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【メモ】災害弔慰金等につき、支給規定上の同順位の遺族からの法定相続分相当額の不当利得返還請求を棄却した事例

  • 執筆者の写真: 誠 大石
    誠 大石
  • 6月11日
  • 読了時間: 1分

仙台高等裁判所 令和6年6月13日判決 

原審 仙台地方裁判所 令和5年9月22日判決


東日本大震災の津波被害で死亡したAの相続人であるXが、Aと同居していた相続人であるYに対して、①Yが条例に基づいて単独で受給した災害弔慰金、②市から支給された災害義援金について、法定相続分に相当する額の不当利得返還請求をした事案


原判決は、災害弔慰金制度や災害義援金制度は、血縁関係の濃淡のみならず、同居関係の有無や死亡者による生計維持などの実生活上の関わり合いも一定程度判断要素に取り込んで支給対象者の順位を決めていることからすると、同順位の遺族が2人以上いる場合にも『当然に』その全員が支給対象者になるとはいえないとした。


高裁判決は、さらに踏み込み、支給決定権者は、その裁量的判断により最も支給対象者として「ふさわしい者」に対して支給を決定するものであること、Xらは同順位の遺族であるという「だけ」では、「当然に」その相続分相当額を取得する具体的権利を有するとはいえないと判断。

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