寄与分とは?相続財産に貢献した人の取り分を増やす制度をわかりやすく解説
- 誠 大石

- 11 時間前
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相続が発生すると、原則として民法で定められた「法定相続分」に従って財産が分けられます。しかし、被相続人の生活を長年支えたり、事業を手伝ったりして財産の維持・増加に特別な貢献をした人がいる場合、単純に法定相続分だけで分けると不公平になることがあります。 そのような不公平を調整するために設けられている制度が「寄与分」です。寄与分は相続人の貢献を評価し、その分だけ相続財産の取り分を増やすことができる仕組みです。相続トラブルでも争点になりやすい制度のため、正しい理解が重要になります。
寄与分の定義と制度の目的
寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に特別な貢献をした相続人に対し、その貢献度に応じて相続分を増加させる制度です。民法第904条の2に規定されており、相続人間の公平を図ることを目的としています。
たとえば、長年にわたり無償で家業を手伝っていた場合や、被相続人の介護を献身的に行い介護費用の支出を抑えた場合などが代表例です。通常の家族関係の範囲を超えた「特別の寄与」があることが条件となります。
専門家の立場から見ると、寄与分は客観的証拠の有無が重要であり、単なる親族の協力では認められないケースも多い点に注意が必要です。
寄与分が認められる主なケース
寄与分が認められる典型例には、いくつかのパターンがあります。代表的なものとして、家業従事型、療養看護型、金銭出資型、財産管理型などが挙げられます。
家業従事型は、被相続人の事業や農業、商店などを長期間無償または低賃金で手伝った場合です。療養看護型は、被相続人の介護を長年行い、介護費用の支出を減らした場合などです。金銭出資型は、被相続人の事業や不動産取得のために資金を提供したケースです。行政書士の実務では、これらの寄与を証明するために、通帳記録、領収書、介護記録などの客観資料を整理することが重要になります。
寄与分が相続分に反映される仕組み
寄与分は、相続財産からまず寄与分を差し引いたうえで、残りの財産を法定相続分で分割する仕組みになっています。つまり、寄与した相続人は通常の相続分に加えて寄与分を受け取ることになります。
例えば、相続財産が3000万円で寄与分が500万円と認められた場合、まず3000万円から500万円を控除し、残りの2500万円を法定相続分で分割します。そして寄与した相続人は、分割後の取り分に加えて500万円を取得する形になります。相続実務ではこの計算方法を理解しておかないと、遺産分割協議の際に誤解が生じやすいため、専門家の関与が望ましい場面も多くあります。
寄与分の主張方法と手続き
寄与分を主張するには、まず相続人同士の遺産分割協議の中で話し合うのが基本です。相続人全員が合意すれば、その内容を遺産分割協議書に反映させることができます。
しかし合意できない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停または審判を申し立て、その中で寄与分を主張することになります。この際、寄与の内容や期間、経済的効果などを具体的に説明する必要があります。行政書士は調停代理はできませんが、寄与分を裏付ける資料整理や遺産分割協議書の作成支援など、相続手続きの実務面で重要なサポートを提供することが可能です。
まとめ
寄与分は、被相続人の財産形成や維持に特別な貢献をした相続人の努力を公平に評価するための重要な制度です。ただし、寄与分が認められるためには「特別の寄与」が必要であり、客観的証拠がなければ認められないケースも少なくありません。
相続では感情的な対立が生じやすく、寄与分の主張がトラブルの原因になることもあります。そのため、寄与の事実を整理し、適切な法的手続きで主張することが重要です。相続問題で寄与分が関係する可能性がある場合は、弁護士などの専門家に相談し、円滑な遺産分割を目指すことが望ましいでしょう。
弁護士 大石誠
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