top of page

不動産会社に相談しているのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 1月18日
  • 読了時間: 5分

不動産会社に相談しているのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?不動産相続で止まりやすい理由と正しい相談先


親や配偶者が亡くなり、不動産会社に売却や査定を相談しているのに、肝心の遺産分割が前に進まない――この悩みはとても多いです。特に、相続人が複数いる、実家に誰かが住んでいる、売るか残すかで意見が割れている、といったケースでは、「不動産の問題」に見えても、実際には「相続人同士の合意形成」が止まっていることが少なくありません。


回答の結論

結論からいうと、遺産分割が進まないなら、弁護士への相談を前向きに考えた方がよいです。

不動産会社は査定、売却活動、買主探しには強い一方で、誰が何をどの割合で取得するか、代償金をどうするか、連絡がつかない相続人とどう交渉するか、といった遺産分割そのものの調整は別の問題だからです。話し合いが止まっている原因が「価格」ではなく「権利関係」や「感情的対立」にあるなら、相談先を切り替える意味は大きいです。


解説

裁判所の案内でも、遺産分割はまず相続人間の話し合いで進め、まとまらなければ家庭裁判所の遺産分割調停や審判を利用できるとされています。つまり、不動産がある相続でも本質は「相続人全員で分け方を決めること」です。ここが決まらない限り、売却の段取りだけ整えても前へ進みにくいのです。


たとえば、相続人の一人が「売って現金で分けたい」と考え、別の一人が「実家に住み続けたい」と考えている場合、不動産会社が査定額を出しても解決しません。また、生前贈与の有無、介護の負担、使途不明金、遺言の解釈などが絡むと、法的な見通しを踏まえた整理が必要になります。こうした場面では、弁護士が交渉の進め方を組み立て、必要に応じて遺産分割協議書の作成や調停対応まで視野に入れてサポートする方が適しています。


よくある誤解

よくある誤解は、「不動産のことだから不動産会社に相談すれば全部進むはず」というものです。ですが、不動産会社への相談で進みやすいのは、あくまで価格査定や売却方法の検討です。遺産分割が止まる主因は、売り方よりも、相続人の同意、取り分、名義、感情の対立であることが多いのです。


もう一つの誤解は、「弁護士は揉めてから相談するもの」という考え方です。日弁連も、相続全般について早い段階から弁護士が全体像を整理し、アドバイザー・代理人として支援できると案内しています。こじれてからより、こじれる前の相談の方が、時間も負担も抑えやすいことは珍しくありません。


実務での注意点

まず「何が止まっているのか」を切り分けることが重要です。価格が分からないのか、相続人の所在が不明なのか、話し合いはできるが合意文書が作れないのか、そもそも一人が話し合いに応じないのかで、打つべき手は変わります。そのうえで、戸籍一式、固定資産税の資料、登記事項証明書、遺言書の有無、預貯金や借入の資料などを早めに整理しておくと、相談が具体的になります。


また、不動産を相続した場合、相続登記には期限のルールがあります。法務省は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記申請を義務づけており、遺産分割が成立した後にも追加の登記義務が生じる場合があると案内しています。[3] 「話がまとまっていないから後回し」で放置しないことが大切です。


士業としての支援内容

弁護士は、相続人間の交渉、法的な争点整理、遺産分割協議書の作成支援、調停・審判を見据えた対応に強みがあります。一方、相続登記そのものの申請手続は司法書士が主要な相談先です。また、相続税の申告や税負担の見通しは税理士の領域です。つまり、「不動産会社か弁護士か」の二択ではなく、売却は不動産会社、交渉は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士という形で役割分担するのが実務的です。


まとめ

不動産会社に相談していても遺産分割が進まないなら、問題の中心は不動産そのものではなく、相続人間の合意にある可能性が高いです。その場合、弁護士への相談はかなり有効です。特に、相続人の意見が割れている、話し合いが感情的になっている、書類に署名してもらえない、使途不明金や生前贈与が争点になっているなら、早めの相談が適しています。最終的な結論は個別事情で変わりますが、「止まってから相談」より「止まり始めた段階で相談」の方が、解決しやすいケースは多いでしょう。


不動産会社に相談しているのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?でした。


『止まった相続を終わらせる弁護士』大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

【今すぐ相談予約をする】

電話:〔045-663-2294


【追記】

税理士・司法書士・行政書士の先生に依頼したのに、相続が止まったままではありませんか?

手続は進んでも話し合いが進まない。相続が止まるのには理由があります。

「止まった相続を終わらせる」という考え方はこちらにも掲載しました。

不動産会社に相談しているのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?

bottom of page