残しても問題ありませんか」といった質問を受けることがあります。 生命保険は、預貯金や不動産とは扱いが異なります。そのため、相続人の間で不公平があるように見えても、当然に遺留分の計算に入るわけではありません。他方で、どのような場合でも絶対に遺留分の問題にならないわけでもなく、保険金額や家族関係、契約の内容によっては例外的に争いになることがあります。 とくに、前妻の子がいる再婚家庭、長年介護をしてきた子がいる家庭、事業承継を控えている家庭では、生命保険の受取人指定が後の紛争の火種になることが少なくありません。神奈川県でも、相続人同士の感情的な対立が先行し、「生命保険は全部取り返せるはずだ」「保険なのだから一切問題にならないはずだ」と、極端な理解のまま話が進んでしまうケースがあります。 しかし、実際の実務ではそこまで単純ではありません。生命保険金については、

誠 大石
2月11日読了時間: 16分
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