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弁護士が語る横浜の事例:無効遺言の有効性とは

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 3月14日
  • 読了時間: 13分

はじめに

「遺言書が無効と言われてしまった…どうしよう?」

遺言書を残したのに、形式のミスや証人の問題で**「無効」**と判断されてしまうケースは意外と多いんです。せっかくの想いが反映されないとなると、残された家族にとっても大きな問題ですよね。

でも、ちょっと待ってください!無効な遺言書でも「死因贈与契約」として有効になる可能性があるんです。

これは意外と知られていないポイントですが、実際に裁判で認められたケースもあります。

特に横浜では、遺言や相続に関する相談が多く、裁判例も豊富にあります。

そこで本記事では、

どんな遺言書が無効になるのか?

死因贈与契約とは何か?遺言との違いは?

横浜の裁判例をもとに、実際に認められたケース

無効な遺言を有効にするためのポイント

などを、弁護士の視点から分かりやすく解説していきます!

「遺言書が無効になったら終わり」と諦める前に、ぜひ最後まで読んでみてください。意外な解決策が見つかるかもしれませんよ!


遺言書が無効になる主な理由とは?

「せっかく遺言書を書いたのに、無効になってしまった…」そんなケースは決して珍しくありません。実は、遺言書が無効になる理由のほとんどは「書き方のミス」なんです。ここでは、よくある無効事例を見ていきましょう。


自筆証書遺言の方式違反とは?

自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し、押印するというルールがあります(民法968条)。しかし、これを守らなかったために無効になったケースが多くあります。

✅ よくあるミス

  • 日付が抜けている(「○月吉日」はNG)

  • パソコンで作成した部分がある(自筆じゃないと無効)

  • 押印がない、または認印を使っている

📌 横浜のケース:

ある方が「パソコンで作成した遺言書」に署名だけ手書きし、亡くなりました。しかし、全文が自筆ではないため遺言書は無効とされました。このように、形式を守らないとせっかくの遺言も法的に認められないのです。


公正証書遺言の無効事由と注意点

公正証書遺言は、公証役場で作成するため方式違反のリスクは低いですが、それでも無効になるケースがあります。

✅ よくある無効事例

  • 証人に欠格事由があった(相続人が証人になっていた)

  • 遺言能力がなかったと判断された(認知症が進行していた)

📌 横浜のケース:

高齢の方が公正証書遺言を作成しましたが、証人の一人が相続人だったため証人としての資格を満たさず、遺言が無効とされました。証人は独立した第三者でなければならないので、親族を証人にするのは避けましょう。


死因贈与契約とは?遺言との違いを解説

「遺言書が無効になったけど、他に方法はないの?」と不安に思う方も多いでしょう。そんなときに重要なのが「死因贈与契約」です。

この契約が成立すると、無効な遺言書でも財産を受け取れる可能性があります。では、遺言との違いや成立条件を見ていきましょう。


遺言と死因贈与契約の法的な違い

項目

遺言

死因贈与契約

法的性質

一方的な意思表示

贈与者と受贈者の合意

効力発生時期

遺言者の死亡時

契約成立時(死亡時に効力発生)

方式

自筆証書・公正証書など

口頭でも可(ただし書面が望ましい)

撤回

いつでも撤回可能

原則として撤回不可(合意が必要)

このように、死因贈与契約は「契約」であるため、受贈者(財産をもらう側)の承諾が必要です。遺言とは異なり、「合意しているかどうか」が重要なポイントになります。


死因贈与契約が認められるための条件

死因贈与契約が成立するには、以下の条件が必要です。

当事者の合意があること(贈与者と受贈者が「財産を譲る」「受け取る」と合意している)

贈与者の死亡によって効力が生じること(生前贈与とは異なる)

書面があるのが望ましい(口頭でも成立するが、争いを避けるため書面化が推奨される)

では、実際に「無効な遺言が死因贈与契約として認められた事例」を見てみましょう。


📌 横浜の事例:「日付のない遺言」が死因贈与契約と認められたケース

ある男性が「自筆証書遺言」を残していましたが、そこには日付が記載されていませんでした。民法では、日付のない自筆証書遺言は無効とされています(民法968条)。

このため、相続人の一人が「この遺言は無効だ」と主張しました。しかし、亡くなる前に遺言の内容を家族に話しており、受贈者もそれを了承していたことが証拠として示されました。

裁判所は、「この遺言書は無効だが、内容自体は死因贈与契約として有効と認められる」と判断し、受贈者に財産の譲渡が認められました。

このように、遺言が無効でも「生前の合意」が確認できれば、死因贈与契約として成立する場合があるのです。


横浜の裁判例から学ぶ、無効遺言と死因贈与契約の関係

遺言書が無効と判断されたとしても、その内容や作成経緯によっては死因贈与契約として有効になる場合があります

ここでは、実際の裁判例をもとに「どのようなケースで死因贈与契約が成立したのか?」を見ていきましょう。


📌 ケース1:日付不備の自筆証書遺言が死因贈与契約として認められた

【事例】横浜市内に住むAさん(80代)は、手書きの遺言書を作成しました。しかし、その遺言書には日付の記載がなく、法的には無効と判断されました。

しかし、Aさんは生前に「この財産はBに譲る」と家族に何度も話しており、Bさん(受贈者)も「はい、わかりました」と承諾していました。さらに、AさんはBさんに対して、「自分が亡くなったらこの通帳を使ってくれ」と具体的な指示をしていたのです。

【裁判の結果】

裁判所は、この遺言書は形式的に無効だが、AさんとBさんの間で「死因贈与契約」が成立していたと認められると判断。

その結果、BさんはAさんの財産を受け取ることができました。

✅ ポイント

  • 受贈者(Bさん)が贈与を承諾していたこと

  • 生前に贈与の意思を示していたこと(証拠があった)

  • 遺言書の内容と、Aさんの発言が一致していたこと

このように、たとえ遺言書が無効でも、死因贈与契約として認められるケースがあるのです。


📌 ケース2:証人の欠格事由により無効となった公正証書遺言が死因贈与契約に

【事例】横浜市在住のCさん(70代)は、公正証書遺言を作成していました。

しかし、この遺言書には問題がありました。証人の1人が相続人であったため、民法上の証人欠格事由に該当し、遺言全体が無効になってしまったのです。

しかし、Cさんは生前、相続予定者のDさんに対して、「自分が死んだらこの不動産は君のものだからね」と繰り返し話していました。Dさんも「ありがとうございます」と答えており、Cさんの意思を尊重する姿勢を示していました。

【裁判の結果】

裁判所は、「形式上、遺言書は無効だが、CさんとDさんの間で死因贈与契約が成立していた」と判断。その結果、DさんはCさんの不動産を相続できることになりました。

✅ ポイント

  • 証人の欠格事由による公正証書遺言の無効

  • 生前の明確な意思表示(Dさんへの発言)

  • Dさんがそれを了承していたこと(合意があった)

このように、公正証書遺言であっても、証人の問題などで無効になることはあり得るため、慎重に作成することが重要です。


📌 ケース3:受贈者の承諾がポイントになった判例

【事例】横浜で暮らしていたEさん(故人)は、生前に「このマンションはFに譲る」と書いたメモを残していました。

しかし、このメモは正式な遺言書ではなく、法的には無効と判断されました。

しかし、Eさんは亡くなる前にFさんに対して、「この家は君が住み続けるんだよね?」と話しており、Fさんも「はい、ありがとうございます!」と答えていました。

【裁判の結果】裁判所は、Fさんが遺贈を承諾していたと認め、「死因贈与契約」が成立したと判断。

その結果、FさんはEさんのマンションを正式に取得することができました。

✅ ポイント

  • 形式の整っていないメモは遺言書としては無効

  • しかし、生前の会話によって死因贈与契約が成立した

  • 受贈者(Fさん)の承諾が大きな決め手となった

このように、「受贈者の承諾」があれば、遺言書が無効でも救済される可能性があるのです。


まとめ:横浜の裁判例が示す重要ポイント

🔹 遺言書が無効になっても、生前の発言ややり取りが重要になる

🔹 「受贈者が承諾していたかどうか」が死因贈与契約のカギ

🔹 遺言書を作成する際は、無効にならないよう慎重に!

無効になってしまった遺言書でも、内容や関係者の合意が認められれば「死因贈与契約」として有効になる可能性があります。

ただし、すべてのケースで認められるわけではないため、慎重な対応が必要です。


無効遺言を死因贈与契約として成立させるためのポイント

「遺言が無効になってしまったら、もうどうしようもないの?」いいえ、そんなことはありません!

ここまで紹介してきたように、無効な遺言書でも「死因贈与契約」として成立するケースがあります。

では、具体的にどのような点に注意すれば、死因贈与契約が成立しやすいのか?ここでは、重要なポイントを3つ紹介します。


① 受贈者(財産をもらう人)の承諾を明確にする

死因贈与契約は、遺言と違って「双方の合意」が必要です。つまり、「財産を譲る」と言っただけでは不十分で、受贈者(財産をもらう人)が「はい、受け取ります」と明確に意思を示している必要があります。

📌 ポイント

✅ 生前に「財産を譲る」という意思をはっきり伝える

✅ 受贈者が了承したことがわかるようにしておく

✅ できれば録音や書面で証拠を残す

📌 横浜の事例:受贈者の承諾が決め手になったケース

AさんがBさんに「この家は君に譲るよ」と伝え、Bさんが「ありがとうございます!」と了承していたことが証拠として残っていたため、死因贈与契約が成立したと認められました。

このように、「受贈者の承諾」があるかどうかが、契約成立の大きなカギを握ります。


② 言葉だけでなく、書面に残す

死因贈与契約は、口頭でも成立するとされていますが、裁判になった場合に「本当に合意があったのか?」が争点になりやすいです。そのため、できるだけ書面(契約書やメモ)を作成しておくことが望ましいです。

📌 推奨される書面の形式

「死因贈与契約書」を作成する(公証役場で作成すればより安心)

✅ 手書きのメモでもよいが、贈与者と受贈者の署名・押印を入れる

✅ 契約書を作るのが難しければ、LINEやメールなどで「合意」の証拠を残す

📌 横浜の事例:手書きメモが死因贈与契約として認められたケース

CさんはDさんに「自分が死んだらこの土地を譲る」と書いたメモを渡していました。正式な契約書ではなかったものの、Dさんがメモを受け取って大切に保管していたことから、死因贈与契約が成立したと判断されました。このように、ちょっとしたメモでも証拠になる場合があるため、何らかの形で書面を残しておくことが重要です。


③ 証人をつける(家族や弁護士など)

死因贈与契約の成立を確実にするためには、第三者(証人)がそのやり取りを見届けていることが有効です。特に、家族や弁護士など、客観的な立場の人に証言してもらえると信憑性が増します。

📌 有効な証人の例

✅ 家族や親族

✅ 信頼できる知人

✅ 弁護士や税理士

📌 横浜の事例:証人が契約成立を後押ししたケース

EさんがFさんに「この預金は君にあげる」と言っていた際に、Gさん(第三者)がその場にいました。裁判ではGさんの証言が決め手となり、死因贈与契約が成立していたと認められました。このように、証人がいることで契約の信頼性が高まるのです。


まとめ:無効な遺言を死因贈与契約として有効にするには?

🔹 受贈者(財産をもらう人)が承諾していることが大前提!

🔹 書面(契約書やメモ)を作成して証拠を残すと安心!

🔹 第三者(証人)をつけることで信頼性が高まる!

遺言書が無効になった場合でも、死因贈与契約として有効になる可能性は十分にあります。ただし、後からトラブルにならないよう、契約の成立要件をしっかり押さえておくことが大切です。


横浜での遺言・相続トラブルを避けるために

遺言や死因贈与契約が問題になるケースは少なくありません。「せっかく遺言を残したのに無効になってしまった…」「相続人同士で争いになってしまった…」このようなトラブルを防ぐために、事前にできる対策をしっかりと押さえておきましょう!


① 遺言書は「公正証書遺言」にするのがベスト!

遺言書の無効リスクを避けるには、公正証書遺言を作成するのが最も確実な方法です。

公証役場で作成するため、形式ミスの心配なし!

証人2名が立ち会うため、信頼性が高い!

原本が公証役場に保管されるので、紛失や改ざんのリスクなし!

「自筆証書遺言は手軽だけど、ミスがあると無効になるリスクがある…」このような不安をなくすためにも、公正証書遺言を作成するのがベストです。


② 死因贈与契約をする場合は「契約書」を作成する

死因贈与契約を口頭だけで済ませると、後から「そんな話はなかった」と争いになる可能性があります。契約書を作成し、できれば公正証書で残すことで、トラブルを防げます。

贈与者と受贈者の署名・押印を入れる

財産の内容を明確に記載する(例:「横浜市〇〇区の土地を譲る」など)

できれば弁護士や公証人の立ち会いのもと作成する

📌 横浜の事例:契約書があったため争いを回避できたケース

AさんがBさんに「この預金をあげる」と口約束していましたが、契約書を作っていたため相続人同士の争いを回避できたという事例があります。このように、契約書を残しておくことが、後々のトラブルを防ぐポイントになります。


③ 弁護士に相談して、法的に確実な対策をとる

✅ 「自筆証書遺言を作りたいけど、方式ミスが心配…」

✅ 「死因贈与契約を検討しているが、どうすれば確実になる?」

✅ 「家族間の争いを避けるために、できることは?」

このような疑問がある場合は、弁護士に相談するのが一番確実な方法です!相続トラブルは、一度発生すると長期化しやすいため、事前に専門家のアドバイスを受けることが大切です。


まとめ:横浜での遺言・相続トラブルを防ぐには?

🔹 公正証書遺言を作成し、無効リスクをゼロに!

🔹 死因贈与契約をするなら契約書を残しておく!

🔹 弁護士に相談して、確実な対策を取る!

遺言や死因贈与契約は、正しく準備すればトラブルを避けられます。「将来の相続問題をスムーズに解決したい!」という方は、早めに対策を進めておきましょう!


まとめと弁護士への相談案内

遺言書が無効になってしまったとしても、死因贈与契約として有効になる可能性があることを解説してきました。しかし、そのためには、受贈者の承諾や生前の意思表示、書面の有無などが重要なポイントになります。

🔹 この記事の重要ポイントまとめ

遺言書が無効になっても、死因贈与契約として認められる場合がある!

受贈者が承諾していることが死因贈与契約成立のカギ!

口頭だけではなく、契約書やメモ、証人などの証拠を残すと安心!

公正証書遺言や死因贈与契約を活用し、トラブルを未然に防ぐ!

「自分の遺言が無効になったらどうしよう…」「相続トラブルを避けるために、確実な方法を知りたい!」

そんな不安をお持ちの方は、相続や遺言の専門知識を持つ弁護士に相談するのが最も確実な方法です。


🔹 横浜で遺言・相続の相談をするなら弁護士へ!

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死因贈与契約の作成・トラブル対応

相続問題を防ぐための最適なアドバイス


遺言や相続の問題は、一度トラブルになると長期間の裁判や家族間の対立につながることもあります。「事前にしっかり準備しておけばよかった…」と後悔しないよう、早めの対策が大切です!

相続や遺言に関するお悩みがある方は、ぜひ横浜の弁護士にご相談ください!


🌟 この記事を読んで、少しでも不安が解消されたでしょうか?

遺言書や死因贈与契約についてもっと詳しく知りたい方は、専門家に相談してみるのがおすすめです。大切な財産を確実に引き継ぐために、今からできる対策を考えてみましょう!


以上、「弁護士が語る横浜の事例:無効遺言の有効性とは」でした!


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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