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【メモ】家庭裁判所の遺産分割事件における具体的な分割方法①

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 2024年10月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年12月17日

具体的な遺産分割の方法としては、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4種類がある

検討の順序は、「現物分割が基本となり、次に代償分割が検討され、これが困難な場合には換価分割が検討され、さらにこれが困難な場合に共有分割が最後の手段」となる


【より具体的な検討手順】
1、現物分割の可否について、当事者双方の意向を聴き、これと整合する分割方法を考える

(1) 取得希望者が1人であれば、その者に取得させることが可能となる

(2) 取得希望が競合する物件は、その必要性が高い者に取得させる


2、取得希望がない物件は、換価し、調整金の原資とする

3、預貯金等の換価が容易な金融資産は、調整金の原資とする

4、以上により決めた方法で不都合がないかを検討し、修正し、とりあえずの取得者を決める。これを前提に代償金が生じる場合には代償分割となる

5、代償金が発生する場合、取得希望者に代償金支払能力がなく、他にこの遺産を取得できる者がいないときは、その全部又は一部を換価分割する

6、現物分割、代償分割、換価分割ができない物件は、共有分割とする。ただし、共有とすることに同意がないときは、できるだけ避ける

家庭裁判所の遺産分割事件における具体的な分割方法について、さらに研鑽


参考文献

松本哲泓「設例解説 遺産分割の実務 ―裁判官の視点による事例研究―」令和6年9月 305~307ページ

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