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弁護士が解説!神奈川県で多発する二次相続と空き家問題の対策

執筆者の写真: 誠 大石誠 大石

更新日:2月14日

はじめに

「うちは相続税なんて関係ないよ」「実家はそのままにしておけばいいでしょ」——そんなふうに思っていませんか?

実は、神奈川県では「二次相続」をきっかけに、多くの家庭で空き家問題や相続トラブルが発生しています。

特に、横浜市や川崎市、藤沢市など、不動産価値の高いエリアでは、親の自宅を相続するだけで思わぬ高額な相続税が発生することも珍しくありません。実際、都内に限らず神奈川県でも相続税の課税割合は全国平均を上回っています。

さらに、一次相続のときは問題にならなかった実家も、二次相続になると「配偶者特別控除」などの特例が使えなくなるため、多くの家庭で深刻な課税問題に直面します。その結果、実家を手放さざるを得なくなったり、売るに売れず空き家になるケースが後を絶ちません。

私は弁護士として、これまで多くの相続トラブルに関わってきましたが、「もっと早く相談していれば、空き家にならずに済んだのに…」という声を何度も耳にしてきました。

この記事では、神奈川県で多発する二次相続と空き家問題の原因とリスク、そして弁護士だからこそ提案できる解決策を詳しくお話しします。大切なご実家を守るためにも、ぜひ最後までお読みください。


神奈川県で二次相続による空き家問題が多発する理由

二次相続がなぜ神奈川県で深刻な空き家問題を引き起こしているのか、データと弁護士視点からわかりやすく解説します。


神奈川県の相続件数と空き家の現状(最新データを交えて)

神奈川県では相続の増加に伴い、空き家が年々増加しています。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、神奈川県の個人住宅空き家数は15万600戸と、20年前から約73.9%増加しています。この背景には、高齢者の単独世帯増加と、それに伴う二次相続の急増があります。

また、神奈川県は相続税の課税割合も高い地域です。国税庁の「令和4年分 相続税の申告事績」によると、神奈川県の課税割合は14.3%で、全国平均(9.6%)を大きく上回っています。特に、横浜市や鎌倉市など地価が高いエリアは課税対象となりやすく、二次相続での空き家化リスクが高まっています。


二次相続で相続税負担が重くなる理由(弁護士が解説)

一次相続と二次相続では、相続税の仕組みが大きく異なります。一次相続では以下の特例が適用できるため、課税対象になるケースは少ないのです。

  • 配偶者特別控除:配偶者が相続する場合、1億6,000万円まで相続税が非課税になる。

  • 小規模宅地等の特例:居住用の土地は、330㎡まで相続税評価額が80%減額される。

ところが、二次相続ではこれらの特例がほとんど使えません。なぜなら、配偶者はすでに他界しており、子どもが単独で相続することが多いためです。

その結果、地価の高い神奈川県では、実家を相続するだけで相続税負担が大きくなり、売却を余儀なくされるケースが増加します。


神奈川県に多い単独高齢者世帯の影響

神奈川県は、横浜市や川崎市など都市部を中心に、高齢者の単独世帯が増加しています。総務省の統計によると、2020年時点で神奈川県の65歳以上の単独世帯は約42万世帯に上り、今後も増加が予測されています。

単独世帯では、一次相続後も配偶者が住み続けることはありません。子どもが同居していなければ、二次相続後はそのまま家が空き家になるケースが多発します。さらに、兄弟姉妹などの複数相続人がいる場合、遺産分割がまとまらず、放置される空き家が増える原因となります。


弁護士が教える二次相続で発生する空き家問題のリスク

二次相続で空き家が生まれる背景を理解したところで、次は弁護士の視点から「二次相続による空き家問題の具体的なリスク」を解説します。

トラブルの多くは、事前に対策をしていれば防げたものばかりです。後悔しないためにも、しっかり確認しましょう。


共有名義トラブルによる売却・活用の難航

二次相続後、兄弟姉妹で実家を相続すると、「共有名義」になることが多いです。しかし、この共有名義こそがトラブルの火種になります。

例えば、横浜市で実際にあったケースでは…

  • 父親の逝去後、長男・長女が神奈川県内の実家を共有名義で相続。

  • 長男は売却を希望、しかし長女は「思い出があるから残したい」と主張。

  • 結果、話し合いがまとまらず、家は10年以上放置され空き家に…。

このように、共有名義は「全員の同意がなければ売却や活用ができない」ため、放置されやすくなります。さらに、管理責任が曖昧になることで、固定資産税の負担や建物の老朽化、近隣トラブルなどが深刻化します。


小規模宅地等の特例が使えないケースとその影響

二次相続では、一次相続で使えたはずの「小規模宅地等の特例」が使えないケースが多発します。特例が使えなければ、相続税が跳ね上がり、空き家問題に直結します。

特例が使えない代表的なパターンは次の通りです:

  • 相続人が実家に住んでいなかった場合

  • 共有名義で相続した場合

  • 相続後、すぐに売却や賃貸を考えた場合

例えば、藤沢市のあるケースでは、親から実家を相続した長男が都内に持ち家を持っていたため、「特例が使えず」高額な相続税が発生。結果として、実家を売却せざるを得なくなり、数年間買い手がつかず空き家化してしまいました。


相続放棄による管理不全と法的責任

二次相続では、「相続税が高額すぎて払えない」という理由で、相続放棄を選ぶ方も少なくありません。しかし、相続放棄後の家は誰のものになるのでしょうか?

実は、相続放棄をしても「管理責任」はしばらく残ります。法律上は相続財産清算人が選任されるまで、放棄した相続人にも家の管理義務(占有していた場合)があるのです。

例えば、川崎市であった事例では:

  • 次男が高額な相続税を理由に実家の相続を放棄

  • 数年間放置された実家は老朽化し、近隣に屋根材が飛散する事故が発生。

  • 結果、次男は管理責任を問われ、損害賠償を請求される事態となりました。

💡 弁護士からのアドバイス

  • 共有名義はなるべく避けるか、遺言で単独相続者を指定する

  • 小規模宅地等の特例が使えるか、生前に確認する

  • 相続放棄する場合は、相続財産清算人の選任手続きも併せて進める

二次相続では、法的な知識がないと簡単にトラブルに巻き込まれてしまいます。事前の備えが何より大切です。


神奈川県で二次相続を巡る空き家問題を防ぐ対策

二次相続で空き家問題を招かないためには、「生前の対策」「相続発生後の適切な対応」が重要です。ここでは、神奈川県でよくある事例を踏まえつつ、弁護士だからこそお伝えできる具体的な対策をお話しします。


生前対策の重要性(遺言書作成、家族信託の活用)

多くの空き家トラブルは、「親が何も準備しないまま亡くなった」ことで起こります。特に神奈川県のように地価が高い地域では、生前対策をしておくことで、相続税の負担や親族間の争いを大幅に減らすことができます。


❶ 遺言書の作成(特に公正証書遺言)

  • 共有名義トラブルを防ぐため、「誰に家を相続させるか」を明確にします。

  • 「売却して均等に分ける」など、具体的な分割方法を記載することで、争いを防ぎます。

💡 横浜市での事例:

父親が公正証書遺言で「実家は長男に相続させ、長女には預貯金を渡す」と明記。これにより、兄妹間での共有トラブルを回避し、空き家になることなく実家を売却して早期に資産を分配できました。


❷ 家族信託の活用

  • 認知症になった場合も、受託者(家族)が不動産を管理・売却できるため、実家が「動かせない資産」になるのを防ぎます。

  • 二次相続を考慮して、親から子、さらに孫世代まで資産承継のルールを決められます。

💡 鎌倉市での事例:

高齢の母親が家族信託を活用し、息子を受託者として実家を管理。母親の死後、息子は速やかに実家を売却し、姉とスムーズに売却益を分配できました。


法定相続分の確認と共有回避のための準備

一次相続後に相続税対策を怠ると、二次相続時に高額な課税負担が発生し、空き家化の原因となります。 そのため、一次相続後に次の点を必ず確認しましょう:

法定相続分と課税額のシミュレーションを行う

不動産評価額(路線価・固定資産税評価額)の再確認

二次相続対策としての生前贈与の検討

💡 藤沢市での事例:

一次相続後に母親と弁護士が協力し、二次相続時の税額を試算。不要な土地を生前に売却して現金化し、子どもたちへの生前贈与を実施。結果として、母親の死後は二次相続税が大幅に軽減され、空き家問題を回避しました。


不動産の生前売却・賃貸などの活用法

高齢の親が「もう実家に住まない」と判断したら、「売却」や「賃貸」などで早めに不動産を流動化することが空き家予防に有効です。


❶ 生前売却のメリット

  • 相続財産を現金化することで、遺産分割がシンプルになり、兄弟間の争いを防ぐ

  • 売却資金を使って、親の介護費用や二次相続税の備えができる

💡 川崎市での事例:

高齢の父親が老人ホーム入所を機に実家を売却。その売却資金でホームの費用をまかない、残りを子どもたちに生前贈与。結果として、二次相続時は不動産トラブルが発生せず、節税効果も得られました。


❷ 賃貸運用のメリット

  • 二次相続までに賃貸収益を得て、相続税や維持費の備えができる

  • 相続時は収益物件として評価額が下がるため、相続税対策にも効果的

💡 横須賀市での事例:

空き家になりそうだった実家を「定期借家契約」で貸し出し。家賃収入で固定資産税をまかないつつ、二次相続時は不動産評価額を抑え、結果的に節税にも成功しました。


💡 弁護士からのアドバイス:

  • 相続対策は「一次相続後」が最重要。すぐに二次相続の税額を試算することがカギです。

  • 「誰が何を相続するか」は、生前から弁護士や税理士と一緒に具体的に決めておくことが、トラブル防止につながります。


神奈川県の事例から学ぶ二次相続トラブルと解決策

ここでは、神奈川県内で実際に起きた二次相続トラブルをご紹介します。

それぞれの事例を通して、どのような問題が起き、弁護士がどのように解決へ導いたのかを解説します。これらは決して特別なケースではありません。誰にでも起こりうる問題だからこそ、早めの対策が重要です。


【事例1】横浜市|共有名義が招いた売却トラブルと解決策

📌 トラブル内容:

横浜市の一軒家を父親が遺し、長男と次男が二次相続で共有名義にしました。長男は「すぐに売却したい」と考えましたが、次男は「実家を思い出の場所として残したい」と主張し、意見が対立。結局、売却も活用もできないまま空き家として5年間放置され、家は老朽化し、近隣住民から苦情が出る事態に。

💡 弁護士の対応と解決:

弁護士が介入し、遺産分割調停を提案。長男には売却を進める代わりに、次男に「持ち分を買い取る」方法を提示。調停を通して次男が持ち分を買い取り、家を賃貸物件として活用することで合意しました。家賃収入は次男の生活費にもなり、結果として空き家を再活用する形で円満解決しました。

🔑 ポイント:

  • 共有名義は早期に解消するのが重要

  • 売却だけでなく「持ち分買取」「賃貸活用」など柔軟な選択肢を検討する


【事例2】鎌倉市|相続放棄後の管理責任で損害賠償トラブル

📌 トラブル内容:

鎌倉市の古い一軒家をめぐり、母親の逝去後、子ども3人が二次相続人となりました。しかし、相続税が高額になると判断し、3人全員が相続放棄を選択。その結果、実家は「管理者不在」の状態となり、誰も管理しないまま放置されました。数年後、老朽化した家屋の屋根が崩れ落ち、隣家の車に損傷を与えました。被害を受けた隣人は、相続放棄をしていた子どもたちに「管理義務違反による損害賠償」を求めて訴訟を提起しました。

💡 弁護士の対応と解決:

弁護士は、子どもたちが相続放棄後も、「相続財産清算人が選任されるまで管理義務がある」ことを説明。さらに、被害者への損害賠償について、過失割合を争う調停を実施。結果として、賠償額を減額することに成功しました。併せて、裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、実家は処分され、管理責任からも解放されました。

🔑 ポイント:

  • 相続放棄しても「管理責任」は直ちには消えないことを理解する

  • 相続放棄を選ぶ際は、弁護士に相談し、「相続財産清算人選任」を早めに進めることが重要

💡 弁護士からの学びポイントまとめ:

  • 共有名義を避けるため、遺言や家族信託を活用する

  • 相続放棄は慎重に判断し、放棄後も管理責任が発生するリスクを忘れない


神奈川県で弁護士に相談するべき理由とそのメリット

二次相続や空き家問題は、法律・税務・不動産の知識が複雑に絡み合う分野です。

「何をどこから始めればいいのか分からない…」と悩んでいるうちに、トラブルや大きな損失を招くことも少なくありません。だからこそ、弁護士に相談することが、安心かつ最善の対策になります。

ここでは、神奈川県で弁護士に相談するべき理由と、相談することで得られるメリットをご紹介します。


相続税対策や遺言書作成を法的にサポート

弁護士は、遺言書の作成や相続税対策において、法的な視点から抜け漏れのない対策をサポートします。特に、神奈川県のような不動産価値が高い地域では、遺言書の有無で数百万〜数千万円単位の差が生まれることもあります。

✅ 弁護士ができる具体的なサポート:

  • 遺言書の作成(特に公正証書遺言):相続人間のトラブルを予防し、共有名義などの問題を回避します。

  • 遺留分対策:将来の「争続(相続トラブル)」を防ぎます。

  • 相続税対策の法的アドバイス:税理士と連携し、特例や控除を最大限活用します。

💡 横浜市での実例:

父親が生前に弁護士と相談し、遺言書に「実家は長男に、賃貸アパートは次男に」と具体的に記載。さらに、相続税対策として、生前贈与のプランも立てました。その結果、父親の死後は兄弟間のトラブルなく、相続税の負担も大幅に軽減されました。


共有名義問題や空き家トラブルの法的解決

二次相続後に発生する空き家問題の多くは、「共有名義」や「遺産分割の未解決」が原因です。こうした問題は、相続人同士だけでは感情的な対立に発展しやすく、話し合いが進まないことが少なくありません。

弁護士は、法的な立場から冷静に交渉や調停を行い、最短かつ最良の解決策を導きます。

✅ 弁護士ができる具体的なサポート:

  • 遺産分割協議の代理交渉や調停の対応

  • 共有名義の解消(共有持分の売却や分筆など)

  • 空き家の競売、任意売却のサポート

💡 川崎市での実例:

共有名義で対立していた姉妹の遺産分割トラブルに弁護士が介入。「実家は妹が引き取り、姉には代償金を支払う」という内容で調停を成立させました。その結果、空き家は賃貸として運用され、固定資産税の負担がなくなり、収益物件として再生しました。


生前対策から二次相続後のフォローまで一括支援

弁護士に相談する最大のメリットは、「生前対策」から「相続発生後の手続き」までをワンストップで対応できることです。

特に、神奈川県のように不動産価値が高く、相続税が課されやすい地域では、相続開始前後での迅速かつ適切な対応が不可欠です。

✅ 弁護士が提供できる包括的なサポート:

  • 生前:遺言書作成、家族信託、任意後見契約の作成

  • 相続発生後:相続放棄の手続き、遺産分割協議書の作成、登記手続き

  • 紛争時:調停・訴訟の代理人としてのサポート

💡 鎌倉市での実例:

父親の生前から弁護士に相談し、遺言書作成と家族信託を実施。父親の死後は、弁護士がすぐに相続手続きを進め、兄弟間のトラブルを回避。結果として、空き家になるはずだった実家は早期に売却され、兄弟は納得のいく形で相続財産を分け合うことができました。

💡 弁護士に相談する5つのメリットまとめ:

法的な抜け漏れなく、生前対策や遺言書を作成できる

感情的な対立を避け、スムーズな遺産分割を実現できる

共有名義や空き家問題などの複雑なトラブルも迅速に解決できる

相続税対策も、税理士と連携して法的にサポート

二次相続後の相続放棄や管理義務などもワンストップで対応できる


まとめと弁護士への相談案内

🏡 神奈川県で二次相続と空き家問題を防ぐために

ここまで、神奈川県で深刻化する二次相続と空き家問題について、原因から対策、そして具体的な事例まで解説してきました。二次相続は、一次相続と比べて相続税の負担が大きく、共有名義や空き家問題など複雑なトラブルが起こりやすいものです。

特に、不動産価値が高い神奈川県では、ちょっとした準備不足が「大きな損失」や「家族の対立」につながりかねません。

しかし、事前にしっかりと対策を行えば、こうしたトラブルは未然に防ぐことができます。

💡 二次相続・空き家対策は、弁護士への相談がカギ!

  • 弁護士は、相続税や不動産問題を考慮しつつ、法的な抜け漏れのない対策を提案できます。

  • 相続トラブルが発生しても、交渉や調停、訴訟などあらゆる法的手続きを任せられます。

  • 生前対策から、相続発生後、空き家処分、遺産分割までワンストップで対応します。

📞 神奈川県の相続は、弁護士に相談するのが最善の選択です!

「まだうちは大丈夫」と思っているうちに、問題は静かに進行します。相続や空き家問題は、早めの相談がすべてを好転させます。

生前対策や遺言書の作成を検討している方

二次相続の税金や共有名義が心配な方

相続トラブルを抱えている方や、空き家を放置している方

まずは、お気軽に弁護士へ無料相談してみてください。

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以上、「弁護士が解説!神奈川県で多発する二次相続と空き家問題の対策」でした。


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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電話:〔045-663-2294


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