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未成年の相続手続きに必要な特別代理人とは?横浜の弁護士が解説

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 2024年2月15日
  • 読了時間: 9分

更新日:2025年12月26日

未成年が相続人になる場合の問題点と特別代理人の重要性

親が亡くなり、相続人の中に未成年のお子さんがいる――この状況は決して珍しくありません。

ところが、いざ相続手続きを進めようとすると、

・遺産分割協議が進まない

・不動産の名義変更(相続登記)ができない

・預貯金の解約や相続放棄の判断に迷う

といった「手続きが止まる」場面が出てきます。


その原因のひとつが、未成年者を代理する親(親権者)が、同じ相続の当事者になることで生じる“利益相反”です。

この利益相反を解消し、未成年者の権利を守りながら相続を進めるために必要になるのが「特別代理人」です。


この記事では、横浜で相続のご相談を多く扱う弁護士の視点から、

特別代理人の基礎・必要になるケース・選任手続き・費用や注意点を、できるだけ分かりやすく整理します。


未成年の相続で「特別代理人」が必要になる理由(利益相反)

通常、未成年者は単独で法律行為(契約など)をすることができません。

そのため、親権者が法定代理人として未成年者を代理して相続手続き(遺産分割協議など)を進めるのが原則です。


しかし、親権者自身も相続人である場合、親権者が「自分」と「子」の両方を同時に代理すると、

分け方によっては親の取り分が増え、子の取り分が減るなど、利害が衝突します。

この状態が「利益相反」で、法律はこの場面では親権者による代理を認めず、

家庭裁判所で特別代理人を選任する手続きを求めています。


ポイントは、「揉めているかどうか」ではありません。

相続人の構成上、外形的に利益相反になり得る場面では、特別代理人が必要になりやすい、という理解が重要です。


特別代理人とは?未成年相続における役割

特別代理人とは、利益相反となる“特定の法律行為”について、未成年者を代理する人です。

・遺産分割協議(どの財産を誰が相続するか)の合意

・相続放棄の申述(家庭裁判所への手続き)

・不動産の処分に関する行為 など

こうした場面で、未成年者の立場に立って意思決定・署名押印等を行います。


成年後見制度との違いはシンプルです。

成年後見は「判断能力が不十分な本人」を長期的・包括的に支える制度なのに対し、

特別代理人は「利益相反がある特定の行為だけ」に限定して代理する、スポット的な制度です。

横浜においても、家庭裁判所で特別代理人を選任する手続きが頻繁に行われています。この制度は、未成年者が巻き込まれる相続問題のリスクを軽減するために欠かせないものとなっています。


特別代理人が必要なケースとは?

特別代理人が必要になるケースの多くは、親と未成年者の間に利益相反が生じる場合です。

相続の場面で未成年者の特別代理人の選任が必要となる場面は、主に次のような状況が考えられます:

  1. 未成年者が相続人として遺産分割協議に参加する場合(親子間の利益相反)

    たとえば「母(配偶者)+未成年の子」が相続人で、遺産分割協議をするケース。

    母が自分の取り分を増やすと子の取り分が減る関係になり得るため、特別代理人が必要になりやすい典型です。

    未成年者が相続人である場合、その法定代理人(通常は親)が他の相続人となるケースがあります。この場合、親と未成年者の間に利害が対立するため、親が未成年者を代理することができません。利害対立を避けるため、家庭裁判所に申立てを行い、未成年者の特別代理人を選任します​​​。


  2. 遺産分割協議で未成年者同士の利益が関係する場合(子ども同士の利益相反)

    未成年者と親権者(親)の利益相反だけでなく、未成年者が複数名いる場合には、その子供同士でも利益相反の関係となります。

    遺産分割協議で、未成年者の相続分が減少する可能性がある場合など、未成年者の利益を守るために特別代理人が必要です。未成年者の利益が損なわれるリスクがある場合、家庭裁判所がその代理人を選任します​​。


  3. 不動産を相続・売却など、遺産管理における利害対立が発生する場合

    相続財産の管理・処分において未成年者の親と他の相続人の間で利害対立が生じる場合、未成年者を適切に保護するために特別代理人を選任することがあります​​。

    相続財産に不動産(横浜市内の自宅や収益物件など)が含まれると、相続登記や売却の前提として遺産分割協議が必要になることが多く、特別代理人が問題になりやすいです。

    「売却して現金で分けたい」「配偶者が住み続けたい」など、方針の違いが出やすい点も注意です。


  4. 親が相続放棄を選択したい場合

    親が相続する(=相続放棄をしない)一方で、未成年者は相続放棄をするという場面。これも実は特別代理人が必要になります。未成年者の相続放棄によって、親が得られる遺産が増えるためです。


    未成年者は法律行為を単独で行えないため、これらのケースでは特別代理人が法律的な観点から手続きをサポートします。横浜のように相続案件が多い地域では、こうしたケースが珍しくないため、特別代理人の必要性は非常に高いと言えます。


横浜での特別代理人の選任手続き

ここからは、実務でつまずきやすい「手続きの段取り」を、できるだけ具体的にまとめます。

(1)まず“利益相反があるか”を整理する

相続人の構成(配偶者、未成年の子、成年の兄弟姉妹など)と、

やろうとしている行為(遺産分割/放棄/売却)を整理します。

この段階で、特別代理人が必要かどうかの見通しが立ちます。


(2)特別代理人の候補者を決める

申立てでは、特別代理人の「候補者」を記載します。

候補者は、未成年者の利益を適切に代弁でき、利害関係が強くない成人が望ましいです。

親族(祖父母など)が候補になることもありますが、遺産分割の内容や関係性によっては弁護士を候補にする方がスムーズなこともあります。


(3)家庭裁判所へ申立て(原則:未成年者の住所地を管轄)

申立先は、原則として未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所です。

横浜市内にお住まいの場合は、横浜家庭裁判所への申立てになることが多いでしょう。


(4)裁判所の照会・追加書類提出(必要に応じて)

申立て後、裁判所から書面照会や追加資料の提出依頼が来ることがあります。

特に遺産分割の場合は、「分け方が未成年者に不利ではないか」を裁判所が確認するため、

遺産分割協議書“案”や財産の資料など、説明できる形に整えることが重要です。


(5)特別代理人選任の審判→審判書を受領

選任されると審判書(謄本)が届き、これが「特別代理人として代理できる」ことの証明になります。


(6)特別代理人が未成年者の代理人として、遺産分割協議等を実行

審判確定後、特別代理人が未成年者の立場で署名押印し、遺産分割協議を成立させます。

その後、相続登記や預貯金解約など、次の手続きに進みます。


申立てに必要な書類(基本セット)

申立書のほか、一般に次のような資料が求められます(事件の内容で増減します)。

・未成年者の戸籍謄本

・親権者の戸籍謄本

・特別代理人候補者の住民票等

・利益相反に関する資料(遺産分割協議書案、契約書案、不動産の登記事項証明書など)

・(相続案件では)被相続人の戸籍関係資料 など


「何を提出すべきか」はケースで変わります。

不動産がある・預貯金が大半・借金が疑われる等、事情に応じて整え方が違うため、早めの専門家相談が有効です。


費用・期間の目安(横浜の実務ポイント)

(1)裁判所に納める費用

特別代理人選任の申立てでは、収入印紙(手数料)と連絡用の郵便切手(郵券)が必要です。

横浜家庭裁判所の場合、郵便料(郵券)は事件類型・人数で変動します。


(2)期間(どれくらいで選任される?)

一般的には、申立てから選任まで数週間〜1か月程度を想定することが多いですが、

照会対応や資料不足があると延びます。

特に相続放棄は期限との関係があるため、急ぐときほど段取りが重要です。


(3)弁護士に依頼する場合の費用

弁護士が特別代理人候補者になったり、申立て一式を代理して進めたりする場合の費用は、

事案の複雑さ・財産内容・相続人の人数等で変わります。

目安が必要な場合は、面談時に「どこまでを依頼するか(申立てだけ/遺産分割まで/登記連携まで)」を前提に見積りを取るのが確実です。


よくある質問(FAQ)

Q1:未成年が2人いる場合、特別代理人は1人でいい?

A:利益相反の構造によっては、子どもごとに特別代理人が必要になることがあります。相続人関係と分け方で判断します。


Q2:遺産分割協議書を先に作ってから申立てしていい?

A:実務上は「案(ドラフト)」を作り、それを利益相反資料として提出することが多いです。

ただし、未成年の代理署名が欠けた協議書を完成形として扱うと後で問題が出るため、手順には注意が必要です。


Q3:相続放棄の期限が迫っている。どうすれば?

A:まず期限(原則3か月)を強く意識し、至急で方針整理が必要です。

特別代理人が必要な構造かを確認し、必要なら申立て準備を急ぎます。

事情によっては、期間伸長の検討も視野に入ります(個別判断)。


まとめと弁護士への相談の重要性

未成年が相続人になると、親が当然に代理できるとは限りません。

親も相続人であるなど利益相反がある場合、特別代理人を選任しないまま遺産分割を進めると、手続きが止まるだけでなく、後で無効・やり直しのリスクが問題になることもあります。


横浜で相続手続きを進める際は、「未成年がいるか」→「利益相反があるか」→「特別代理人が必要か」を早い段階で確認し、手続きの段取りを組むことが、最短ルートです。


特別代理人は、未成年者が相続手続きで不利益を被らないようにするための制度であり、特に横浜のような相続案件が多い地域では、その必要性が高いと言えます。

また未成年のお子さんがいる場合には遺言書の作成が重要だといえます。

弁護士に相談することで、手続きが確実かつ効率的に進むため、トラブルを未然に防ぐことができます。未成年の相続問題に悩む方は、ぜひ専門家に相談し、最適な解決策を見つけてください。


横浜でのご相談はお任せください

当事務所では、横浜での未成年者の相続手続きに関するご相談を承っています。初回相談では、特別代理人の必要性や手続きの流れについて丁寧にご説明します。安心してご相談いただけるよう、経験豊富な弁護士が対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

・特別代理人が必要かの整理

・家庭裁判所申立ての準備

・遺産分割協議(案)の整備、相続放棄の判断整理

まで、状況に合わせてサポート可能です。

まずは現状(相続人関係/財産内容/期限)を整理するところからご相談ください。


以上、「未成年の相続手続きに必要な特別代理人とは?横浜の弁護士が解説」でした。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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