top of page

遺産分割で不動産が含まれる場合、必ず売却しなければなりませんか?

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 8月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:11月7日

遺産分割で不動産が含まれる場合、必ず売却しなければならない?相続トラブルを防ぐポイント

相続が発生すると、不動産を含む遺産の分け方について多くの方が悩まされます。特に「不動産が含まれる場合は必ず売却しなければならないのか?」という質問は非常に多く寄せられます。不動産は現金と違って分けにくいため、相続人間でトラブルになるケースも少なくありません。


この疑問は、特に実家や土地などの不動産が遺産に含まれている場合に、相続人全員が納得する形で分けられるか心配する方や、不動産を売らずにそのまま引き継ぎたいと考える方からよく聞かれます。今回は、不動産の遺産分割における基本的な考え方と、売却が必要なケース・そうでないケースを分かりやすく解説します。


結論:必ずしも売却しなくてもよい


遺産分割に不動産が含まれている場合でも、必ず売却しなければならないというルールはありません。不動産は現物のまま相続することも可能です。分割の方法によっては、売却せずに相続人の一人が取得する、共有にする、代償分割するなど、柔軟な対応が可能です。


不動産相続の分割方法とその背景

不動産の遺産分割には主に以下の方法があります:


1. 現物分割:不動産をそのまま相続人の一人が取得する方法です。たとえば、長男が実家をそのまま相続し、他の相続人が他の財産を受け取る形です。


2. 代償分割:不動産を一人が相続し、その代わりに他の相続人に現金などで代償を支払う方法です。これにより公平な分配が可能になります。


3. 換価分割:不動産を売却し、その代金を相続人間で分ける方法です。相続人全員が売却に同意し、平等に現金で分けたい場合に選ばれます。


4. 共有分割:不動産を相続人全員で共有する形です。ただし、後々の利用や処分に関してトラブルの原因になることもあるため慎重に検討が必要です。


これらの中から、相続人全員の合意のもとで選択することになります。


よくある誤解

「不動産は売らないと分割できない」というのは誤解です。現物分割や代償分割といった方法も合法的に認められています。


また「全員が同意しないと売却できない」という点も見落とされがちです。不動産を売却するためには原則として全相続人の同意が必要です。一人でも反対する人がいれば、売却は進められません。


実務での注意点

不動産をそのまま相続する場合や代償分割を行う場合、相続税の支払いや不動産登記の変更手続きが必要です。特に代償金の支払い能力が問題になることもあります。また、共有にすると将来的に処分が難しくなったり、維持管理で揉めることもあります。


登記手続きを怠ると、後の代でさらなるトラブルを招くこともあるため、速やかな名義変更が重要です。


専門家の支援でスムーズな分割を

遺産分割協議書の作成や相続登記、不動産の評価などは、行政書士や司法書士、税理士といった専門家のサポートを受けることでスムーズに進められます。特に不動産がからむ相続では、税務上の判断や法的な手続きも複雑になりがちです。


行政書士は遺産分割協議書の作成を、司法書士は登記手続きを、税理士は相続税の申告を担当するなど、それぞれの専門分野で支援できます。早めに相談することで、相続人全員にとって公平で納得のいく解決策が見えてくるはずです。


まとめ:売却せずに相続する道も検討を

不動産が含まれる相続でも、売却が必須というわけではありません。相続人間の合意と、適切な分割方法の選択があれば、売却を避けて相続することも十分可能です。ただし、分割方法によっては複雑な手続きが必要となるため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。


相続は一度きりの手続きであり、後悔のないよう、丁寧に進めていくことが大切です。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

【今すぐ相談予約をする】

電話:〔045-663-2294

bottom of page