兄がLINEも電話も無視していて、遺産分割が進みません。どうしたらいいですか?
- 誠 大石

- 2025年10月21日
- 読了時間: 5分
兄(他のきょうだい)がLINEも電話も無視していて遺産分割が進まないとき、最初にやるべきことは何か
相続では、相続人の一人が連絡に応じないだけで、全体が止まってしまうことがあります。特に兄弟姉妹の相続では、もともと疎遠だった、感情的なしこりがある、以前の家族関係を引きずっているといった事情から、LINEも電話も無視され、話し合いの入口にすら立てないことがあります。こうしたときにやってはいけないのは、感情的に追いかけ続けることです。返事が来ない相手を説得し続けても、相続は前に進みにくく、かえって関係が悪化することがあります。
結論:進まなければ家庭裁判所の遺産分割調停を検討するのが基本
結論からいえば、兄がLINEも電話も無視しているなら、まず「単に無視しているのか」「住所や所在自体が分からないのか」を分けて考えるべきです。そのうえで、口頭中心のやり取りをやめ、記録が残る形で連絡を整理し、それでも進まなければ家庭裁判所の遺産分割調停を検討するのが基本です。相続で大切なのは、返事を待ち続けることではなく、止まった状態をどう終わらせるかを考えることです。
なぜLINEや電話だけではだめなのか
LINEや電話は気軽ですが、相手が見たのか、どこまで伝わったのか、後で証明しにくいという弱点があります。相続のように全員の関与が必要な手続では、「こちらは連絡したつもり」だけでは足りません。まずは相続人と遺産の全体像を整理したうえで、書面やメールなど記録に残る方法へ切り替え、回答期限を区切って意思確認をしていく方が実務的です。
また、兄が返事をしない理由も見極める必要があります。単に面倒で先送りしているのか、条件に不満があるのか、住所が変わって連絡が届いていないのかで、取るべき対応は変わります。ここを曖昧にしたまま追いかけ続けると、時間だけが過ぎていきます。
よくある誤解
よくある誤解は、「家族だから、そのうち返事が来るだろう」という考えです。しかし、相続は相続人全員の関与を前提に進む場面が多く、一人の沈黙で止まる構造があります。待っていれば自然に解決するとは限りません。
もう一つ多いのは、「無視されているだけなら裁判所はまだ早い」という思い込みです。けれど、相手が話し合いに応じないために遺産分割が進まないなら、すでに家庭裁判所の遺産分割調停を利用できる段階です。相手が返事をくれないこと自体が、私的な協議で進める限界を示していることがあります。
実務での注意点
実務では、まず被相続人の戸籍を集めて相続人を確定し、遺産の一覧を作ります。そのうえで、兄の住所が分かっているなら、記録が残る方法で協議の参加を求め、それでも応じなければ調停を視野に入れます。遺産分割調停は、相続人の一人または数人が、他の相続人全員を相手方として申し立てる手続です。調停でまとまらなければ、審判へ移行して裁判所が結論を示す流れになります。
一方で、兄の住所や所在そのものが分からず、従来の住所にもいないような場合は、単なる無視ではなく「不在者」の問題になることがあります。この場合は、不在者財産管理人の選任を申し立て、その管理人を通じて遺産分割を進めることが検討対象になります。つまり、無視なのか所在不明なのかで、次の一手が変わるのです。
さらに、不動産が遺産に含まれているなら、相続登記の問題も放置できません。話し合いが止まっていても、登記の義務は別に考える必要があります。相続全体が止まっているからといって、何もしないままでよいわけではありません。
弁護士に相談すると何が変わるか
弁護士に相談すると変わるのは、単に法的知識が増えることではありません。相手との連絡窓口を本人から切り離し、交渉で進むのか、調停へ進むのか、所在不明として別手続を取るのかを整理できるようになります。家族同士で追いかけ続けると感情だけが蓄積しますが、弁護士が入ると、問題を「返事がない」から「どう終わらせるか」へ切り替えやすくなります。
まとめ
兄がLINEも電話も無視していて遺産分割が進まないときは、まず無視なのか所在不明なのかを切り分け、口頭のやり取りをやめて記録が残る方法へ移ることが第一歩です。それでも進まなければ、遺産分割調停を使って家庭裁判所の場に移すべき段階です。住所自体が分からないなら、不在者財産管理人の手続も視野に入ります。相続で本当に必要なのは、返事を待ち続けることではなく、止まった相続に区切りをつけることです。自分たちだけで動かせないと感じた時点で、早めに専門家へ相談することが、結果として最も現実的な解決につながります。
以上、兄がLINEも電話も無視していて、遺産分割が進みません。どうしたらいいですか?でした。
『止まった相続を終わらせる弁護士』大石誠
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【追記】
税理士・司法書士・行政書士の先生に依頼したのに、相続が止まったままではありませんか?
手続は進んでも話し合いが進まない。相続が止まるのには理由があります。
「止まった相続を終わらせる」という考え方はこちらにも掲載しました。




