【神奈川県版】空き家・実家を損せず売却する方法|弁護士のアドバイス
- 誠 大石

- 2024年1月28日
- 読了時間: 9分
更新日:2025年12月26日
はじめに
「親から相続した実家が空き家のまま…」
「固定資産税の負担が重くて困っている…」
神奈川県でも、こうしたご相談は年々増えています。特に横浜市・川崎市などの都市部では、空き家の管理不全が近隣トラブルに直結しやすく、行政の指導も強まりやすい傾向があります。
一方で、相続した実家は「思い出がある」「兄弟と話がまとまらない」「どこに相談すべきか分からない」といった理由で、判断が先送りになりがちです。しかし、空き家は放置するほど費用とリスクが増え、結果的に“何もしないことが一番損”になることも少なくありません。
本記事では、弁護士(宅建士資格も保有)として、神奈川県で空き家・実家を損せず売却するためのポイントを、法律・不動産・税務の観点から整理して解説します。最後に「今やるべきこと」が分かるロードマップも用意していますので、ぜひご活用ください。
神奈川県で空き家・実家を放置するリスク
空き家を放置すると、建物の価値が下がるだけでなく、税金・賠償・手続違反といった「直接的な損」が発生します。神奈川県では住宅密集地も多く、所有者責任が問われる場面が増えています。特に注意したい代表例は次の3つです。
■特定空家指定による固定資産税の増額(最大6倍リスク)
空き家対策特別措置法により、周囲の安全・衛生・景観に悪影響がある空き家は「特定空家」等に指定されることがあります。
指定されると、土地の固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れ、税負担が大幅に増える可能性があります。管理不全が続くほど、指導→勧告→命令と段階が進み、戻すのが難しくなる点も注意が必要です。
■老朽化・倒壊による損害賠償リスク
築年数が経つほど、雨漏り・シロアリ・外壁崩落などの危険が高まります。台風や地震などの自然災害の際に、瓦の飛散やブロック塀の倒壊が起きれば、近隣住民や通行人に損害が及ぶ可能性があります。
「空き家だから使っていない」は免責にならず、所有者として賠償責任を負うリスクがあるため、放置は危険です。
■相続登記義務化(2024年)と過料(10万円以下)のリスク
2024年4月から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請が必要となりました。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料が科され得ます。
また、名義が整理されていないと売却そのものが進みません。兄弟間で意見が割れるほど、時間だけが過ぎてコストが増える構図になりやすいため、早めの整理が重要です。
神奈川県で選ばれる空き家・実家の売却方法3選
空き家の売却には複数のルートがあり、正解は「物件の状態」「希望時期」「権利関係」で変わります。神奈川県内で多い3つの方法を比較します。
■(1)仲介売却|高値を狙えるが時間がかかる
不動産会社に仲介を依頼し、市場で買主を探す方法です。立地が良い(駅近・人気学区・再開発エリアなど)、建物状態が良い場合は高値を狙いやすい反面、買主が見つかるまで数か月以上かかることもあります。
特に横浜市・川崎市のような都市部は買主候補が多い一方、競合物件も多いので「相場に合った価格設定」と「売り出し戦略」が重要です。
■(2)即時買取|価格は下がるがスピード重視
不動産買取業者が直接買い取る方法で、現金化が早いのが最大のメリットです。
老朽化が進んだ物件、残置物が多い物件、相続人が遠方で管理できないケースなどで選ばれやすい一方、仲介より価格が下がる傾向があります。
契約条件(契約不適合責任の扱い、引渡し条件、残置物処理など)を丁寧に確認しないと、後で「聞いていなかった」トラブルになりがちです。
■(3)解体+土地売却|買い手が広がるが先出し費用が必要
建物の価値がほとんどない場合、解体して更地で売ると買主が増えることがあります。住宅用地だけでなく事業用地・駐車場ニーズも含めて検討しやすくなるためです。
ただし解体費(目安:100万~300万円程度)や測量費など、先に支出が発生します。神奈川県内でも前面道路の状況や近隣への配慮で工事費が変わるため、事前見積もりが必須です。
空き家売却の税金と費用を最小化する考え方
売却で「手元に残るお金」を左右するのは、売却価格だけではありません。税金・諸費用を理解しておけば、損を避けられる場面が多くあります。
■(1)相続空き家の3,000万円特別控除(要件チェックが最優先)
相続した空き家の売却では、一定要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。
代表的な要件として「被相続人が一人で居住」「一定時期以前の建築」「相続から一定期間内の売却」「耐震改修または解体」などがあり、該当性の判断が重要です。
要件の当てはめは個別性が強いため、税理士等の専門家と連携し、売却前に適用可否を確認するのが安全です。
■(2)長期譲渡・短期譲渡で税率が大きく変わる
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると長期譲渡となり、税率は概ね低くなります。
一方、5年以下だと短期譲渡で税率が高くなり、手取りが大きく減る可能性があります。
相続の場合は、被相続人の所有期間を通算できる点が実務上の大きなポイントです。
■(3)売却に伴う諸費用の目安(事前に“概算”する)
空き家売却でよく発生する費用の目安は次のとおりです。
・解体費用:約100万~300万円
・測量費用:約30万~60万円
・司法書士・弁護士報酬:各5万~30万円(業務内容による)
・仲介手数料:売買価格×3%+6万円(税別)
相続人間で費用負担が争点になりやすいので、「誰が・いくら・いつ負担するか」を文書で整理しておくと、揉めにくくなります。
兄弟・共有名義でも揉めずに売却する方法
相続した実家の売却で最も多い壁は「共有者間の合意」です。感情面とお金の話が絡み、放置が長引くほど関係が悪化しやすくなります。ポイントは“先にルールを決める”ことです。
■(1)合意書・委任状で「言った言わない」を防ぐ
まず相続人全員で、売却の方針(仲介か買取か、価格帯、時期、費用負担、残置物処理など)を合意し、文書化します。
また、実務を代表者に任せるなら委任状を用意すると、手続が一気に進みます。口頭だけで進めると、後で反対が出やすいので注意が必要です。
■(2)相続登記・名義変更の基本フロー
名義が被相続人のままだと、原則として売却できません。基本的な流れは次のとおりです。
1)戸籍等の収集(被相続人・相続人)
2)遺産分割協議(または遺言の確認)
3)遺産分割協議書等の作成
4)相続登記の申請
早めに着手するほど、売却の選択肢が広がります。
■(3)弁護士が入るメリット(調停前に“整える”)
連絡が取れない相続人がいる、反対者がいる、費用負担で揉めている――このようなケースでは、弁護士が間に入って交渉・合意形成を支援することで、調停や訴訟に進む前に整理できる可能性が高まります。
不動産会社任せにせず、法的な整理と契約条件のチェックを同時に進めることが、結果的に“損しない”近道です。
神奈川県全域で空き家売却を成功させる4つのポイント
神奈川県は、横浜・川崎の都市部から、藤沢・茅ヶ崎などの湘南エリア、相模原・厚木など内陸、小田原など西部まで、エリアで需要が異なります。とはいえ、成功の共通項は次の4つです。
■(1)査定は2~3社で比較し、相場を“現実的に”掴む
査定額は会社によって差が出ます。1社だけだと高値提案に引っ張られて売れ残る、逆に安く手放すなどの失敗が起きやすくなります。複数社で比較し、根拠を聞いたうえで売出価格を決めるのが安全です。
■(2)最低限の整備で印象を上げる(清掃・庭・外観)
老朽化物件でも、清掃や通風、庭木の手入れなどで印象は大きく変わります。内覧時の第一印象は価格交渉に直結します。「修繕までしなくても、管理状態を整える」だけでも効果があります。
■(3)法律・税金のチェックを“売却前”に終わらせる
相続登記、共有者の合意、控除制度の適用可否、境界の問題、契約不適合責任の整理など、売却前に確認すべき論点は多岐にわたります。
後から問題が出ると、契約のやり直しや価格減額につながりやすいため、“事前整理”が手取りを守ります。
■(4)周辺エリアにも買主目線を広げる
横浜中心部だけでなく、鶴見区・港北区・青葉区など周辺、川崎・相模原なども含め、買主が何を求めているかで訴求点が変わります。売却戦略(仲介・買取・更地)も、エリア特性に合わせて設計すると早期成約につながります。
神奈川県の公的相談窓口(併用で安心)
神奈川県内では、空き家に関する公的相談窓口も整備されています。状況整理や制度の確認に役立つため、必要に応じて活用しましょう。
※実際の手続・交渉・契約の最終判断は、弁護士等の専門家と併せて進めると安全です。
・横浜市:空家の適正管理に関する案内
・神奈川県:空き家相談窓口
まとめ|神奈川県の空き家は「早めの行動」が最大の節約
空き家や相続した実家の放置は、固定資産税の増額リスク、倒壊等による賠償リスク、相続登記義務違反など、知らないうちに損が積み上がる原因になります。特に神奈川県の都市部では、近隣影響が出やすく、管理不全が問題化しやすい点にも注意が必要です。
一方、売却には「仲介」「即時買取」「解体+土地売却」といった選択肢があり、物件状況と希望条件に合わせて最適解を選べば、損を避けながら手放すことは十分可能です。
税金(3,000万円特別控除、譲渡税率)や費用を事前に整理し、兄弟・共有者間の合意を文書化して進めることが、トラブル回避と手取り確保の鍵となります。
弁護士に相談する理由とお問い合わせ(神奈川県対応)
空き家売却は不動産取引であると同時に、相続・共有・税務・契約リスクが絡む法律問題でもあります。不動産会社だけでは対応しきれない論点がある場合、弁護士が関与することで次のようなメリットが期待できます。
・相続人間の合意形成、遺産分割協議書等の作成支援
・相続登記に向けた整理(司法書士等との連携)
・売買契約書・重要事項説明のチェックによるトラブル予防
・共有者の反対、連絡不能者がいる場合の交渉・法的手続の検討
・税理士等と連携した控除適用の事前確認(※税務判断は税理士領域)
神奈川県(横浜市、川崎市、藤沢市、相模原市、小田原市など)で空き家・実家の売却にお困りの方は、早めにご相談ください。状況を整理し、「損しない進め方」をロードマップでご提案します。
【神奈川県版】空き家・実家を損せず売却する方法|弁護士のアドバイスでした!
弁護士 大石誠
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