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成年後見制度と民事信託の違いは何ですか?どちらを選ぶべきかの判断基準を解説

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

将来の財産管理や意思決定に不安を抱える高齢者やその家族の間で、「成年後見制度」と「民事信託(家族信託)」の違いに関する関心が高まっています。いずれも判断能力が低下したときに備える仕組みですが、その仕組みや柔軟性には大きな違いがあります。


この記事では、それぞれの制度の特徴や活用シーン、選び方のポイントをわかりやすく解説します。


結論:目的や柔軟性の有無によって適切な制度が異なる


成年後見制度は、本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所が選任した後見人が財産管理や身上監護を行う法定制度です。一方、民事信託は、本人が元気なうちに信頼できる家族などに財産管理を委託する契約型の仕組みです。


制度の目的や管理の柔軟性に違いがあるため、状況や希望によって適切な制度を選ぶ必要があります。


制度の違いと選び方のポイント


【成年後見制度】

- 法律に基づく制度で、家庭裁判所が関与

- 判断能力の低下が前提(医師の診断が必要)

- 後見人には財産管理権と身上監護権(医療・介護契約など)が付与される

- 被後見人の利益保護が最優先。使途制限や家庭裁判所の監督あり

- 柔軟な財産活用(相続対策や贈与など)は制限される


【民事信託(家族信託)】

- 契約に基づく制度で、本人が元気なうちに内容を設計

- 判断能力があるうちに契約を締結する必要がある

- 受託者(多くは家族)が信託契約に基づいて財産を管理・処分

- 財産活用の自由度が高く、相続対策や事業承継にも活用可能

- 裁判所の関与はなく、家族間での信頼関係が前提


よくある誤解と注意点


「民事信託があれば成年後見は不要」と思われがちですが、民事信託はあくまで信託財産(信託したもの)にしか効力が及びません。それ以外の財産や身上監護(医療・介護に関する意思決定)はカバーできないため、成年後見と併用が必要なケースもあります。


また、成年後見制度は一度開始されると簡単には解除できず、柔軟な資産運用が難しくなる点も注意が必要です。


実務上の注意点


成年後見制度を利用する場合、家庭裁判所への申立てや後見人の選任、定期的な報告義務があります。費用や手間もかかるため、手続に不慣れな方にとっては負担となることがあります。


民事信託では、公正証書での契約作成が推奨されますが、設計を誤ると「使いにくい信託」になる恐れもあります。特に信託の目的、受託者の権限、信託終了の条件などを明確にしておくことが重要です。


専門家による支援内容


行政書士や司法書士は、成年後見制度の申立て手続や民事信託契約書の作成支援を行います。信託設計や家族構成、財産状況に応じたアドバイスも提供できます。


また、弁護士はトラブル防止や法的リスクの確認、公正証書化のサポートなどを行うことが可能です。信頼できる専門家と早めに相談することで、将来の不安を安心に変えることができます。


まとめ:制度の特性を理解し、将来に備えた準備を


成年後見制度と民事信託は、それぞれ異なるアプローチで「将来の財産管理や意思決定」に備える手段です。どちらか一方では不十分な場合もあるため、自身や家族の希望、財産状況に応じた制度の選択と、専門家への相談がカギとなります。


「まだ元気だから」と先延ばしにせず、早めに準備を進めることが後悔のない選択につながります。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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