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おひとりさまでも遺言書は作成しておくべき?将来の安心を得るための重要ポイント

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 15 分前
  • 読了時間: 3分

高齢化社会の進展とともに、「おひとりさま」として生きる人が増加しています。配偶者や子どもがいない方、あるいは親族との関係が希薄な方にとって、亡くなった後の財産の行方は重要な関心事です。


「自分には大した財産がないから」「どうせ誰かに相続される」と考えがちですが、実はそれがトラブルの元になることも。


この記事では、「おひとりさまでも遺言書は必要か?」という疑問にお答えしながら、遺言書作成の重要性と注意点を解説します。


遺言書はおひとりさまにこそ必要

結論から言えば、「おひとりさま」こそ遺言書を作成しておくべきです。遺言書がない場合、民法の法定相続ルールに従って財産が分配されるため、自分が望む形での相続や財産処分ができなくなる可能性が高いのです。


たとえば、兄弟姉妹が相続人になる場合、疎遠であっても法的に権利が発生します。また、親族がまったくいない場合、財産は最終的に国庫に帰属します。これを避けるには、自分の意思を明確に遺す手段として、遺言書の作成が欠かせません。


遺言書が重要な理由とその効果

遺言書の最大のメリットは、自分の意思を法律上有効な形で残せることです。以下のような希望を叶えるためにも有効です。


  • 信頼する友人や支援団体に財産を遺す

  • ペットの飼育を委託する人を指定する

  • 葬儀や納骨の方法を明示する

  • 遺言執行者を指定して手続をスムーズにする


特に法定相続人がいない場合、自分の遺志に基づいた寄付や支援を実現するには、遺言書の存在が不可欠です。また、遺言書があれば、遺産分割協議を避けることができ、相続手続きも迅速になります。


よくある誤解とそのリスク

「財産が少ないから遺言書はいらない」と考える方も多いですが、実際には数十万円程度の預貯金でも相続手続きが必要になることがあります。銀行口座の凍結解除や不動産の名義変更には、相続人全員の同意書や戸籍書類が必要で、手続きが煩雑です。


また、「誰も相続する人がいないから放っておいてよい」という誤解もあります。相続人がいない場合、家庭裁判所によって相続財産管理人が選任され、時間も費用もかかることに。遺言書があれば、そうした手続きを省略し、スムーズな財産処理が可能になります。


実務での注意点

遺言書を作成する際には、法的に有効な形式を守ることが重要です。もっとも簡単なのは「自筆証書遺言」ですが、形式不備や内容不明瞭で無効になるケースもあります。2020年からは法務局での自筆証書遺言の保管制度も開始され、利用者が増えています。


また、確実性を求めるなら「公正証書遺言」がおすすめです。公証人が関与するため、形式不備の心配がなく、原本が公証役場に保管されます。


士業によるサポートと相談のすすめ

行政書士や司法書士、弁護士などの専門家は、遺言書の作成から執行まで、幅広くサポートしてくれます。自分の希望を正確に反映させるためにも、専門家に相談することで、形式や内容の不備を防ぎ、将来のトラブル回避につながります。


たとえば、遺言内容が争いのもとにならないよう助言を受けたり、財産評価や税務上の配慮を検討することも可能です。特におひとりさまの場合、「万が一」に備えた包括的なライフプランの一部として、遺言作成を検討すべきです。


まとめ

「おひとりさま」だからこそ、遺言書の作成は将来への備えとして非常に重要です。自身の意思をきちんと反映させ、大切な財産を適切に引き継ぐためにも、早めの準備が安心につながります。遺言作成に不安がある場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。あなたの思いを形にする手助けをしてくれるはずです。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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