横浜で底地権を相続する際の評価と分割の注意点
- 誠 大石

- 8月8日
- 読了時間: 19分
横浜で増える「底地権」の相続—最初に押さえるべき視点
横浜市は古くから住宅地・商業地・工業地が混在する地域であり、長年にわたり土地を貸している「底地」の存在が珍しくありません。そのため、相続財産として「底地権(貸している土地の所有権)」を引き継ぐケースも多く見られます。
しかし、底地は一般的な土地所有権とは異なり、「借地権者(借りている側)」との契約関係が継続しているため、使用や売却の自由度が大きく制限されます。つまり、“所有していても自由に使えない土地”が底地なのです。
相続の場面では、以下のような悩みが多く寄せられます。
- 評価額の算出方法が分からない
- 相続人同士で底地の扱いを巡って揉めそう
- 地代収入の管理が面倒
- 売却したいが借地人が協力してくれない
- 換価しづらく、納税資金の確保に困っている
本記事では、横浜における底地権相続の実務について、弁護士の視点から「評価方法」「分割時の注意点」「売却(換価)の方法」「共有リスクの管理」などをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、複雑でトラブルになりやすい底地相続において、適切な初動とリスク管理のポイントが明確になります。
横浜での底地権相続の基本知識
底地権とは「借地権の付いた土地の所有権」を意味し、土地を貸している側(所有者)が持つ権利です。
一般的な「更地」とは異なり、自由に使用・処分することが制限されており、その制限の内容は「借地借家法」によって細かく定められています。
底地権と借地権の関係とは?
底地権者(地主)は、借地権者(借り手)に対して土地を貸し、地代収入を得る立場です。一方、借地権者はその土地に建物を建てて使用し、収益を上げる権利を持っています。
重要なのは、借地権が強く保護されているため、地主が一方的に契約を終了させたり、地代を大幅に増額したりすることが困難であるという点です。
借地権と底地権の両方が存在する場合、その土地の価値は「借地権部分」と「底地権部分」に分けて評価され、どちらか一方だけを売却・処分することは簡単ではありません。
借地借家法による権利関係の制約
底地権の運用には、借地借家法が大きく関係します。
- 借地契約の更新には「正当な事由」が必要であり、地主側から一方的に契約を打ち切ることはできません。
- 借地権者が建物を建て替える、あるいは譲渡する場合には、底地権者の「承諾」が必要になることがあります。
- 無断で建て替えや譲渡を行った場合でも、裁判上の承諾により効力が認められることがあるため、底地権者の立場は非常に慎重に扱う必要があります。
横浜のように借地契約の歴史が長く、契約内容が曖昧になっているケースも多いエリアでは、契約書の有無や内容確認が特に重要です。
このように、底地権の相続には「単なる不動産所有」とは異なる知識と対応が求められます。横浜市内で底地を相続した場合は、借地権との関係を丁寧に整理することが最初のステップになります。
底地権の評価が複雑な理由
底地権の相続で最も悩ましいのが「評価額の算出」です。
通常の土地評価と異なり、底地は借地権による制約を受けており、評価額もそれを反映して大きく変わります。
特に横浜のように地価が高く、地域差の大きいエリアでは、評価額と実勢価格に乖離が生じやすく、納税額や分割額の公平性に直結するため、慎重な検討が必要です。
路線価と借地権割合の関係
底地の評価では、次のような計算式が基本となります。
【底地評価額】= 路線価 × 地積 ×(1 − 借地権割合)
たとえば、路線価が30万円/㎡で地積が100㎡、借地権割合が60%の場合、
底地の評価額は「30万円 × 100㎡ ×(1 − 0.6)=1,200万円」となります。
借地権割合が高ければ高いほど、借地権者の権利が強くなるため、底地権者が持つ権利は限定され、その分評価額は低くなります。
この評価は相続税上の基準であり、実際の売買価格とは異なる点に注意が必要です。
横浜の地価と評価への影響
横浜市は広範囲にわたる自治体であり、エリアごとの地価差が非常に大きいのが特徴です。たとえば、横浜駅周辺やみなとみらい地区では商業価値が高く、路線価も高水準ですが、住宅地が中心の郊外エリアでは路線価が大きく下がります。
また、以下のような要素が底地評価に影響します。
- 地代が相場と比べて高いか低いか
- 借地契約の残存期間や自動更新の有無
- 建物の老朽化や建替え希望の有無
- 承諾料(建替・譲渡など)の期待可能性
- 将来の再開発性や利便性の向上可能性
これらを総合的に判断しないと、実際の市場価値と相続税評価額に大きな乖離が出ることになります。
相続税評価と実勢価格の乖離リスク
底地の相続では、「税務上の評価」と「実際に売却できる価格(実勢価格)」が大きく異なることが珍しくありません。
たとえば、相続税の申告時には評価額1,200万円とされていた底地が、借地人との交渉が難航したことで、実際には800万円程度でしか売却できなかったというケースもあります。
このような乖離があると、
- 相続税は1,200万円に基づいて納めているのに
- 換価した金額は800万円で、納税後に現金がほとんど残らない
といった“手元に残らない相続”になってしまいます。
したがって、底地の評価では、
- 税務上の評価額(形式的な価値)
- 実勢価格(市場で売れる実際の価値)
- 借地人との交渉余地(将来的な価値)
をトータルで見ながら、納税・分割・換価までの道筋を設計することが重要です。
横浜で底地権を相続する際の分割の難しさ
底地権を複数人で相続する場合、「共有」という形になることが一般的ですが、これが後々のトラブルの火種となることが多くあります。特に底地は、管理や意思決定に関わる場面が多く、相続人の意見が一致しないと前に進まないケースが頻発します。
横浜のように地域によって借地人の属性や契約内容が多様なエリアでは、なおさら注意が必要です。
相続人間での共有とトラブル例
底地を相続した結果、以下のようなトラブルが発生することがあります。
- 地代収入の分配をめぐる対立
入金管理や振込口座の設定、税務処理(源泉徴収・確定申告)を誰が担うのかでも揉めることがあります。
- 借地権者への対応で意見が割れる
建替え承諾や地代の増額交渉、契約更新の内容をどうするかについて相続人の意見が一致せず、借地権者を待たせてしまう事態も。
- 意思決定の遅れにより損失が出る
承諾料の提示が遅れた、更新時期を逃した、立退交渉が長期化した等、機会損失が現金の減少に直結するリスクがあります。
【弁護士の視点】
底地の共有は「利益の分配」と「業務の負担」が不均衡になりがちです。特に管理・交渉役を一人が担っているのに報酬がない場合、不満が蓄積されやすく、争族の原因になります。
初めの段階で、以下のような「共有管理ルール」を決めておくことが重要です。
- 意思決定は過半数?全員一致?期限は?
- 地代の収入と管理業務の分担比率
- 借地人への窓口を誰にするか
- トラブル時の調整手段(弁護士の活用、第三者の仲介等)
明文化しておけば、後のトラブルを最小限に抑えることができます。
借地権者との交渉が必要になるケース
底地権者が複数になると、借地人との交渉にも影響が出ます。代表者が明確でない場合、借地人としては「誰と話せばいいのか分からない」「何度も説明を繰り返す」など、信頼関係が損なわれてしまうことがあります。
また、次のような局面で交渉が必要です。
- 建物の建替えや譲渡の承諾
- 地代の増額・減額交渉
- 借地人から底地購入の申し出があった場合
- 無断使用や名義変更などが発覚したとき
このような局面で、相続人の間で判断が分かれたり、対応が遅れたりすると、交渉が長期化し、底地の価値が下がることさえあります。
交渉を円滑に進めるためには、以下の対応が有効です。
- 代表相続人または代理人(弁護士)を定め、借地人との窓口を一本化する
- 承諾料や売却価格などの判断基準を事前に相続人間で共有しておく
- 書面による記録・合意を徹底し、将来のトラブルに備える
横浜のように、借地人が地元密着型の商店主や住民である場合、感情的な配慮も重要になるため、交渉には法律的知識と人間関係のバランスが求められます。
底地の売却・換価に関する注意点
底地を相続した場合、「相続税の納税資金を確保するために売却したい」「管理が煩雑なので現金化したい」といった理由で、換価(現金化)を検討するケースが少なくありません。
しかし、底地の売却は通常の土地売買とは異なり、借地権者の存在が大きな障害となることがあります。特に横浜のように、借地契約が長期間続いているケースでは、契約内容や借地人との関係が売却価格や時期に大きな影響を与えます。
借地権者との優先交渉
底地の最も自然な売却先は、現にその土地を借りている借地権者です。なぜなら、借地権者が底地を買い取れば「完全な所有権」となり、自由に建替え・譲渡・売却できるようになるからです。
この“所有権の一体化”は借地権者にとっても大きなメリットがあり、交渉が成立すれば以下のような利点があります。
- 市場よりも高値で売却できる可能性がある(借地権者が特別な価値を見出すため)
- 取引がスムーズに進みやすい(現状使用者であり、調整の余地が少ない)
- 借地関係を整理でき、今後の管理負担がなくなる
ただし、交渉を行う際は以下の点に注意が必要です。
- 価格の妥当性(税理士や不動産業者の意見を参考に)
- 共有者がいる場合の意見統一
- 売却後の譲渡所得税の計算
- 買主が現金で一括支払いできるかどうか
また、借地人によっては「底地を買う意思がない」「価格で折り合わない」といったケースもあり、必ずしもスムーズに成立するとは限りません。
底地売却の際は、買主候補である借地人とまず面談し、「価格の目安」「支払い方法」「スケジュール」をすり合わせたうえで、売買契約を締結します。価格交渉に不安がある場合は、不動産鑑定士の評価書を使うと公平性が確保しやすくなります。
換価分割が難しい場合の対応策
相続人の間で底地を「現金化して分割したい」という希望があっても、借地人との交渉が不成立だったり、購入意思がなかったりする場合、すぐに売却できないこともあります。そのようなときの選択肢には次のようなものがあります。
1. 底地専門業者への売却
底地を専門に扱う不動産業者や買取会社が存在します。スピーディーに現金化できる利点がありますが、価格は相場よりも低めになる傾向があります。
2. 借地人との共同売却を検討
借地人と協議し、底地と借地権をセットにして第三者へ売却することで、所有権として高値で売却できる可能性があります。
3. 一部持分のみの売却
共有者の一部が自分の持分だけを売却することも可能です。ただし、購入者が管理に参加しづらいため、売却価格は大きく下がる可能性があります。
4. 賃貸経営の継続と収益分配
しばらく保有して地代収入を得る方針に転換するケースもあります。その場合、収益の分配方法や管理体制の明確化が必要です。
5. 延納・物納の検討(相続税対策)
納税資金が不足する場合は、延納(分割払い)や物納(不動産による納税)を活用することも視野に入ります。事前に税理士や弁護士と協議のうえ、手続きを進める必要があります。
【横浜市内での実務例】
- 港南区の住宅地で、借地人が高齢かつ買い取り意欲がなかったため、底地専門業者と借地人双方に交渉。地代収益と承諾料を見積もり、数年後の一体売却を前提とした管理契約を締結したケースもあります。
このように、底地の換価は一筋縄ではいかないため、「現金化ありき」ではなく、「どのタイミングで、どのルートを使えば最も損が少ないか」を見極めることが大切です。
弁護士が解説する底地権相続のリスク管理
底地権の相続は、評価・分割・換価のどれをとっても一筋縄ではいかず、相続人同士や借地権者とのトラブルに発展しやすいのが実情です。
特に、契約内容が不明確だったり、共有状態で意思決定が滞ったりすると、資産価値の低下や不要な争い(争族)につながります。
ここでは、弁護士の立場から、底地相続における典型的なトラブル例と、その予防策をご紹介します。
横浜で実際に多いトラブルの型
1. 古い契約で内容が不明確
昭和時代に結ばれた借地契約で、契約書がない、あるいは「自動更新」などが曖昧に記載されているケース。更新料や承諾料の有無について借地人と意見が食い違い、交渉が難航することがあります。
2. 地代が長年改定されていない
「ずっと据え置き」「親の代から一度も変更していない」という状況では、相場との差が大きく、増額交渉を試みても借地人が応じない事例が多発します。
3. 無断建替え・譲渡が発覚
借地人が底地権者の承諾を得ずに建物を建替えたり、第三者に借地権を譲渡していたというケース。知らないうちに権利関係が複雑になり、収益や管理に影響が出る可能性があります。
4. 相続人間での認識のズレ
「地代をもらえるから持ち続けたい」相続人と、「早く売って現金化したい」相続人の間で方針が対立し、意思決定が停滞。借地人との対応が後回しになり、価値が下がってしまうことも。
争族(あらそうぞく)防止のための対策
底地の相続では、「契約関係の見える化」と「相続人間の意思統一」が最重要課題です。以下の対策を初動で行うことで、多くのトラブルを予防できます。
- 書類の整理と確認
契約書、更新合意書、地代の振込履歴、固定資産税納付書、建物登記簿などを一箇所にまとめ、状況を把握します。
- 借地人の意向確認
現在の使用状況や、将来的な買い取り・建替えの意思を確認しておき、今後の交渉方針を立てます。
- 相続人間の協議とルール作成
共有とする場合は、意思決定ルール(過半数?全員一致?)や、代表者の指定、地代の分配方法を取り決め、文書化しておくのが望ましいです。
- 専門家との連携
弁護士・税理士・不動産業者・不動産鑑定士などとチームを組んで対応することで、法務・税務・実務のバランスをとることができます。
【弁護士からのアドバイス】
底地は“ほったらかし”にすると価値が下がります。逆に、契約関係を整理し、借地人との関係性を良好に保ち、相続人間での意見がまとまっていれば、安定した収益資産や高額売却が期待できます。
初動での「見える化」と「方針決定」が、成功の鍵です。
納税資金確保の実務ポイント
底地の相続で現金化が難航すると、相続税の納付に困るケースもあります。納税資金の確保についても、早めの検討が必要です。
- 売却による納税資金確保
借地人への売却や、底地業者への売却を通じて納税資金を確保する。売却が難航する場合に備え、予備プランも検討しておきます。
- 延納・物納の検討
相続税の納税が一括でできない場合は、税務署に延納(分割払い)や物納(不動産による納付)を申請することも可能です。
- 不動産担保ローンの活用
一時的な資金確保のために、底地を担保に金融機関から借入を行う選択肢もあります。ただし、金利や返済計画に注意が必要です。
- 承諾料・地代増額交渉による現金収入
建替え・譲渡の承諾料や、地代の増額交渉が成立すれば、まとまった現金を得られる可能性があります。
納税資金の準備は「底地をどうするか」の判断とセットで検討すべきです。売却前提で納税していたのに売却できない、という事態は絶対に避けなければなりません。早めにプランを組み立て、必要に応じて延納や借入を視野に入れることで、安全な相続手続きが可能になります。
横浜での具体ケーススタディ(弁護士の視点)
ここでは、横浜市内で実際にあった(もしくは想定される)底地相続の事例をもとに、問題点と対応のポイントを解説します。地域性や契約内容によって対応が異なるため、個別の事情を踏まえた判断が必要です。
【事例】横浜市港北区/底地の相続と売却交渉
- 地積:100㎡
- 路線価:35万円/㎡(相続税評価額=約1,400万円)
- 借地権割合:60%(借地権者は親世代からの居住者)
- 地代:月額12,000円(相場と同等)
- 建物:築45年の木造住宅
- 借地人:70代の高齢夫婦。建替え希望あり
- 相続人:3人(兄弟姉妹)。方針は「売却して現金化したい」
問題点
1. 借地人は底地購入の意向なし
高齢のため住宅ローンを組むことが難しく、現金も不足しており、底地を買うことに消極的。
2. 建替えの意向があるが、承諾料の提示額にギャップ
弁護士が査定した承諾料は更地価格の6%(=210万円)だが、借地人は100万円を超える支払いに難色。
3. 相続人間の温度差
長男は地代収入の継続を希望。妹2人は早期売却・分配を希望しており、意見がまとまらない。
このケースでは、借地人の高齢や購入能力の制限があり、早期の底地売却は難しい状況でした。そこで、建替え承諾を活用して資産の安定化を図りつつ、相続人間の調整と将来の売却準備を並行して行う方針を採用しました。
横浜のように、土地価値は高いが借地契約が古いケースでは、「すぐに売れない前提での長期設計」が結果的にベストな対応となることが多くあります。
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このような事例は、底地を相続された方が現実的な選択肢を整理するための参考になりますが、同じような条件でも借地人の性格や経済力によって方針は変わります。
そのため、個別のケースごとに弁護士などの専門家と相談しながら進めることが、安全かつ最も納得のいく解決につながります。
チェックリスト(横浜の底地相続・初動30日)
底地を相続した直後は、さまざまな情報や判断が必要になります。
しかし、焦って動くと誤った判断をしてしまったり、借地人との関係を悪化させてしまう恐れもあります。
そこで、横浜で底地を相続した場合に、最初の30日以内に行っておくべき「初動対応チェックリスト」 をご紹介します。これを基に必要な情報を整理し、適切な専門家へ相談する準備を進めてください。
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【初動30日チェックリスト】
✅ 登記事項証明書を取得
- 相続した底地の「登記簿謄本(全部事項証明書)」を取得し、所有者名義や借地権の記載を確認。
✅ 借地契約書や更新合意書の有無を確認
- 借地権者との契約書、過去の更新に関する書類を探し、契約条件(期間・更新日・承諾料の有無)を把握。
✅ 地代の入金状況を確認
- どの口座に入金されているか、過去の支払い履歴、滞納の有無、金額が相場と合っているかを確認。
✅ 固定資産税通知書を確認
- 評価額や課税標準額を把握し、税負担の目安をつかむ。共有者の課税割合にも注意。
✅ 借地人の連絡先と関係性を整理
- 借地人の氏名、連絡先、建物の所有状況、建替えや売買の意向があるかどうかを把握。
✅ 相続人間で共有するか単独で取得するかを話し合う
- 今後の管理方針や収益分配ルールについて、ざっくりでも方向性を決めておく。
✅ 代表相続人または対応窓口を決める
- 借地人からの問い合わせ対応、地代入金の確認など、日常業務を担う窓口を設定。
✅ 弁護士・税理士への初期相談予約
- 契約関係の法的整理、評価額や税務リスクの確認、今後の売却可否などを専門家に相談する準備を進める。
✅ 売却・保有・分割の方向性を検討する
- 「すぐに現金化する」か「地代収入を得ながら保有する」かなど、家族での大まかな方針を共有。
✅ トラブルや不明点は記録に残す
- 契約内容や借地人との会話、相続人間のやりとりなどは、将来のために文書やメールで記録しておく。
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このチェックリストを活用することで、底地相続における「見える化」と「方針の整理」が進み、今後のトラブル防止やスムーズな手続きにつながります。
早い段階で専門家と連携し、横浜の地域性や契約実務に精通したアドバイスを受けることが、成功のカギとなります。
まとめ(横浜の住民向け)
横浜で底地権を相続した場合、その取扱いは通常の不動産とは大きく異なり、多くの注意点があります。
まず重要なのは、「底地は自由に使える土地ではない」という認識です。借地権者の権利が強く保護されており、底地の評価、管理、売却は制約を受けるのが前提となります。
本記事で解説したように、底地相続では以下のような課題があります。
- 評価が複雑で、相続税評価と実勢価格に乖離が生じやすい
- 相続人間の共有状態によって意思決定が難航しやすい
- 借地人との関係性が売却や収益性に大きく影響する
- 納税資金や分割方法を巡ってトラブル(争族)になるリスクが高い
特に横浜のような地価の高いエリアでは、底地の資産価値も高額となりがちですが、その一方で契約の古さや借地人の対応によって、「売れない」「活用できない」ケースも数多くあります。
したがって、相続直後から情報を整理し、方向性を早期に決めておくことが非常に重要です。
一見シンプルに見える底地も、法的・税務的・実務的な側面が複雑に絡み合っています。 「何から手をつけていいか分からない」と感じたら、まずは契約書類や納税通知を確認し、状況を整理するところから始めましょう。
そのうえで、弁護士や税理士、不動産鑑定士などの専門家と連携し、評価→分割→換価のプロセスを一緒に考えることが、無理のない相続の第一歩です。
底地は“使いにくい資産”である反面、適切に管理・活用すれば安定した収益やまとまった資金に変えることも可能です。
地域の実情に即した対応が求められる横浜だからこそ、専門的なサポートを早期に活用し、後悔のない相続を実現していきましょう。
横浜で底地権相続に悩んだら弁護士へ相談
底地の相続は、評価・分割・管理・売却のいずれも複雑で、相続人だけで判断・対応するには限界があります。
借地人との交渉や、相続人間の合意形成、税務処理、将来の資産運用まで、専門的な視点と調整力が必要です。
このようなときこそ、不動産や相続に精通した弁護士のサポートが力を発揮します。
弁護士に相談するメリット
✅ 契約関係の法的整理ができる
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- 建替え承諾や売却交渉を弁護士が代理することで、感情的な対立や誤解を防ぎ、スムーズな取引が可能になります。
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- 第三者の立場で、共有者間の意見を整理し、合意形成を図る支援ができます。
✅ 税理士や不動産専門家との連携ができる
- 売却、納税、資産評価など、必要に応じて専門家チームを組み、ワンストップで支援できます。
初回相談時に持参いただきたい資料
スムーズな相談のために、以下の資料をご準備いただくと効果的です。
- 借地契約書や更新合意書(あるいはそのコピー)
- 土地・建物の登記事項証明書(法務局で取得可能)
- 固定資産税通知書(毎年市役所から届く書類)
- 地代の入金記録(通帳の写し等)
- 相続関係説明図(相続人の一覧が分かる図)
- 借地人との最近のやりとり(メール・手紙など)
当事務所では、横浜市内(中区・西区・神奈川区・鶴見区・保土ケ谷区)を中心に、底地や借地に関する相続・売却・交渉の実績があります。
地域特有の慣習や地価事情も踏まえたサポートを行っております。
「まだ相続登記をしていない」「借地人と話すのが不安」「評価額が適正か分からない」 そんな段階からでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
横浜の底地相続、早期の一歩がトラブルを防ぐ最大のカギです
以上、「横浜で底地権を相続する際の評価と分割の注意点」でした!
弁護士 大石誠
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