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  • 執筆者の写真誠 大石

相続人が連絡を拒否する場合の遺産分割と相続手続きの対策

遺産分割や相続手続きにおいて、相続人の一人が連絡を拒否する場合、手続きがスムーズに進まないことがあります。

このような状況は、相続人全員の協力が不可欠な遺産分割協議において、特に大きな問題を引き起こします。

本記事では、相続人が連絡を拒否する場合にどのように対応すべきか、法律事務所がどのようにサポートできるかを詳しく解説いたします。



1. 相続人が連絡を拒否する場合の問題点

遺産分割協議は、相続人全員が協力し合い、遺産を公平に分割するための重要なプロセスです。

しかし、相続人の中には、何らかの理由で連絡を拒否したり、協議に応じなかったりするケースがあります。

このような場合、以下の問題が生じる可能性があります。


  1. 遺産分割協議が進まない

    相続人全員の同意が必要な遺産分割協議が滞ると、相続手続き全体がストップしてしまいます。預貯金の解約、相続不動産の名義変更や売却、証券口座の移管など、全ての手続において、相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書が必要になります。

    しかし、誰か一人でも連絡を拒否し、実印で押印してくれない相続人がいると、遺産分割協議が進まず、他の相続人が不利益を被ることも考えられます。

  2. 相続税の申告期限に間に合わない

    相続税の申告は、被相続人が亡くなった日から10ヶ月以内に行う必要があります。相続人の一部が協力しないと、申告期限に間に合わず、遺産分割が未了のまま、相続税の申告をせざるを得なくなります。

  3. 相続財産の管理が難航する

    遺産分割が決まらないと、相続財産の管理や処分が難しくなり、財産の価値が下がるリスクもあります。

    例えば、遺産の中に収益物件があったとして、新しい賃貸借契約を結んだり、修繕工事を進めるにあたって、連絡を拒否する相続人がいるために、手続が難航する場合があります。



2. 相続人が連絡を拒否する理由とは?

相続人が連絡を拒否する理由は様々です。

以下に、よくある理由を挙げてみます。


  1. 感情的な問題

    遺産相続において、家族間の感情的な問題が原因で連絡を拒否することがあります。特に、被相続人の生前の扱いや家族内の不和が影響している場合があります。

  2. 経済的な問題

    相続財産の分配に不満を持っている場合や、相続税の負担を避けたいと考えている場合も、連絡を拒否する原因となります。

  3. 相続手続きへの無関心

    相続手続きに関心がない、または手続きが煩雑だと感じている相続人が、手続きを放棄する形で連絡を拒否することがあります。

  4. 居場所が分からない

    相続人の中には、連絡先が不明であったり、そもそも行方不明である場合もあります。このような場合、意図的に連絡を拒否しているわけではありませんが、結果として同様の問題が生じます。



3. 相続人が連絡を拒否する場合の対処法

相続人の一人が連絡を拒否した場合でも、遺産分割や相続手続きを進めるためには、適切な対処法を取ることが重要です。

以下にその具体的な方法をご紹介します。


  1. 専門家の介入

    相続人が感情的な問題で連絡を拒否している場合、第三者である専門家が介入することで、冷静な話し合いが可能になることがあります。

  2. 家庭裁判所への調停申立て

    相続人間での協議が難航する場合、家庭裁判所に調停を申立てることができます。調停では、裁判官・調停委員が仲介役となり、相続人間の意見を調整します。この手続きを通じて、合意を得られることが多いです。

  3. 不在者財産管理人の選任

    連絡が取れない相続人がいる場合、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人を選任することができます。

    不在者財産管理人は、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加し、相続手続きを進める役割を果たします。

  4. 失踪宣告による解決

    長期間、相続人の行方が分からない場合には、失踪宣告の申立てをして、連絡のつかない相続人の相続権を消滅させるという方法もあります。

    この手続きを経ることで、他の相続人だけで遺産分割を進めることが可能になります。



4. 相続人が連絡を拒否する場合の具体的な事例

ここでは、相続人が連絡を拒否することで生じた問題と、その解決に向けた事例を紹介します。


ケース1:相続人の一人が連絡を完全に絶ったケース

ある家族で、相続人の一人が感情的な対立から連絡を絶ち、遺産分割協議に応じなくなりました。

他の相続人は困り果て、当事務所にご相談頂きました。

弁護士が介入し、まずは第三者としての立場から、その相続人に冷静な話し合いの場を提供し、結果的に、感情的な対立が解消され、無事に遺産分割が完了しました。


ケース2:行方不明の相続人がいる場合

相続人の一人が長年行方不明で、遺産分割協議が進まないケースがありました。

家庭裁判所に不在者財産管理人を選任することで、行方不明の相続人に代わる形で協議が進み、他の相続人全員が納得する形で遺産分割が完了しました。



5. 当事務所のサポート体制

当事務所では、相続に関するあらゆる問題に対応できるよう、経験豊富な弁護士がサポートを提供しています。

特に、相続人が連絡を拒否する場合や、遺産分割が難航するケースでは、弁護士による適切なアドバイスが必要不可欠です。


  • 経験豊富な弁護士によるサポート

    当事務所には、相続案件の実績が豊富な弁護士が在籍しています。これまでに数多くの相続問題を解決してきた経験を活かし、適切なアドバイスとサポートを提供します。

  • 初回相談は無料

    相続問題に直面した際、まずは初回の無料相談をご利用ください。お客様の状況を詳しくお伺いし、最適な解決策を提案します。

  • 丁寧なヒアリングと明確な費用体系

    お客様一人ひとりの問題にじっくりと向き合い、丁寧なヒアリングを行います。また、費用に関する不明瞭な点がないよう、初回面談でお見積もりを提示し、安心してご依頼いただける体制を整えています。



相続人が連絡を拒否する場合でも、適切な対策を講じることで、遺産分割や相続手続きを進めることが可能です。

以上、「相続人が連絡を拒否する場合の遺産分割と相続手続きの対策」でした。

問題が生じた際には、ぜひ当事務所にご相談ください。豊富な実績と経験を持つ弁護士が、全力でサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。



弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

電話:045-663-2294


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