横浜で安心!借地権相続の手続きと評価を弁護士が徹底解説
- 誠 大石
- 6月10日
- 読了時間: 7分
はじめに
横浜で土地を借りて家や店舗を構えている方にとって、いざ相続が始まると「借地権ってどう扱えばいいの?」という壁にぶつかりがちです。地主さんへの連絡は? 評価額の算出方法は? 兄弟間で揉めないためには?――普段は聞き慣れない専門用語が一気に押し寄せ、戸惑う方を数多く見てきました。
そこで本記事では、横浜の街をよく知る弁護士が、借地権相続の流れと評価のコツをステップごとにやさしく整理します。相続税路線価図の見方から地主への承諾が必要になるケース、トラブルになりやすい評価額の決め方まで、横浜独自の地価傾向や商業地・住宅地の違いを踏まえて徹底解説。読み終えるころには「やるべきこと」と「気をつけるポイント」が手元にリスト化され、地主さんとも家族とも円滑に話し合える自信が持てるはずです。
まずは全体像から一緒に確認していきましょう。
横浜での借地権相続手続きの全体像
借地権の相続は「亡くなった直後に家族で名義変更をすれば終わり」という単純な話ではありません。特に横浜のように地価が高く、地主が法人や複数名義というケースでは、段取りを間違えると時間もコストも余計にかかります。
まずは全体の道筋を把握し、誰が・いつ・何をすべきかを整理しましょう。
相続発生から遺産分割までのフローを弁護士が解説
横浜で実務的に多い流れを6ステップでまとめると次のとおりです。
①死亡届・遺言書の有無確認(7日以内)
②相続人の確定と戸籍収集(2〜3週間)
③財産目録作成:借地契約書・地代領収書・路線価図を収集
④評価額の算定:更地価格×借地権割合をベースに概算
⑤遺産分割協議:評価額や承継方法を話し合い、合意書を作成
⑥名義変更と税務申告:借地権変更登記※・相続税申告(10か月以内)
※借地権自体の登記が入っていないケースも多いため、先に建物登記簿の名義を変えてから地主と協議するのが実務上スムーズです。
このワークフローを押さえるだけで、各手続きを「いつまでに」「誰が」動けばいいかが明確になり、後工程が滞りません。
地主への通知と承諾が必要になるケース
借地権はあくまでも賃貸借契約に基づく権利です。相続で名義が変わるだけなら原則として地主の承諾は不要ですが、次のようなケースでは事前の通知や書面承諾が求められることがあります。
▶ 遺産分割で借地権を第三者に譲渡する場合
▶ 持分を細かく分け、複数人が新たに共有者となる場合
▶ 建物を増改築して価値が大きく変わる計画がある場合
横浜市内の地主は法人や大規模地権者も多く、承諾料の相場が明確に設定されていることもしばしばです。通知を後回しにすると「名義変更に応じない」「承諾料を上乗せする」といったトラブルに発展しがちなので、相続人代表を決め、早い段階で契約条項を確認したうえで打診するのが安全策。弁護士が間に入ることで、承諾料や書式について合理的な根拠を示しながら交渉できる点も大きなメリットです。
借地権の評価方法|横浜エリアでの具体例
評価を誤ると遺産分割が長期化し、相続税や二次相続にも響きます。ここでは「路線価図を使ったシンプルな方法」と「底地・建物を一体で見る収益還元法」を中心に、横浜市内での実務例を交えながら確認しましょう。
相続税路線価図を用いた更地価格の算出手順
1. 路線価を探す
国税庁の路線価図で、対象地が接する道路の1㎡あたり価格(千円単位)を確認します。
2. 面積を掛ける
土地が整形地であれば、路線価×地積で概算の土地価格が得られます。
3. 公示価格に補正する
路線価は公示価格の約8割なので、算出額を1.25倍しておくと、市場に近い価格感になります。
4. 借地権割合を反映
横浜市中心部では60〜70%、郊外住宅地は50%前後が目安です。例として、中区の商業地で更地価格が1億円・借地権割合70%なら、借地権価格は7,000万円となります。
横浜市内の借地権割合と地域差
● 商業地(中区・西区)……60〜70%
● 港北ニュータウン周辺……50〜60%
● 戸塚・泉など郊外住宅地……45〜55%
同じ区でも駅前再開発エリアは割合が高めに設定される傾向があります。必ず最新の路線価図で確認しましょう。
底地と借地をまとめて評価する収益還元法
アパートやテナントビルのように家賃収入がある場合は「年間純収益 ÷ 還元利回り」で価格を算定する手法が有効です。
〈例〉年間家賃収入1,000万円・運営費率20%・還元利回り5%の場合
純収益=1,000万円×0.8=800万円
評価額=800万円 ÷ 0.05=1億6,000万円
さらに建物の老朽度や空室率を踏まえ、路線価ベースと平均化して最終値を決めるのが実務的です。新耐震基準前の建物なら、解体費を差し引いて評価を下げる場合もあります。
横浜で起こりやすい借地権相続トラブルと予防策
評価額が固まったらすぐ分割協議――と言いたいところですが、実際には「金額が折り合わない」「地主が承諾料を上げてきた」といった摩擦が頻発します。横浜で多い事例と対処法を把握し、早めの備えをしておきましょう。
評価額の食い違いと家庭裁判所調停の実務
不動産業者の簡易査定は数百万円単位でブレることが珍しくありません。相続人間で数字がまとまらなければ、鑑定士による正式鑑定を依頼し、調停で一本化するのが現実的な落としどころです。調停では「鑑定結果に異議を唱えない」との前提が置かれるため、鑑定士選定の段階で弁護士にサポートを頼むと安心です。
親族間で特殊な関係がある場合の借地権割合の下がり方
親子間で地代を形式的にしか払っていないケースでは、借地権が実質的に使用貸借と評価されることがあります。この場合、借地権割合が20%程度に下がり、底地の評価が跳ね上がるため、特別受益の持戻しをどう処理するかが大きな論点になります。分割協議に入る前に税理士・弁護士チームで試算しておくことが、紛争を未然に防ぐ鍵となります。
底地・借地の分割と合意形成をスムーズに進めるコツ
共有名義を増やすと、将来の売却や建替えで再び全員の同意が必要になり、かえって複雑化します。横浜の相続案件では「現物を一人が承継し、他相続人へ代償金を支払う」パターンがもっともトラブルが少ない印象です。資金繰りを円滑にするため、都市銀行の「相続手続きサポートローン」を組み合わせる事例も増えています。
弁護士が答える借地権相続Q&A(横浜版)
Q1. 承諾料は相続時に控除できますか?
A. 原則、遺産評価からは控除しません。実際に譲渡する場面で発生する費用だからです。
Q2. 建物が老朽化している場合、評価はどう下げますか?
A. 解体費見積もりを取得し、借地権価格から控除する方法が一般的です。
Q3. 底地を第三者に売却するときの相場は?
A. 実勢では更地価格の10〜15%で取引される例が多いですが、借地人が買う場合は「更地価格−借地権価格」が目途となり、結果的に40〜50%程度になることもあります。
まとめ|横浜で借地権を相続するときに押さえるべき5つのポイント
1. 手続きの全体像をスケジュールに落とし込む
2. 路線価図+借地権割合で早めに概算評価を出す
3. 地主への通知は「相続人代表」が一括して行う
4. 数字が合わなければ鑑定士→調停で一本化
5. 将来を見据えた名義整理と代償金の活用
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借地権相続は情報戦。専門家チームを味方につけ、正しいステップで行動しましょう。 以上、「横浜で安心!借地権相続の手続きと評価を弁護士が徹底解説」でした!
弁護士 大石誠
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