相続人が全員辞退した場合、次に相続するのは誰?相続放棄後の権利と手続きガイド
- 誠 大石

- 2月23日
- 読了時間: 3分
相続が発生した際、相続人全員が相続を辞退(相続放棄)した場合、その後の手続きや相続権はどうなるのでしょうか?これは高齢化や家族関係の希薄化により「相続を望まないケース」が増える中で、特に関心を集めているテーマです。不動産や借金など、マイナスの財産が多いケースでは、相続人が一斉に放棄することも少なくありません。
今回は「相続人が全員辞退した後、誰が相続するのか?」について、法律上のルールや手続き、誤解されやすいポイントまで詳しく解説します。
結論:次順位の法定相続人が相続権を持つ
被相続人(亡くなった方)の相続人が全員相続放棄をした場合、次に相続権が移るのは、法定相続の「次順位」にあたる人です。民法では相続順位が定められており、第一順位から順に確認していきます。
相続の順位と流れ
相続順位は以下の通りです。
1. 第一順位:子ども
2. 第二順位:父母・祖父母など(直系尊属)
3. 第三順位:兄弟姉妹
※配偶者は常に相続人になります(順位に関係なく)
たとえば、被相続人に配偶者と子がいる場合、子が全員相続放棄すると、配偶者とともに第二順位(親など)に相続権が移ります。第二順位の者がすでに亡くなっているか、同様に放棄した場合は、第三順位の兄弟姉妹に移ります。
なお、全順位の相続人が相続放棄した場合には「相続人不存在」となります。
相続人不存在の場合の対応
相続人が誰もいない、または全員が放棄した場合、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てる必要があります。これは、被相続人の財産(不動産、預貯金、負債など)を清算・処理するための法的な手続きです。
相続財産清算人は、主に以下のことを行います。
- 財産の調査・管理・清算
- 債権者への弁済
- 残余財産の国庫への帰属手続き
相続人不存在のまま放置すると、遺産の管理がされず、トラブルの原因になります。
よくある誤解
「相続放棄をすれば借金の請求も来ないから安心」と思われがちですが、放棄には期限(原則3か月)があり、手続きを怠れば「単純承認(すべてを相続)」とみなされることがあります。
また、「誰か一人が相続放棄すれば、他の人が自動的に相続人になる」と誤解されがちですが、放棄は個人ごとに判断され、放棄によって次の順位の相続人に通知が行くわけではありません。
実務での注意点
実際の相続放棄には、家庭裁判所への申述書提出が必要であり、提出期限は「相続を知った日から3か月以内」です。この期限を過ぎると、相続放棄が認められなくなる場合があります。
また、次順位の相続人に通知する義務はなく、彼らが「自分が相続人になった」ことに気づかず、放置されることもあります。そのため、相続人の把握と連絡調整は非常に重要です。
専門家による支援の重要性
弁護士などの専門家は、以下のような支援が可能です:
- 相続人調査と戸籍収集
- 相続放棄申述書の作成・提出支援
- 相続財産の調査と債務確認
- 相続財産管理人の申立手続き代行
- 遺産分割協議書の作成(相続放棄後の整理含む)
特に相続放棄が連鎖するケースでは、早めの法的対応が重要となるため、専門家への相談が推奨されます。
まとめ:相続放棄が広がると次の人が相続人になる
相続人が全員辞退した場合、法定順位に従って相続権が次の人へ移ります。最終的に全員が放棄した場合は、相続人不存在として国による処理へと移行します。相続放棄は単に「辞退する」だけでなく、その後の影響や手続きが広範に及ぶため、迷ったら専門家に相談することが安心です。
弁護士 大石誠
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