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遺言書がない場合の遺産相続はどうなる?法定相続の仕組みと注意点を徹底解説

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 9月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:11月23日

家族が亡くなった後、「遺言書が見つからなかった」というケースは決して珍しくありません。このような場合、遺産相続はどのように進めればよいのでしょうか?親の財産をどう分けるのか、兄弟間での意見が食い違ったらどうすべきか、悩む方が多い問題です。この記事では、遺言書がない場合の相続の基本ルールや注意点をわかりやすく解説します。


結論:遺言書がない場合は法定相続に従って遺産が分配される

遺言書が存在しない場合、民法に定められた「法定相続」のルールに基づいて、誰がどの割合で遺産を受け取るかが決まります。法定相続とは、相続人の範囲や相続分を法律で定めた制度です。被相続人(亡くなった方)の意思は考慮されず、民法に従って自動的に分配されます。


例えば、配偶者と子どもが相続人であれば、配偶者が1/2、子どもたちが残りの1/2を均等に分け合うのが基本です。


法定相続のルールと具体例

法定相続では、相続人の優先順位が定められています。


1. 配偶者は常に相続人になります。

2. 配偶者と子がいれば、配偶者1/2、子ども(複数人いれば均等に)で1/2。

3. 子どもがいなければ、配偶者2/3、被相続人の父母など直系尊属が1/3。

4. 子どもも直系尊属もいなければ、配偶者3/4、兄弟姉妹が1/4。


例えば、夫が亡くなり、妻と二人の子どもがいる場合、妻が1/2、子ども2人が1/4ずつ相続します。もし子どもがいなければ、夫の親が健在ならば、妻が2/3、親が1/3を受け取ることになります。


よくある誤解:長男が多く相続するという旧習は現在の法律にない

「長男が家を継ぐから多くもらえる」「親の面倒を見たから相続分が多くなるはず」と考える方もいますが、現在の民法ではそのような取り扱いはされていません。法定相続分は均等であり、実際の分配を変えたい場合は遺言書が必要です。


ただし、相続人間で全員が合意すれば、遺産分割協議によって法定相続とは異なる割合で分けることも可能です。合意が得られない場合は、家庭裁判所での調停や審判になります。


実務での注意点:遺産分割協議と相続登記の必要性

遺言書がない場合、相続人全員による「遺産分割協議」を行い、その内容を書面にまとめた「遺産分割協議書」を作成する必要があります。この書類がないと、不動産の名義変更(相続登記)や預金の解約ができません。


また、2024年からは不動産の相続登記が義務化され、相続から3年以内に登記を行わないと過料が科される可能性もあります。放置せず早めの対応が求められます。


士業による支援内容:遺産分割協議書の作成や相続手続きの代行

行政書士や司法書士、弁護士などの専門家は、遺言書がない相続において大きなサポートを提供できます。たとえば、行政書士は遺産分割協議書の作成や必要書類の収集を代行できます。司法書士は相続登記を、弁護士は相続人間のトラブルに対応します。


特に相続人が多い場合や、関係が複雑な場合は専門家に依頼することでスムーズに手続きを進めることができます。


まとめ:遺言書がない場合でも冷静に法定相続で対応を

遺言書がなくても、法律に基づいて相続は進められます。ただし、相続人同士で話し合いが必要になり、トラブルが起きることも少なくありません。早めに専門家に相談し、遺産分割協議書の作成や登記手続きを正しく行うことが、後々の安心につながります。相続は人生の大きな節目。冷静かつ確実な対応を心がけましょう。


遺言書がない場合の遺産相続はどうなる?法定相続の仕組みと注意点を徹底解説でした。

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