財産を特定の人にだけ相続させることはできますか?遺言と遺留分で知っておくべき重要ポイント
- 誠 大石

- 18 時間前
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「長年介護してくれた子どもに多く財産を残したい」「事業を継いでいる後継者だけに相続させたい」など、相続に関する相談の中でも“特定の人にだけ財産を相続させたい”という疑問は非常に多く寄せられます。一方で、日本の相続制度には家族間の公平性を保つためのルールもあり、思い通りに進まないケースも少なくありません。本記事では、この疑問に対する結論と、制度上の注意点をわかりやすく解説します。
結論:条件付きで可能だが、制限もある
結論から言うと、財産を特定の人にだけ相続させることは「遺言書」を作成すれば可能です。ただし、法定相続人の中には「遺留分」と呼ばれる最低限の取り分が保障されている人もおり、その権利を完全に無視することはできません。したがって、実務上は遺留分を考慮した設計が重要になります。
制度の仕組みと法律上の根拠
相続は、原則として民法で定められた「法定相続分」に従って行われます。しかし、被相続人が有効な遺言書を残している場合は、原則としてその内容が法定相続分よりも優先されます。
例えば、「全財産を長男に相続させる」といった内容の遺言も形式が整っていれば有効です。ただし、配偶者や子どもなど一定の法定相続人には、遺留分(法定相続分の一定割合)が認められており、侵害された場合には「遺留分侵害額請求」を行うことができます。
その結果、遺言どおりに相続した人が、他の相続人に金銭で補填する必要が生じることもあります。
よくある誤解
よくある誤解の一つが、「遺言があればすべて自由に決められる」という考えです。実際には、遺留分の存在により完全な自由は制限されています。また、「生前に口約束していれば大丈夫」「自分で書いたメモでも遺言になる」と誤解しているケースも見られます。
遺言書には厳格な方式があり、自筆証書遺言であっても日付や署名、内容の明確性が欠けていると無効になる可能性があります。
実務での注意点
実務上、特定の人にだけ相続させたい場合は、まず遺留分の対象となる相続人が誰かを整理することが重要です。その上で、遺留分を侵害しない分配にするか、侵害する場合は将来の請求リスクを理解したうえで遺言内容を決める必要があります。
また、不動産や事業用資産など分割しにくい財産が中心の場合、相続後のトラブルを防ぐために代償金の準備や生命保険の活用を検討することも有効です。
専門家ができるサポート
士業は、遺言書の文案作成や方式チェック、相続関係の整理を通じて、トラブルを未然に防ぐサポートが可能です。特に「特定の人にだけ相続させたい」というケースでは、遺留分対策や家族関係への配慮が不可欠なため、専門家の関与が安心につながります。
また、公正証書遺言の作成支援を受けることで、無効リスクを大きく減らすことができます。
まとめ
財産を特定の人にだけ相続させることは、遺言書を作成すれば可能ですが、遺留分という重要な制限があります。制度を正しく理解せずに進めると、相続後に大きなトラブルへ発展することもあります。
「自分の意思を確実に実現したい」「家族間の争いを避けたい」と考えている場合は、早めに専門家へ相談し、法的に安全な形で準備を進めることをおすすめします。
弁護士 大石誠
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