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【メモ】不動産競売の執行費用

執筆者の写真: 誠 大石誠 大石

「執行費用は、共益費用であるものと共益費用でないものとに分けられ、共益費用であるものを手続費用という(民執63条1項1号・188条参照)。この手続費用の配当の順位は最先順位として扱われるが、それを根拠づける直接的な規定はない。手続費用は当該執行手続において総債権者の共同の利益のために支出されたと認められるものをいうから、最優先で債権者に対する配当に先んじて控除するのが配当における衡平の原則にかなうので最先順位で受けられるのである。手続費用となるものは、たとえば、手続を進行した申立債権者の申立手数料、申立書類作成・提出必要、登記事項証明書交付手数料、登録免許税、登記嘱託書送付・返送費用、開始決定正本送付費用、現況調査手数料、評価料、売却公示手数料、売却実施手数料、配当期日呼出費用等がある。」

(園部厚「書式 不動産執行の実務 ー申立てから配当までの書式と理論」全訂11版 民事法研究会 284頁~285頁)


「執行費用の債務者(所有者)からの取立ては、金銭の支払を目的とする債権についての執行手続である不動産に対する(強制)競売にあっては、債権者の便宜、手続の簡便等を理由に、その執行手続において、債務名義を要しないで同時に取り立てることができる(法42条2項、194条)。したがって、不動産に対する(強制)競売においては、配当表又は売却代金交付計算書に執行費用(共益費用のみならず非共益費用も含む。)も記載されることになる。」「共益費用は売却代金から最優先で償還されるが、その根拠について、民事執行法には国徴法10条や地方税法14条の3のような明文の規定はない。しかし、児湯駅費用は総債権者の共通の利益のために支出されたものであり、他に先立って償還するのが衡平の原則に適い、また、法63条1項、55条10項、56条2項の規程も、共益費用の最優先性を前提として規定されていることから、性質上当然に他に先立って償還される。これに対し、非共益費用は、明示した請求があった場合に当該費用を支出した債権者の請求債権の配当順位と同順位で償還される。」

(「民事執行の実務 不動産執行編 下」第2版 186頁~187頁)

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