相続初心者必見!横浜での相続手続きをやさしく解説
- 誠 大石

- 4月1日
- 読了時間: 21分
更新日:8月20日
はじめに
相続のこと、ちゃんと知っていますか?
「まだ自分には関係ないと思っていたのに、いきなり手続きをしなければならなくなった…」
「何をどう進めればいいのか分からなくて、不安しかない」
そんな声を、横浜で弁護士として活動する私たちは日々多く耳にします。
相続というのは、ある日突然やってくる“身近な法律問題”のひとつ。
誰にとっても初めてのことだからこそ、戸惑いや不安を感じるのは当然です。
でも安心してください。
相続には、押さえておくべき基本の「流れ」があり、ポイントさえ理解できれば、手続きはスムーズに進めることができます。
この記事では、相続の手続きを始める方に向けて、横浜で知っておきたい基本ステップを、弁護士の視点からわかりやすく解説していきます。
「まずは全体像をつかみたい」「何から手をつけるべき?」とお悩みの方は、この記事を読み終える頃には安心して第一歩を踏み出せるはずです。
それでは一緒に、相続手続きの流れを見ていきましょう。
横浜での相続手続きの基本ステップとは?
相続が発生したら、感情が落ち着く暇もないまま、いくつかの手続きを順番にこなしていく必要があります。
この章では、相続初心者の方でも迷わないように、横浜で実際に行うべき基本のステップをやさしく解説します。
【横浜での相続手続き① 死亡届と必要書類の準備】
相続手続きのスタートは、何よりもまず「死亡届の提出」から始まります。
これは亡くなった日から7日以内に提出することが法律で義務づけられています。
横浜市では、故人の住所地または死亡地の区役所にある「市民課」が窓口です。
医師が発行した死亡診断書を添えて、用意された様式に記入することで手続きが完了します。
提出後は「火葬許可証」も同時に発行されるため、葬儀や火葬の段取りにも必要となる重要な書類です。
戸籍謄本の収集は“出生から死亡まで”が基本
死亡届を提出した後に行う大事な作業が、「戸籍謄本」の収集です。
これは相続人を特定するための根拠資料となり、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を集める必要があります。
横浜市内に本籍がある場合は、該当する区役所に請求すれば取得可能です。
一方で、本籍が横浜市外にある場合には、その自治体へ郵送で請求することもできます。
収集する戸籍には、以下のようなものがあります:
- 除籍謄本(除籍された後の戸籍)
- 改製原戸籍(過去の戸籍制度変更により作られたもの)
- 戸籍全部事項証明書(現在の戸籍)
戸籍をたどることで、「前の結婚で子どもがいた」「認知された子がいた」など、思いもよらない事実が判明することもあります。
そのため、**戸籍の確認は慎重に、正確に**進めることが大切です。
必要書類のリストを作っておこう
相続手続きには、他にもさまざまな書類が必要になります。以下に基本的なリストをまとめました:
- 死亡診断書(病院が発行)
- 死亡届(市役所に提出)
- 戸籍謄本一式(被相続人および相続人分)
- 住民票の除票(被相続人分)
- 相続人の住民票および印鑑証明書
これらは今後の銀行手続きや不動産の名義変更などでも使われるため、一度集めてファイルにまとめておくと非常に便利です。
横浜市内での手続きのコツ
横浜市は18の行政区に分かれており、それぞれの区役所に市民課があります。
混雑を避けたい場合は、事前に電話や横浜市の公式サイトから受付時間を確認し、予約を取ってから行くのがおすすめです。
また、一部の証明書は郵送申請やオンライン申請にも対応しています。
たとえば「住民票の除票」や「戸籍謄本」は、必要書類と手数料を同封すれば郵送でも取得可能です。
「第一歩をきちんと踏み出す」ことで、相続手続きはその後がずっとラクになります。
まずは死亡届の提出と戸籍の収集、そして必要書類の整理から始めましょう。
【横浜での相続手続き② 相続人の確定と遺言書の確認】
死亡届の提出と戸籍謄本の収集が終わったら、次に行うのが「誰が相続人になるのか」の確定作業です。
相続手続きの中でも非常に重要なステップであり、この判断を誤ると後の手続きすべてに支障が出てしまいます。
戸籍から読み取る「相続人の範囲」
相続人の範囲は民法で明確に定められています。
【法定相続人の例】
- 第1順位:配偶者と子(実子・養子・認知された子など)
- 第2順位:配偶者と直系尊属(父母など)※子がいない場合
- 第3順位:配偶者と兄弟姉妹 ※子・直系尊属がいない場合
戸籍謄本を確認することで、被相続人(亡くなった方)の家族構成や婚姻歴、認知している子どもなども把握できます。
横浜市内の弁護士としての経験では、「前の結婚で子どもがいた」「養子縁組をしていた」など、本人が知らなかった相続人が後から判明するケースも珍しくありません。
こうした予期しない事実が出てきた場合でも、慌てずに丁寧に対応することが大切です。必要に応じて、相続関係図(家系図のようなもの)を作成して整理しておくと、後の説明にも役立ちます。
遺言書の有無を必ず確認しよう
次に行うべきことは、遺言書の確認です。
遺言書があるかないかで、相続の進め方が大きく変わります。
【遺言書の種類】
- 自筆証書遺言(本人が手書きで残したもの)
- 公正証書遺言(公証役場で作成されたもの)
- 秘密証書遺言(あまり使われない形式)
自筆証書遺言が見つかった場合、勝手に開封してはいけません。
家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があり、これを怠ると相続手続きが無効になる可能性もあります。
一方、公正証書遺言であれば、検認の手続きは不要で、そのまま内容に従って手続きを進めることが可能です。
遺言書の有無は、被相続人の自宅の金庫・仏壇・重要書類ファイルなどを丁寧に探してみましょう。
遺言書がある場合とない場合の違い
遺言書がある場合、基本的にはその内容に沿って遺産を分割することになります。
ただし、内容に不明確な部分がある場合や、特定の相続人に偏りがあるようなケースでは、他の相続人とのトラブルに発展することもあります。
たとえば、「長男にすべてを相続させる」とだけ書かれていた場合、他の兄弟が納得せず協議が長引くことも。
そういった事態を防ぐためにも、弁護士に内容の妥当性や解釈のアドバイスを求めるのは非常に有効です。
一方、遺言書がない場合は、民法に基づいて法定相続分に従って財産を分けることになります。
この場合、全員の合意のもとで遺産分割協議書を作成する必要があります。
戸籍の確認と遺言書の有無を調べるこのステップは、「相続の設計図」を描くようなもの。
土台がしっかりしていれば、次の財産確認や分割協議もスムーズに進みます。
不安な点があれば、この段階で弁護士に相談しておくのがおすすめです。
【横浜での相続手続き③ 財産の把握と評価方法】
相続人が確定し、遺言書の有無も確認できたら、次は「遺産の内容を把握する」作業です。
これは、遺産分割協議や相続税の申告、相続放棄の判断など、後の手続きを進めるうえで非常に重要なステップになります。
把握すべき財産の種類
財産には「プラスの財産」と「マイナスの財産」があります。両方を正確に調べることが必要です。
【主なプラスの財産】
- 現金・預貯金(横浜銀行、ゆうちょ銀行など)
- 不動産(土地・建物)
- 株式・投資信託
- 自動車
- 貴金属や骨董品
- 保険金(受取人が被相続人の場合)
【主なマイナスの財産】
- 借金(カードローン、住宅ローンなど)
- 未払金(医療費、税金、公共料金など)
- 保証債務(連帯保証人になっていた場合)
特に都市部である横浜では、不動産の評価額が大きくなりがちで、相続税の課税対象になることも少なくありません。
そのため、正確な把握と評価が重要になってきます。
財産の調査方法
1. 預貯金の確認
通帳、キャッシュカード、ネットバンキング情報などから、故人名義の口座を特定します。横浜銀行、神奈川銀行、三井住友銀行など、地元および大手の銀行を中心に調査しましょう。銀行への問い合わせには、戸籍謄本や相続人の身分証などが必要です。
2. 不動産の確認
固定資産税の通知書や登記簿謄本から、土地・建物の有無と所在地を確認します。登記簿は横浜地方法務局で取得可能です。所在地が市外の場合は、該当の法務局に問い合わせる必要があります。
3. 借金やローンの確認
郵便物、契約書、通帳の引き落とし履歴などから、負債の有無をチェックします。
思わぬ借金が見つかることもあるため、慎重に調査することが大切です。
評価方法のポイント
財産が把握できたら、次はその「評価」を行います。これは、相続税の申告が必要かどうかを判断するために必須です。
【評価方法の一例】
- 預貯金:死亡日時点の残高
- 株式:死亡日またはその前後3ヶ月の平均価格
- 不動産:路線価(国税庁のHPで確認可能)または固定資産税評価額
不動産については、横浜市内でも区によって地価が大きく異なります。
たとえば、港北区や青葉区の住宅地は高めの傾向があるため、評価額が高くなり、相続税が発生するケースもあります。
可能であれば、不動産会社や税理士、弁護士に相談して、客観的な価格評価をしてもらうのが安心です。
相続放棄を検討する場合にも重要なステップ
相続には「単純承認(すべてを相続)」「限定承認(プラスの範囲内で相続)」「相続放棄」の3つの方法があります。
相続放棄を選ぶ場合、家庭裁判所に3ヶ月以内に申述する必要があるため、早期の財産調査が欠かせません。
財産の全体像を正しく把握しておくことは、相続の全体計画を立てる第一歩です。
見落としや思い込みによるトラブルを避けるためにも、焦らず、丁寧に進めていきましょう。
【横浜での相続手続き④ 遺産分割協議と合意形成の注意点】
相続人が確定し、財産の内容と評価も済んだら、次に行うのが「遺産分割協議」です。
これは、相続人全員で「誰がどの財産をどのように相続するか」を話し合って決める大切な手続きです。
「全員の合意」がないと成立しない
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。
一人でも「納得できない」と反対する人がいれば、その協議は成立せず、次の手続きに進めません。
たとえば、こんなケースがよくあります:
- 長男が親と同居していたため「家は自分が相続したい」と主張
- 他の兄弟姉妹は「平等に分けるべき」と反発
- 話し合いが感情的になり、協議が長引いてしまう
特に横浜のように不動産価格が高いエリアでは、不動産をめぐる対立が起こりやすく、分配方法に悩むケースが少なくありません。
弁護士が入ることで「冷静な話し合い」が可能に
こうした対立を防ぎ、話し合いを円滑に進めるために有効なのが、弁護士など第三者の専門家のサポートです。
弁護士が入ることで得られるメリット:
- 感情的な対立を避け、法律的根拠に基づいた説明が可能
- 財産の評価や分割方法に関するアドバイスが受けられる
- 遺産分割協議書の作成までワンストップでサポート
実際に、横浜市内の事例でも、兄弟間で意見が食い違っていたご家庭が、弁護士の助言をきっかけに冷静に話し合いを進められるようになったケースが多数あります。
遺産分割協議書の作成と注意点
協議がまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。
この書類は、不動産の名義変更や銀行口座の解約・名義変更などで必要になる、非常に重要な書類です。
【協議書のポイント】
- 相続人全員の署名・実印による押印が必要
- 相続人の印鑑証明書を添付する
- 書式は自由だが、誤記や曖昧な表現は避ける
協議書の作成には、専門知識が求められる場合も多いため、弁護士に依頼することで「後から使えない」などのトラブルを未然に防ぐことができます。
特に注意したい横浜の不動産問題
横浜では、不動産を複数人で共有する形で相続するケースも多く見られますが、共有名義は後々のトラブルの火種になることが少なくありません。
「売却できない」「誰が管理するのか不明」「相続人の子世代でさらに複雑になる」など、長期的に不安を抱えることになります。
そのため、分け方に迷う場合は、現金化して分配する(換価分割)や、代償金を支払う(代償分割)など、柔軟な方法も視野に入れましょう。
遺産分割協議は、相続人同士の関係性が大きく影響する場面です。
法律の知識と第三者の視点を活かして、トラブルのない円満な協議を目指しましょう。
【横浜での相続手続き⑤ 相続登記・名義変更・税申告などの実務】
遺産分割協議が無事にまとまったら、いよいよ実際の手続きに移っていきます。
このステップでは、「不動産の名義変更(相続登記)」「預金口座の解約・名義変更」「相続税の申告」といった実務的な作業が中心になります。
相続登記は2024年から義務化に
これまで「相続登記」は任意でしたが、2024年4月から法律が改正され、相続登記の義務化がスタートしました。
被相続人が亡くなったことを知った日から3年以内に登記申請をしなければならず、怠ると過料(1万円以下)の罰則対象になることがあります。
【横浜での登記手続きのポイント】
- 登記申請は「横浜地方法務局」が管轄
- 必要書類:遺産分割協議書、被相続人の戸籍一式、相続人の住民票、印鑑証明など
- 自分で行うことも可能ですが、不安がある場合は弁護士や司法書士に依頼するのが安心
また、共有名義にする場合は注意が必要です。誰が管理責任を持つのか、売却する際に全員の同意が必要になることなど、将来的なリスクも検討して決めるべきです。
預金・証券・保険などの名義変更
銀行口座や株式、保険金なども、相続人の名義に変更する必要があります。
【金融機関手続きの流れ】
1. 相続人代表者が各銀行に連絡
2. 「相続手続き依頼書」の取り寄せ
3. 必要書類を提出(戸籍、協議書、印鑑証明など)
4. 凍結解除・払い戻し・名義変更が実行される
横浜銀行、神奈川銀行、ゆうちょ銀行など、金融機関ごとに求められる書類が若干異なるため、事前にHPや窓口で確認しておくのが効率的です。
証券口座についても、各証券会社に問い合わせて専用の相続手続きを進める必要があります。
また、生命保険に関しては、契約者・被保険者・受取人の関係によって相続財産に含まれるかどうかが異なるため、判断に迷う場合は専門家に相談するのが賢明です。
相続税の申告と納付は10ヶ月以内に
相続税がかかるかどうかは、「基礎控除」を超える遺産があるかどうかで判断されます。
【相続税の基礎控除額】
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
たとえば相続人が3人いる場合、基礎控除額は4,800万円です。
遺産の評価額がこれを超えている場合は、相続税の申告が必要になります。
【申告・納付のポイント】
- 申告期限は「被相続人の死亡日から10ヶ月以内」
- 原則として現金一括納付(延納や物納は条件付き)
- 税務署への提出が必要
- 不動産評価や小規模宅地の特例など、複雑な制度が多いため、税理士の活用も検討
相続税の申告を忘れると、延滞税や加算税の対象になることもあるため、余裕をもって準備を進めましょう。
このように、実務的な手続きは一つひとつは難しくなくても、「量」と「期限」のプレッシャーがあります。
横浜のような都市部では、書類の取得や金融機関対応の混雑も予想されるため、早め早めの行動が肝心です。
必要に応じて弁護士・司法書士・税理士などの専門家と連携しながら、着実に手続きを進めていきましょう。
横浜の相続手続きでよくあるトラブルと回避法
相続手続きというと、「法律にのっとって進めればスムーズに終わる」と思われがちですが、実はそう簡単ではありません。家族や親族間の感情が絡むため、思わぬトラブルに発展することも少なくないのです。
この章では、私たち弁護士が横浜で実際に受けた相談事例をもとに、よくあるトラブルとその回避法をご紹介します。
①弁護士が見たトラブル事例とその対応策
まずよくあるのが、「遺産分割協議でもめてしまった」というケース。
例えば、長男が実家で親と同居していた場合、「介護していたんだから多めに相続したい」と主張する一方で、他の兄弟は「平等に分けるべき」と譲らない…。こうした主張のズレから、話し合いが平行線になってしまうことがあります。
このような場合、感情が先行しやすくなるため、弁護士などの第三者が間に入って冷静な判断を促すことが有効です。
私が対応した横浜市内のご家庭でも、当初は兄弟間で対立していましたが、「相続法のルール」や「公平な財産評価」をもとに話を整理していくことで、無事に協議がまとまりました。
②家族間の話し合いで気をつけたいポイント
トラブルを防ぐには、「思い込み」や「言った言わない」を避ける工夫が大切です。
たとえば、「父が生前、土地は長男に渡すと言っていた」などの発言は、遺言書がなければ法的な証拠にはなりません。言葉だけの約束ではなく、書面に残す・専門家に相談することが、後のトラブルを避けるポイントです。
また、家族の中で特定の人が主導して手続きを進めようとすると、「勝手に進められた」と他の相続人が不信感を持つこともあります。横浜でも「遺産の額や内容を把握していなかった」と後から不満を感じるケースがよく見られます。
③弁護士に相談するタイミングとメリット
「まだ弁護士に相談するほどではない」と思われる方も多いかもしれませんが、実はトラブルが起きる前の段階で相談することが、一番の“予防策”になります。
特に以下のようなケースでは、早めのご相談をおすすめします:
相続人の関係が複雑(再婚・認知・異母兄弟など)
不動産の分け方で意見が分かれそう
遺言書が見つかったけれど内容が曖昧
一部の相続人が協議に参加しない、連絡が取れない
横浜のような都市部では、財産の種類も多岐にわたるため、一人で判断するのは大変です。専門家と一緒に、“感情”と“法的ルール”のバランスをとりながら進めることが、相続を穏やかに終えるためのカギになります。
横浜の相続に関する手続きをスムーズに進めるコツ
相続手続きは、段取りさえ押さえておけば、意外とスムーズに進められるものです。
ここでは、横浜という地域性を踏まえて、実際に役立つ“ちょっとしたコツ”をお伝えします。初めての相続でも安心して進められるよう、知っておいて損のない情報をまとめました。
①地元の役所・金融機関の利用方法
まず大事なのが、役所や金融機関の活用です。横浜市は政令指定都市なので、区ごとに行政窓口が分かれています。
たとえば、「戸籍の取得」「相続関係説明図の作成」「不動産評価証明書の発行」など、相続に必要な書類は各区役所の市民課が対応しています。
横浜市のホームページからも申請書をダウンロードできますし、郵送手続きも可能なので、わざわざ足を運ばなくてもOKな場合もあるんです。平日は仕事で動けない方でも、事前に予約すればスムーズに対応してもらえることもあるので、活用してみてください。
また、地元の銀行(横浜銀行、神奈川銀行など)に故人の口座がある場合は、死亡届受理後の口座凍結や解約手続きも必要になります。金融機関によって必要書類が異なるので、事前に電話やHPで確認しておくと、何度も行き来する手間が省けます。
②弁護士に相談するタイミングとメリット(再確認)
相続手続きで「ちょっとややこしいかも」と感じたら、できるだけ早めに弁護士に相談することがポイントです。
特に次のようなタイミングで相談される方が多いです:
相続人が高齢で判断能力に不安がある
相続放棄を検討しているが期限が近い(3ヶ月以内)
相続税の申告が必要かどうかわからない
遺言書の内容が不自然、または有効か不明
弁護士に相談することで、単なる「法的アドバイス」だけでなく、その後に起こり得るトラブルの予防にもつながります。私たち弁護士は、横浜という地元の事情にも精通しているので、役所や銀行など地域ごとの対応の違いにも即応できますよ。
③“地域密着”の情報がカギになることも
実は、相続で重要になるのが「不動産」の扱い。特に横浜のように地価が高めの地域では、不動産の価値が相続分配に大きな影響を与えることがあります。
たとえば、同じ区内でも「港北区」と「南区」では評価額が大きく異なることもあり、不動産の査定額が協議を左右することも。地元の不動産業者と連携して、客観的な価格を出してもらうのもひとつの手です。
また、「地域の慣習」や「地元特有の問題(私道・共有名義など)」がある場合は、地元に詳しい専門家が頼りになります。
相続手続きチェックリスト|横浜の方向けに作成
ここまで読んでくださった方は、相続の全体像がなんとなく見えてきたかと思います。でも、「じゃあ結局、今なにをすればいいの?」と不安になる方も多いですよね。
そんな方のために、相続手続きのやることリストを時系列順に整理したチェックリストをご用意しました。横浜市内で相続手続きを進める際にも役立つように、地域情報を交えて解説しています。
🔖 ステップ別 相続手続きチェックリスト
【相続開始直後(〜7日以内)】
✅ 死亡届を提出(横浜市内の各区役所 市民課)
✅ 火葬許可証の取得
✅ 葬儀や初七日の段取り
【〜1ヶ月以内】
✅ 戸籍謄本など相続関係の書類収集
✅ 住民票の除票・住民票の取得(相続人分)
✅ 遺言書の有無を確認(自宅・公正証書遺言の確認)
✅ 相続財産の大まかな把握(通帳、不動産、借入金など)
【〜3ヶ月以内】
✅ 相続人の確定と関係図の作成
✅ 相続放棄 or 単純承認の判断(家庭裁判所への申述が必要)
✅ 金融機関への連絡・口座凍結の手続き(横浜銀行など)
✅ 不動産の名義確認(法務局で登記簿を取得)
【〜4〜6ヶ月以内】
✅ 相続財産の評価(不動産・株式など)
✅ 遺産分割協議を開始し、協議書を作成
✅ 相続登記の申請
✅ 自動車の名義変更や公共料金の名義変更手続き
【〜10ヶ月以内】
✅ 相続税の申告・納付(課税対象の場合)
✅ 税務署への提出
✅ 必要に応じて税理士への相談
💡 見落としがちなポイントまとめ
遺言書がある場合は、勝手に開封せず家庭裁判所での「検認」手続きが必要です(自筆証書遺言の場合)。
相続放棄は3ヶ月以内が期限!過ぎてしまうと借金も相続してしまう可能性が。
相続税の申告も10ヶ月以内が原則なので、早めの準備がカギです。
「いつまでに」「誰が」「何をするか」が明確になるだけで、心の負担がグッと軽くなります。このチェックリストは、ご家族みんなで共有しながら使うのもオススメですよ。
まとめと結論|横浜で相続手続きに不安を感じたら
相続手続きと聞くと、どうしても「難しそう」「複雑そう」と身構えてしまうものです。でも実際には、ひとつひとつのステップを正しく踏めば、着実に前へ進むことができる手続きでもあります。
この記事では、相続の基本的な流れから、横浜ならではのポイント、さらにトラブルの予防法やチェックリストまでを、わかりやすくお伝えしてきました。
もう一度、大事なポイントを振り返ってみましょう:
相続手続きは、「期限」と「段取り」が命
横浜では区ごとの行政対応や地価の違いなど、地域特有の事情もある
感情的な対立を防ぐには、家族間の情報共有と第三者のサポートが重要
少しでも不安を感じたら、専門家への早めの相談がトラブル回避につながる
相続は「誰にでも起こりうる」人生の一場面です。そして、その時にどう動くかで、残されたご家族の気持ちや関係性にも影響が出ることがあります。
だからこそ、「一人で抱え込まないこと」が何より大切です。あなたが不安に思っているその気持ち、きっと多くの方が同じように感じてきました。そんなときは、地域に根ざした弁護士や専門家に頼ることも、立派な選択肢です。
弁護士に相談する理由とお問い合わせ案内(横浜エリア対応)
相続の手続きは、法律・税金・感情――さまざまな要素が絡むため、思っている以上に複雑な場面が多くあります。「これってどうすればいいの?」「判断を間違えたらどうなるんだろう…」と迷うこともきっとあるはずです。
そんなときこそ、相続に強い弁護士に相談することが、一番の安心につながります。
私たち弁護士は、相続人間のトラブル予防はもちろん、相続放棄の手続き、不動産の名義変更、遺産分割協議書の作成など、幅広い業務をサポートしています。また、横浜地域の不動産や行政機関の特徴にも詳しいため、地域密着の視点からのアドバイスが可能です。
📞 ご相談はお気軽に
相続の手続きは、「法律・税金・感情」の3つが絡む非常に繊細な問題です。
ほんの些細な判断ミスや見落としが、後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。
そんなときこそ、相続に詳しい弁護士へ早めに相談することが、安心して相続を進める最大のポイントです。
弁護士に相談するメリットは以下のとおりです:
- 相続人間のトラブルを未然に防ぐアドバイス
- 遺産分割協議書の作成や相続登記のサポート
- 相続放棄・限定承認などの判断を法的にサポート
- 横浜の地元事情(不動産・役所対応など)に精通している
「ちょっと聞いてみたい」だけでも構いません。初回相談を無料で行っている法律事務所も多くありますので、気軽な気持ちで一歩踏み出してみてください。
お電話やメール、Zoomなどのオンライン相談にも対応している弁護士も増えています。横浜市内・近隣エリアにお住まいの方で相続にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
相続初心者必見!横浜での相続手続きをやさしく解説でした!
弁護士 大石誠
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この記事は2025年8月20日に更新をしました。


