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包括受遺者と特定受遺者の違いと使い分け方:遺言書作成の基本知識

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 6 時間前
  • 読了時間: 3分

遺言書を作成する際、財産を誰にどのように渡すかを明確にすることは非常に重要です。その中でも、「包括受遺者」と「特定受遺者」という用語は、遺言の効力や受け取る側の権利・義務に大きな影響を与える重要な概念です。


この記事では、両者の違いや具体的な使い分け、さらに専門家の視点から注意すべきポイントについて詳しく解説します。


包括受遺者とは何か

包括受遺者(包括遺贈)とは、遺言によって遺産の全部または割合的な一部(例えば「遺産の3分の1」など)を受け取る人のことを指します。この場合、遺産全体に対する受遺権が認められるため、相続人に近い立場になります。民法上、包括受遺者には「相続人と同一の権利義務」が準用されており、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も相続する可能性がある点に注意が必要です。


また、包括受遺者は遺言執行者がいない場合でも、単独で遺産の管理や処分を行う権限を有しています。そのため、遺言者が自らの意思を包括的に託したい場合に適した指定方法といえるでしょう。


特定受遺者とは何か

一方、特定受遺者(特定遺贈)は、遺言で「不動産Aを与える」「現金100万円を譲る」など、特定の財産を受け取る人のことです。受け取る財産が明確に限定されており、その範囲内でしか権利を持たないため、相続人とは異なり、相続債務を引き継ぐことはありません。


特定受遺は、遺言者が特定の財産を特定の人に確実に渡したい場合に有効です。ただし、遺言執行者の指定がない場合には、他の相続人の協力を得なければ受け取ることが難しいケースもあるため、実務上の調整が必要です。


士業から見た実務上の注意点

行政書士や司法書士、弁護士などの士業が遺言書作成を支援する際には、包括受遺者と特定受遺者の選定が極めて重要です。特に包括受遺者を指定する場合は、受遺者が相続債務を引き継ぐ可能性があるため、相手の意向や生活状況を十分に考慮する必要があります。


また、特定受遺者に財産を渡す場合、遺言執行者の選任を忘れるとスムーズな名義変更ができず、相続トラブルに発展する恐れがあります。そのため、士業としては、遺言執行者の指定や遺言内容の法的妥当性を精査し、将来的な紛争予防に努めることが重要です。


包括受遺者と特定受遺者の使い分け方

包括受遺者は、遺産全体の管理や処分を一任したい場合や、事実上の相続人としての役割を与えたいときに有効です。逆に、特定受遺者は、特定の資産を確実に譲りたい場合に適しています。遺言者の意思や家族構成、財産の性質に応じて、適切に使い分けることが求められます。


また、包括受遺者を指定すると、相続人がいない場合でも、遺産の管理・分配がスムーズに進むことがあります。一方で、特定受遺者への遺贈は、他の法定相続人の遺留分に配慮しながら設計する必要があります。


まとめ

包括受遺者と特定受遺者は、遺言書における財産の譲渡方法を考える上で基本かつ重要な概念です。それぞれにメリットと注意点があり、適切に使い分けることで、遺言の実現性とトラブル回避が可能になります。遺言書の作成にあたっては、専門家である弁護士などに相談し、法的に有効で意図を正確に反映した内容にすることが大切です。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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