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海外在住や行方不明の相続人がいる遺産分割|鎌倉・湘南のケースと解決策

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 3月15日
  • 読了時間: 13分

はじめに

遺産相続の話になると、「相続人全員の同意が必要」とよく言われますよね。では、もし相続人の一人が 海外に住んでいたり、行方不明だったりしたら どうなるのでしょうか?

「どうやって連絡を取ればいいの?」「相続手続きを進めるにはどうしたらいい?」

こうした疑問を抱える方は、鎌倉・湘南エリアでも少なくありません。

特に、この地域は 歴史ある家や土地を代々受け継ぐ家庭も多く、相続問題が発生しやすい傾向があります。

しかし、相続人が遠方や海外にいる、あるいは行方不明の場合でも 適切な方法 を取れば、遺産分割を進めることは可能です。

本記事では、横浜の弁護士が 鎌倉・湘南エリアの実例を交えながら、具体的な解決策 を解説します。

行方不明の相続人がいる場合の対処法

海外在住の相続人とのスムーズな手続き方法

不在者財産管理人や失踪宣告の活用法


相続問題は 早めの対策がカギ になります。

「海外在住や行方不明の相続人がいる遺産分割|鎌倉・湘南のケースと解決策」

この記事を読めば、 今すぐできる具体的な対策 が分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。


海外在住や行方不明の相続人がいると遺産分割はどうなる?

相続の手続きでは、相続人全員が 遺産分割協議 に参加し、合意しなければなりません。では、相続人の一人が 海外に住んでいたり、行方不明だったりする 場合、どのような問題が生じるのでしょうか?


相続人が海外在住の場合の問題点

海外在住の相続人がいる場合、次のような問題が発生することがあります。

  • 連絡が取りにくい(時差があり、電話やメールでのやり取りが難しい)

  • 遺産分割協議書に署名・押印が必要(海外にいるため書類のやり取りが大変)

  • 海外の法律が影響する可能性(国によっては、日本の相続制度と異なるルールがある)

例えば、鎌倉市内に実家があるAさんのケースを考えてみましょう。

Aさんの兄弟の一人が10年前にアメリカへ移住し、現地で生活しています。Aさんの親が亡くなったため、遺産分割の話し合いを始めましたが、アメリカに住む兄弟は多忙でなかなか連絡が取れず、手続きが進みませんでした。さらに、アメリカでは印鑑文化がなく、書類への押印が必要な日本の手続きに戸惑いを感じていました。


行方不明の相続人がいる場合の問題点

一方、相続人が行方不明の場合、さらに深刻な問題が発生します。

  • 連絡が取れず、遺産分割協議に参加できない

  • 住所が不明のため、書類の送付ができない

  • 行方不明のままでは、遺産分割協議が進められない

例えば、湘南エリアに住むBさんのケースでは、Bさんの兄弟が10年以上前に家を出てから消息不明になっていました。

両親が亡くなり、相続手続きを進めようとしたものの、兄弟と連絡が取れず困ってしまいました。家庭裁判所に相談したところ、不在者財産管理人を選任することで遺産分割を進められる ことを知り、弁護士に手続きを依頼することになりました。


このように、海外在住者や行方不明者がいると、通常の遺産分割とは異なる手続きが必要 になります。


行方不明の相続人がいる場合の解決策

相続人が行方不明の場合、そのままでは遺産分割を進めることができません。

しかし、法律で定められた手続きを利用することで、適切に遺産分割を行うことが可能です。

ここでは、主な解決策である 「不在者財産管理人の選任」と「失踪宣告」 について詳しく解説します。


① 不在者財産管理人の選任

相続人が長期間行方不明で連絡が取れない場合、家庭裁判所に申し立てることで「不在者財産管理人」を選任することができます。

不在者財産管理人とは、行方不明の相続人の代わりに財産を管理し、遺産分割協議に参加できる人のことです。


不在者財産管理人の選任手続き

  1. 家庭裁判所に申立てを行う

    • 申立人(相続人の一人や利害関係者)が、相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる。

    • 例えば、鎌倉や湘南エリアに住んでいる場合は、「横浜家庭裁判所」が管轄になることが多い。

  2. 必要な書類を提出

    • 申立書

    • 行方不明の相続人の戸籍謄本

    • 申立人の戸籍謄本

    • 相続財産の一覧

    • 申立人の身分証明書

  3. 家庭裁判所が管理人を選任

    • 裁判所が適任者(通常は弁護士や司法書士)を不在者財産管理人として選任する。

    • 選任後、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加できるようになる。


不在者財産管理人を活用するメリット

行方不明の相続人がいても、遺産分割協議を進められる

財産の保全が可能(勝手に処分されるリスクを防げる)

家庭裁判所の監督があるため、公正な手続きが保証される

例えば、鎌倉市のCさんのケースでは、父親の遺産分割を進めようとした際、弟が10年以上前から行方不明であることが判明しました。

Cさんは弁護士に相談し、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の申し立てを行いました。その結果、弁護士が管理人として選任され、無事に遺産分割協議を進めることができました。


② 失踪宣告の活用

行方不明の相続人が 7年以上消息不明である場合、家庭裁判所に申し立てることで 「失踪宣告」を受けることができます。

失踪宣告が認められると、その相続人は 法律上死亡したものとみなされる ため、遺産分割を通常通り進めることが可能になります。


失踪宣告の手続き

  1. 家庭裁判所に申立てを行う

    • 行方不明の相続人の親族や相続人が申し立てを行う。

    • 申し立てる裁判所は、不在者の最後の住所地の管轄家庭裁判所(鎌倉や湘南エリアなら横浜家庭裁判所)。

  2. 公告期間(6ヶ月間)

    • 家庭裁判所が失踪宣告の公告を出し、6ヶ月間異議申し立てがないか確認する。

    • もしもこの期間に行方不明の相続人が現れた場合、手続きは中止される。

  3. 失踪宣告の確定

    • 6ヶ月の公告期間が終了し、異議申し立てがなければ、失踪宣告が確定する。

    • 法的に「死亡」したとみなされ、相続手続きが進められるようになる。


失踪宣告を活用するメリットと注意点

法的に死亡とみなされるため、相続手続きをスムーズに進められる

遺産分割の遅延を防げる

行方不明の相続人が後から生きて戻ってきた場合、財産を返還しなければならないことがある


例えば、湘南エリアのDさんのケースでは、兄が20年以上前に家を出て音信不通になっていました。相続手続きを進めるため、弁護士と相談し「失踪宣告」を申し立てたところ、公告期間を経て正式に認められ、遺産分割がスムーズに完了しました。


行方不明の相続人がいる場合の対応まとめ

ケース

解決策

申立先

手続き期間

一時的に連絡が取れない

しばらく様子を見て、弁護士に相談

-

-

長期間行方不明

不在者財産管理人を選任

家庭裁判所

数ヶ月

7年以上行方不明

失踪宣告を申し立て

家庭裁判所

約6ヶ月~1年

行方不明の相続人がいる場合でも、適切な法的手続きを踏めば遺産分割を進めることが可能 です。

ただし、手続きには時間がかかるため、早めに弁護士に相談することが重要です。


海外在住の相続人がいる場合の対処法

相続人の一人が 海外に住んでいる場合、行方不明とは違い生存は確認できているものの、相続手続きを進めるうえで 「距離」「法律」「手続き」 などの問題が発生します。ここでは、スムーズに遺産分割を進めるための具体的な解決策を解説します。


① 委任状や代理人を活用する

海外にいる相続人が 日本に帰国するのが難しい場合、遺産分割協議に直接参加できません。そのため、日本にいる代理人に手続きを委任する方法 が有効です。


委任状を活用する方法

  1. 相続人が海外から委任状を作成

    • 相続手続きを日本にいる家族や弁護士に任せるための「委任状」を作成

    • 内容:遺産分割協議への参加、遺産の受け取り、手続きの代行 など

  2. 公証役場や領事館で認証を受ける

    • 委任状には公証役場の認証が必要(日本の役所で認められるため)

    • 海外在住者の場合、日本大使館・領事館で認証を受けるのが一般的

  3. 代理人が遺産分割協議に参加

    • 代理人(通常は日本の家族または弁護士)が遺産分割協議に出席

    • 相続人本人の意思を反映した形で手続きを進める


委任状を活用するメリット

海外にいながら相続手続きを進められる

日本の家族や弁護士が代行できるため、手続きがスムーズ


鎌倉市の事例:アメリカ在住の相続人のケース

鎌倉に住むEさんの父親が亡くなり、相続手続きを進めることになりました。しかし、兄はアメリカに移住しており、帰国する予定がありませんでした。そこで、兄は日本大使館で 委任状を認証 し、日本の弁護士に相続手続きを依頼しました。その結果、兄がアメリカにいるままでもスムーズに遺産分割が進み、問題なく手続きを完了できました。


② 外国の法律との関係に注意

海外在住の相続人がいる場合、その国の法律が影響を及ぼす可能性 があります。特に、以下の点には注意が必要です。


相続税の取り扱いが違う

  • 日本では 相続税は「被相続人(亡くなった人)」の国のルールに従う

  • しかし、アメリカやフランスなどの国では 「相続人が住んでいる国のルール」が適用される場合がある

例えば、アメリカ在住の相続人は、日本の相続税だけでなく、アメリカの税務当局にも税務申告が必要になる可能性があります。この場合、日本とアメリカの両方の専門家に相談することが重要です。


外国の法律が相続分に影響を与えることも

  • フランスやドイツなどの国では、法定相続分が厳格に決められている

  • アメリカの一部の州では、遺産の分配方法が日本と異なるケースがある

例えば、フランス在住の相続人がいる場合、フランスの法律によって 「一定の相続分を確保する権利」があるため、日本の遺産分割協議と異なる結果になる可能性があります。


海外在住の相続人がいる場合の対策

事前に相続税の専門家や弁護士に相談する

相続手続きを進める前に、海外の税制や法律を確認する


海外在住の相続人がいる場合の対応まとめ

ケース

解決策

メリット

注意点

海外から帰国できない

委任状で代理人を立てる

遺産分割協議に参加できる

公証役場や領事館での認証が必要

相続税の問題がある

海外の税制を確認

追加の税金トラブルを防げる

現地の税務専門家の協力が必要

海外の法律が影響する可能性

現地の法律を事前確認

相続人の権利を守れる

国によってルールが異なる

海外在住の相続人がいると、手続きが通常よりも複雑になりますが、適切な方法を取ればスムーズに進めることができます。特に、委任状の活用や現地の法律の確認を早めに行うことが重要です。


鎌倉・湘南で遺産分割に困ったら弁護士に相談を!

ここまで解説したように、相続人が 行方不明だったり 海外に住んでいたりすると、遺産分割の手続きは通常よりも 複雑になり、時間がかかることがあります。

「手続きが面倒で、どこから手をつけていいかわからない…」「海外在住の兄弟と話がまとまらず、遺産分割が進まない…」「行方不明の相続人がいて困っている…」

こうした悩みを抱えている方は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。 ここでは、弁護士がどのようにサポートできるのかを解説します。


① 弁護士に相談するメリット

遺産分割に関するトラブルは、法律の専門家である弁護士に相談することで 円滑に解決できる可能性が高まります。


✅ メリット1:不在者財産管理人の手続きを代行できる

行方不明の相続人がいる場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の申立てを行う必要があります。

しかし、申立てには 多くの書類や手続き が必要で、一般の方が一人で行うのは大変です。

弁護士に依頼することで、以下のサポートを受けられます。

  • 家庭裁判所への 申立書類の作成

  • 選任された不在者財産管理人として 遺産分割協議に参加

  • 遺産の管理・分配の手続きの代行

例えば、鎌倉市のFさんのケース では、父の遺産分割を進めようとしたところ、弟が10年以上前に家を出たきり行方不明でした。家庭裁判所に不在者財産管理人の申立てを行い、弁護士が管理人に選任されたことで、無事に遺産分割を完了することができました。


✅ メリット2:海外在住の相続人との交渉をサポート

海外に住んでいる相続人がいる場合、時差や言語の壁、法律の違いなどの問題 が発生することがあります。

弁護士がサポートできること

  • 海外在住の相続人との スムーズな連絡・交渉

  • 海外の公証制度(委任状の認証など)に関するアドバイス

  • 相続税や法律の違いを考慮した手続きのサポート

例えば、湘南エリアのGさんのケース では、妹がオーストラリアに住んでおり、遺産分割協議に参加できませんでした。弁護士が代理人として手続きを進め、オーストラリアの法律にも配慮した形で無事に遺産を分割することができました。


✅ メリット3:遺産分割協議のトラブルを防ぐ

相続人同士で意見が合わないと、遺産分割協議が長引く ことがあります。特に、行方不明の相続人がいる場合や、海外在住の相続人と話がまとまらない場合は、トラブルが発生しやすくなります。

弁護士が間に入ることで、次のようなトラブルを防ぐことができます。

  • 遺産分割協議の進行をスムーズにする(公平な立場で調整)

  • 感情的な対立を避ける(弁護士が冷静に対応)

  • 法的に有効な遺産分割協議書を作成する

例えば、鎌倉市のHさんのケース では、兄弟で遺産の分配方法について意見が合わず、話し合いが難航していました。弁護士が中立的な立場でアドバイスを行い、最終的に全員が納得できる形で遺産分割協議をまとめることができました。


② 弁護士に相談するタイミング

遺産分割の問題は できるだけ早く対応することが重要 です。特に、以下のようなケースでは、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

相談すべきタイミング

具体的な状況

相続人が行方不明

長期間連絡が取れず、手続きが進まない

相続人が海外在住

手続きに必要な書類の準備が難しい

相続人同士で対立

話し合いがまとまらず、協議が進まない

遺産分割の手続きが複雑

専門的な法律知識が必要

「早めの相談」がスムーズな解決のカギになります!


③ 弁護士に依頼する際の費用について

弁護士に依頼する場合、費用が気になる方も多いと思います。一般的に、以下のような費用がかかることが多いです。

項目

費用の目安

初回相談料

30分5,000円~無料の事務所もあり

不在者財産管理人の申立て

10万円~30万円

遺産分割協議の代理

相続財産の数%(例:100万円~)

※事務所によって異なるため、事前に確認しましょう。


鎌倉・湘南での遺産分割に悩んだら弁護士に相談を!

相続は 感情的な問題が絡むことが多く、トラブルになりやすい手続き です。特に、行方不明の相続人や海外在住の相続人がいる場合は、法律的に適切な対応を取る必要があります。

弁護士に相談すれば、手続きの負担を減らし、スムーズに解決するためのサポートを受けることができます。

鎌倉・湘南エリアで相続に関するお悩みがある方は、お気軽に 横浜の弁護士にご相談ください!


まとめ

相続人の中に 行方不明者 や 海外在住者 がいる場合、遺産分割は通常よりも複雑になります。しかし、適切な手続きを取ることで、スムーズに進めることが可能です。


行方不明の相続人がいる場合

  • 不在者財産管理人を選任 すれば、行方不明者の代わりに手続きを進められる

  • 失踪宣告を申し立てる ことで、法的に死亡とみなして遺産分割を行える


海外在住の相続人がいる場合

  • 委任状を活用 して代理人を立てることで、海外にいながら相続手続きを進められる

  • 海外の法律や税制に注意 し、必要に応じて専門家と連携する


弁護士に相談するメリット

  • 手続きを代行してもらえる ため、負担を軽減できる

  • 遺産分割協議のトラブルを防ぐ ことで、円滑に相続を完了できる

  • 海外とのやり取りや法律の違いにも対応 してもらえる


鎌倉・湘南エリアでは、歴史ある家や土地を代々受け継ぐケースも多く、相続問題が発生しやすい地域です。もし「どう進めればいいかわからない」「手続きが煩雑で困っている」といったお悩みがあれば、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

遺産分割は、適切な対応を取ることで トラブルを未然に防ぎ、円滑に進めることができます。 ぜひ、専門家のサポートを活用して、安心して相続手続きを進めましょう!


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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電話:〔045-663-2294


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