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「法定相続人」の意味とは?遺留分との関係を整理して学ぶ
相続が発生した際、「誰が財産を受け継ぐ権利を持つのか」という問題は非常に重要です。その際の基準となるのが「法定相続人」という考え方です。法定相続人は民法によって定められており、遺言書がない場合の相続の基本ルールとなります。また、相続の場面では「遺留分」という権利も深く関係してくるため、両者の違いを正しく理解することが大切です。本記事では、法定相続人の意味や範囲、遺留分との関係についてわかりやすく解説します。 法定相続人の定義と概要 法定相続人とは、民法によって相続人となる資格が認められている人のことを指します。被相続人(亡くなった人)が遺言書を残していない場合、原則として法定相続人が法律で定められた割合に従って財産を相続します。 法定相続人には順位があり、配偶者は常に相続人となります。そのうえで、第一順位は子ども、第二順位は父母などの直系尊属、第三順位は兄弟姉妹です。上位順位の相続人が存在する場合、下位順位の人は相続人にはなりません。 行政書士や司法書士などの専門家が相続手続きを支援する際も、まず法定相続人を正確に確定することが重要な業務の一つと

誠 大石
6 日前読了時間: 4分


遺言で「全財産を一人に相続させる」と書かれていても遺留分は請求できる?
親が作成した遺言書に「全財産を長男に相続させる」「妻にすべてを遺贈する」と書かれていた場合、他の相続人はまったく財産を受け取れないのでしょうか。この疑問は、相続トラブルの現場で非常によく見られます。 特に、介護をしていた子どもだけが優遇されていたり、再婚家庭で前妻の子が除外されていたりすると、「遺言があるから何も請求できない」と誤解してしまうケースがあります。しかし、相続には「遺留分」という制度があり、一定の相続人には最低限保障された取り分があります。 ここでは、遺言で全財産を特定の人に渡す内容になっていても、遺留分を請求できるのかについて、制度の基本から実務上の注意点までわかりやすく解説します。 結論:一定の相続人は遺留分を請求できます 結論から言うと、遺言で「全財産を一人に相続させる」と書かれていても、兄弟姉妹以外の法定相続人には遺留分を請求する権利があります。 遺留分とは、法律上保障された最低限の相続分のことです。被相続人は原則として自由に遺言を書くことができますが、その自由にも一定の制限があります。 例えば、相続人が「妻と子2人」の場合、

誠 大石
6月29日読了時間: 4分


遺言書が遺留分に与える影響とは?相続トラブルを防ぐための基礎知識
相続において「遺言書」は、被相続人の意思を反映する重要な法的文書です。しかし、遺言書があればすべて自由に財産を分配できるわけではありません。日本の民法では、一定の相続人に対して最低限保障された取り分として「遺留分」が定められており、遺言書の内容によっては遺留分侵害の問題が発生することがあります。 特に不動産や事業承継を伴う相続では、「長男にすべて相続させる」「内縁の妻に全財産を遺贈する」といった内容が遺留分を巡る争いに発展するケースも少なくありません。この記事では、遺言書と遺留分の関係について、基本からわかりやすく解説します。 遺留分とは何か 遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に法律上保障されている最低限の相続分のことです。たとえ遺言書で「全財産を特定の人に相続させる」と記載されていても、遺留分を持つ相続人は、その侵害された割合について金銭請求を行うことができます。 遺留分が認められるのは、配偶者、子、直系尊属などです。一方で兄弟姉妹には遺留分はありません。たとえば、配偶者と子どもが相続人の場合、法定相続分の2分の1が遺留分として保障されます。

誠 大石
6月22日読了時間: 4分


遺留分は兄弟姉妹にも認められる?相続トラブルを防ぐために知っておきたい基礎知識
「兄弟にも最低限の相続権があるのでは?」「遺言で全財産を第三者に渡されたらどうなるのか?」といった疑問を持つ方は少なくありません。特に、子どもや配偶者がいないケースでは、兄弟姉妹が相続人になることがあるため、「遺留分」もあると誤解されやすい傾向があります。 相続は親族関係によって権利が細かく異なり、知らないまま手続きを進めると後々トラブルになることもあります。今回は、「兄弟姉妹に遺留分は認められるのか」という点について、法律上のルールをわかりやすく解説します。 遺留分は兄弟姉妹には認められません 結論からいうと、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。 遺留分とは、一定の法定相続人に対して法律上保障されている「最低限の相続分」のことです。被相続人(亡くなった方)が遺言で特定の人に全財産を渡す内容を書いていても、遺留分を持つ相続人は一定割合の財産を請求できます。 しかし、民法では遺留分権利者を「配偶者」「子(または代襲相続人)」「直系尊属(父母など)」に限定しており、兄弟姉妹は対象外です。 そのため、たとえば「全財産を友人に遺贈する」という遺言があ

誠 大石
6月15日読了時間: 4分


遺留分侵害額請求とは?相続で最低限守られる権利をわかりやすく解説
相続では、亡くなった方の財産を誰がどのように受け継ぐかが大きな問題になります。遺言書によって特定の人に多くの財産を残すケースもありますが、一定の相続人には法律上「最低限受け取れる権利」が保障されています。それが「遺留分」です。 そして、その遺留分が侵害された場合に不足分を請求する制度が「遺留分侵害額請求」です。近年は家族構成や財産状況が複雑化し、相続トラブルが増加しているため、この制度への理解は非常に重要になっています。 ここでは、遺留分侵害額請求の基本的な仕組みや手続き、注意点についてわかりやすく解説します。 遺留分侵害額請求とは何か 遺留分侵害額請求とは、法律で保障された最低限の取り分である「遺留分」を侵害された相続人が、財産を多く取得した人に対して金銭を請求できる制度です。 たとえば、「全財産を長男に相続させる」という遺言が残されていた場合でも、配偶者や他の子どもには一定割合の遺留分があります。その取り分が不足している場合、侵害された相続人は不足額を請求できます。 以前は「遺留分減殺請求」と呼ばれていましたが、民法改正により現在は「遺留分侵

誠 大石
6月8日読了時間: 4分


遺留分とは?相続分との違いをわかりやすく解説|遺言書があっても取り戻せる権利とは
「遺留分」と「相続分」は、どちらも相続に関係する言葉ですが、意味や役割は大きく異なります。特に、遺言書が作成されている場合や、特定の相続人だけに財産を集中させる内容になっている場合には、この違いを理解しておくことが重要です。 実際に、「父が全財産を長男に相続させると遺言を書いていた」「兄弟の一人だけが多額の生前贈与を受けていた」といったケースでは、遺留分の問題が発生することがあります。 この記事では、「遺留分とは何か」「相続分とはどう違うのか」を、法律の基本から実務上の注意点までわかりやすく解説します。 相続分と遺留分の違いとは? 結論からいうと、「相続分」は本来受け取れる相続財産の割合、「遺留分」は最低限保障される取り分です。 相続分とは、民法で定められた法定相続分や、遺産分割協議によって決まる財産の配分割合を指します。例えば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、配偶者が2分の1、子どもがそれぞれ4分の1ずつというのが法定相続分です。 一方、遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された「最低限の取り分」です。被相続人が遺言によって自由に財産を処分で

誠 大石
6月1日読了時間: 5分


財産を特定の人にだけ相続させることはできますか?遺言と遺留分で知っておくべき重要ポイント
「長年介護してくれた子どもに多く財産を残したい」「事業を継いでいる後継者だけに相続させたい」など、相続に関する相談の中でも“特定の人にだけ財産を相続させたい”という疑問は非常に多く寄せられます。一方で、日本の相続制度には家族間の公平性を保つためのルールもあり、思い通りに進まないケースも少なくありません。本記事では、この疑問に対する結論と、制度上の注意点をわかりやすく解説します。 結論:条件付きで可能だが、制限もある 結論から言うと、財産を特定の人にだけ相続させることは「遺言書」を作成すれば可能です。ただし、法定相続人の中には「遺留分」と呼ばれる最低限の取り分が保障されている人もおり、その権利を完全に無視することはできません。したがって、実務上は遺留分を考慮した設計が重要になります。 制度の仕組みと法律上の根拠 相続は、原則として民法で定められた「法定相続分」に従って行われます。しかし、被相続人が有効な遺言書を残している場合は、原則としてその内容が法定相続分よりも優先されます。 例えば、「全財産を長男に相続させる」といった内容の遺言も形式が整って

誠 大石
3月9日読了時間: 3分


孫は遺留分を請求できる?甥・姪との違いと代襲相続の関係を弁護士が解説
はじめに 「子どもが先に亡くなっている場合、孫には遺留分があるのだろうか」 「兄弟が先に亡くなっていて、甥や姪が相続人になるなら、その甥姪にも遺留分はあるのだろうか」 相続のご相談では、このような疑問がよく出てきます。特に、家族関係が少し複雑になると、「代襲相続できる人」と「遺留分を請求できる人」が同じように見えてしまい、混同されやすい傾向があります。 しかし、結論ははっきりしています。 結論からいうと、 孫は遺留分を請求できる場合があります。 ただし、それは 被相続人の子が先に亡くなっており、その子の代襲相続人になっている場合 です。 これに対し、 甥姪には遺留分はありません。 甥姪は兄弟姉妹の代襲相続人として相続人になることはあっても、そもそも兄弟姉妹には遺留分がないからです。相続人になれることがあっても、遺留分権利者とは限りません。 ここで重要なのは、「相続人になれること」と「遺留分があること」は別の問題だという点です。代襲相続によって相続人になれるからといって、必ずしも遺留分まで認められるわけではありません。 この記事では、孫と甥姪の違

誠 大石
3月9日読了時間: 15分


神奈川県で遺留分侵害額を計算したい方へ|弁護士監修の無料計算機で目安を確認
神奈川県で遺留分侵害額を計算したい方へ|弁護士監修の無料計算機で目安を確認 遺言の内容を見て、「自分だけ取り分が少なすぎるのではないか」「遺留分を請求できるとして、実際にはいくらになるのか」と不安になる方は少なくありません。もっとも、相続の場面で本当に知りたいのは、制度の説明そのものではなく、自分がどれくらい請求できるのか、あるいは請求されたらどれくらい支払う可能性があるのかという具体的な金額の目安ではないでしょうか。 そこで本記事では、遺留分の計算方法を自動で行うオンラインツールを探している人向けに、まず無料計算機で遺留分侵害額の概算を確認する前提で、遺留分侵害額の基本、計算でズレやすいポイント、神奈川県や横浜市の相続で注意したいケースを、弁護士の視点から分かりやすく解説します。 遺留分侵害額とは何か 遺留分と遺留分侵害額の違い 遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分をいいます。被相続人が遺言を作成していても、また生前に一部の相続人へ多くの財産を渡していても、配偶者や子などには、まったく自由に奪えない最低限の利益が認められてい

誠 大石
3月5日読了時間: 13分


遺留分侵害額請求を受けた(された)場合の対応|横浜の弁護士が初動から解決まで解説
はじめに ある日突然、内容証明郵便が届いた。「遺留分侵害額請求をします」という文面に、頭が真っ白になる——。 これは珍しいことではありません。遺言で財産を受け取った方(受遺者)や、生前贈与を受けた方(受贈者)のところに、他の相続人から請求が届くケースは実務で頻繁にあります。 このページでは、請求を受けた側が最初に何をすべきか、どんな反論ができるか、無視したらどうなるか、払えない場合にどうするかを、弁護士の視点から順番に解説します。 結論を先に言うと:無視は絶対にしてはいけません。しかし「請求が来た=全額払わなければならない」でもありません。 請求を受けたらまず確認する3つのこと 内容証明が届いたとき、感情的に動く前に、冷静に以下の3点を確認することが重要です。この3点が「戦略の出発点」になります。 確認①|請求者は本当に遺留分権利者か 遺留分侵害額請求ができる人は法律上限定されています。配偶者・子(代襲相続人を含む)・直系尊属(父母・祖父母)だけです。 特に注意が必要なのは「兄弟姉妹には遺留分がない」という点です。兄弟から請求が来ても、原則として

誠 大石
3月3日読了時間: 7分


遺留分侵害額請求の内容証明の書き方|文例・送る相手・注意点を弁護士が解説
遺留分侵害額請求の内容証明の書き方|文例・送る相手・注意点を弁護士が解説 相続が始まったあと、遺言や生前贈与の内容を見て「自分の取り分がほとんどないのではないか」と感じても、すぐに遺産の全体像や正確な金額まで把握できるとは限りません。それでも、遺留分の問題ではのんびりしていられません。相続の開始と遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ってから1年という期間制限があるため、まずは請求の意思表示をきちんと残すことが大切です。 そのときによく使われるのが、内容証明郵便です。もっとも、書式サイトの文例をそのまま写せば足りるとは限りません。実際には、誰に送るのか、何をどこまで書くのか、金額が未確定でも足りるのか、相手が受け取らないときはどうするのか、といった点で迷う方が多いところです。 この記事では、遺留分侵害額請求の内容証明について、最低限押さえるべき記載事項、送る相手の考え方、文例、送付後の動きまで、実務に沿ってわかりやすく解説します。 なお、この記事は令和元年7月1日以降に開始した相続を前提にしています。 【入門編】遺留分についてわかりやすく解説

誠 大石
3月3日読了時間: 11分


遺留分を請求する方法は?請求できる人・計算・期限を弁護士が一問一答で解説【2026年版】
はじめに 【結論】 遺留分侵害額請求とは、遺言や生前贈与によって最低限保障される取り分(遺留分)を侵害された相続人が、その不足分をお金で請求する制度です。請求できるのは、主に配偶者、子、直系尊属であり、兄弟姉妹には遺留分がありません。請求額は、遺留分の割合と実際に取得した財産との差額を基準に考えます。期限は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年が上限です。まずは、自分が請求できる立場か、期限が迫っていないかを確認することが重要です。 【こんな疑問ありませんか?】 「遺言で長男に全部相続させると書いてあった」「自分は何ももらえない内容だった」「生前贈与で、ほとんど財産が他の相続人に移っているようだ」 こうした場面で問題になるのが、 遺留分侵害額請求 です。 遺言は、亡くなった方の意思を尊重する仕組みです。もっとも、遺言や生前贈与によって、配偶者や子などの近い親族がまったく何も受け取れないとなると、あまりに不公平な場合があります。そこで民法は、一定の相続人に「最低限これだけは守られるべき取り分」を認めています。これが 遺留分 です。

誠 大石
3月2日読了時間: 16分


遺留分侵害額請求×不動産:評価方法の違い(路線価・固定資産税評価・鑑定)と注意点
まず結論:遺留分×不動産は「評価時点」と「時価」で決まる この章で分かること: 遺留分侵害額請求で不動産が絡むとき、何を軸に争点を整理すればよいかの全体像です。 遺留分×不動産で揉めるとき、問題の核はほぼ2つです。「いつの時点の価格を使うか(評価時点)」と「どの方法で時価を出すか(評価方法)」。 この2つが定まらないまま交渉に入ると、議論がかみ合わず長期化します。まず自分のケースの争点を見極め、対応する資料を集めることが出発点です。 改正で何が変わった?金銭債権化と共有回避 2019年(令和元年)7月1日施行の改正相続法により、旧来の「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」に変わりました。最大の変更点は、権利の効果が 金銭債権 (お金で払う請求権)に一本化されたことです。 改正前は、減殺請求により不動産に複雑な共有状態が発生することがありました。改正後は金銭で精算する仕組みとなり、原則として共有は発生しません。ただし例外もあります。 この記事が扱う範囲(不動産評価/支払困難/特殊物件) 本記事では、遺留分侵害額請求のうち「不動産評価」を中核に、評

誠 大石
3月2日読了時間: 17分


生前贈与と遺留分の関係|いつの贈与が対象?計算への影響と注意点を弁護士が解説
はじめに 「親が生前に兄だけに数千万円を渡していた。これは遺留分の計算に入るのか?」 「逆に、自分が生前に贈与を受けていると、遺留分はもらえないのか?」 生前贈与と遺留分の関係は、相続相談で最も多く問われるテーマの一つです。結論を先に言うと、生前贈与は一定の条件を満たす場合に遺留分の計算の基礎に加算されます。ただし「全ての贈与が入る」わけでも、「10年前なら関係ない」とも言い切れません。 この記事では、どんな贈与が遺留分計算に影響するのか、計算式の中でどう扱われるのか、注意が必要なケースはどんなものかを、弁護士の視点から整理します。 【入門編】遺留分とは?誰が、いつまでに請求できるかを解説 遺留分侵害額請求とは?請求できる人と期限をわかりやすく解説 遺留分の計算の「基礎財産」に生前贈与が加算される仕組み 基礎財産の計算式(全体像) 遺留分侵害額を計算するための出発点は「遺留分算定の基礎財産」です。これは相続時点の財産だけでなく、生前贈与を加えて計算します。 【遺留分算定の基礎財産】 相続開始時の財産の価額 + 相続開始前1年以内の贈与(第三者への

誠 大石
3月2日読了時間: 6分


公正証書遺言に納得いかない方へ 横浜の弁護士が無効・遺留分を解説
はじめに 「兄だけ多く相続する内容になっていて納得できない」 「前妻の子だけが優遇されているように見える」 「親の介護を長くしてきたのに、自分の取り分が少なすぎる」 このように、公正証書遺言の内容を見て強い不公平感を抱く方は少なくありません。 しかも、公正証書遺言は公証役場で作成されるため、「公正証書遺言だから諦めるしかないのではないか」と感じてしまう方も多いでしょう。たしかに、公正証書遺言は一般の自筆証書遺言に比べて方式面での不備が起こりにくく、証拠としても強い遺言です。しかし、公正証書遺言であればどのような内容でも必ず受け入れなければならない、というわけではありません。 大切なのは、納得いかない理由を整理することです。たとえば、遺言そのものが無効ではないかと考える場面もあれば、遺言は有効でも最低限の取り分である遺留分を請求できる場面もあります。また、相続人全員が合意できるのであれば、遺言とは異なる分け方で解決できるケースもあります。 つまり、「公正証書遺言に納得いかない」という悩みには、主に3つの対応の方向性があります。ひとつは遺言無効確認請

誠 大石
3月1日読了時間: 15分


遺留分侵害額請求の標準フロー|神奈川県の弁護士が注意点も解説
はじめに 相続が始まった後、「遺言で特定の人に財産が集中している」「生前贈与で自分の取り分がほとんど残っていない」といった状況に直面し、納得できないまま手続きを進めてしまうケースは少なくありません。こうした場面で検討するのが、遺留分権利者が受遺者・受贈者に対して金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」です。 遺留分侵害額請求は、単に「請求すれば終わり」ではなく、期限(知ったときから1年、相続開始から10年)を意識しながら、相続人関係と財産の調査、意思表示(内容証明)、侵害額の算定、交渉、調停(原則として家庭裁判所での調停前置)、そして必要に応じて訴訟・強制執行へと段階的に進むのが一般的です。 また、神奈川県では相続財産に不動産が含まれることも多く、評価の置き方や資料の集め方で結論が大きく変わります。請求する側だけでなく、請求された側(受遺者・受贈者)にとっても、過大請求や時効(期間制限)を見落とさないことが重要です。 この記事では、「遺留分侵害額請求の標準フロー|神奈川県の弁護士が注意点も解説 」と題して、神奈川県で相続案件を扱う弁護士の視点から

誠 大石
2月27日読了時間: 36分


遺留分を請求されたが払えない場合は?期限の許与・分割払い・初動対応を解説
はじめに 相続が始まった後、遺留分を請求されたものの、手元に十分な現金がなく困ってしまうケースは珍しくありません。特に、相続した財産の大半が不動産である場合や、事業に使っている資産、自社株のようにすぐ現金化しにくい財産である場合には、「払わなければいけないのは分かるが、今すぐは無理だ」という切実な状況に陥りやすいものです。 このような場面で大切なのは、「払えないから仕方ない」と放置しないことです。遺留分の問題は、初動を誤ると、相手方との対立が深くなり、調停や訴訟に発展し、最終的な負担が大きくなることがあります。特に注意したいのは、支払いが遅れることで遅延損害金が問題になる場合がある点です。 もっとも、現実には、受け継いだ財産の内容からしてすぐに現金を用意できないこともあります。そのようなときに検討すべきなのが、交渉による分割払いと、裁判所に対する期限の許与の主張です。ただし、期限の許与は主張すれば必ず認められるものではなく、事情に応じた見通しの検討が欠かせません。 この記事では、遺留分を請求されたが払えない場合に、まず何をすべきか、どのような流れ

誠 大石
2月26日読了時間: 19分


遺留分を不動産で払うと税金はどうなる?代物弁済の税務リスクを横浜の弁護士が整理
はじめに 遺留分を請求されたものの、すぐに用意できる現金がない。そのため、手元にある不動産を渡して解決できないかと考える方は少なくありません。相続財産の中心が自宅や賃貸物件などの不動産である場合には、なおさら現実的な選択肢に見えるでしょう。 もっとも、遺留分を不動産で支払う方法には注意が必要です。たしかに、当事者同士が合意すれば、不動産を移転して遺留分侵害額請求を解決すること自体は可能です。しかし、その処理は単なる「現物での支払い」とは言い切れず、税務上は譲渡として扱われる可能性があります。その結果、払う側には譲渡所得税の問題が生じ、受ける側にも不動産取得税や登録免許税がかかることがあります。 実務では、「不動産を渡せば終わり」と考えて話を進めたために、後から思わぬ税負担が判明し、かえって資金繰りが悪化したり、和解条件を再検討せざるを得なくなったりすることがあります。遺留分の問題は、法律上の正しさだけでなく、税金や登記費用、評価方法、履行方法まで含めて設計しなければ、かえって紛争が長引きかねません。 この記事では、遺留分を不動産で支払う場合に問題

誠 大石
2月24日読了時間: 17分


遺留分侵害額請求×非上場株式:折衷方式(純資産+DCF等)が使われる理由と注意点
まず結論:自社株(非上場株式)の遺留分は「相続開始時の時価」が争点 この章で分かること: 自社株が絡む遺留分侵害額請求で、何を軸に争点を整理すればよいかの全体像です。 自社株(非上場株式)の遺留分で揉めるとき、核心は「相続税評価額をそのまま使えるのか、それとも別の"時価"を出す必要があるのか」です。結論から言えば、相続税評価額と遺留分算定で使う時価は目的も根拠も異なり、そのまま一致するものではありません。評価額が大きくなりやすい自社株では、この違いが請求額に直結します。 2019年改正で金銭債権化→評価額が請求額に直結 2019年(令和元年)7月1日施行の改正相続法により、遺留分侵害額請求は 金銭債権 (お金で払う請求権)に一本化されました。改正前のように株式の現物返還を求める必要はなく、侵害額に相当する金銭の支払を請求する構成です。つまり、自社株の評価額がそのまま金銭請求額に直結します。 この記事の射程(税務評価との違い/評価手法/資料/期限の許与/特例) 本記事では、遺留分侵害額請求における非上場株式の評価を中核に、税務評価と民事評価の違い、

誠 大石
2月18日読了時間: 16分


生命保険金に遺留分請求はできる?原則対象外だが例外あり【横浜の弁護士が解説】
生命保険は遺留分の対象?神奈川県の弁護士が例外まで解説 相続の相談で、「父が生命保険を長男だけにかけていたようです。これは遺留分の対象になるのでしょうか」「生命保険を使えば、特定の家族に多めに財産を残しても問題ありませんか」といった質問を受けることがあります。 生命保険は、預貯金や不動産とは扱いが異なります。そのため、相続人の間で不公平があるように見えても、当然に遺留分の計算に入るわけではありません。他方で、どのような場合でも絶対に遺留分の問題にならないわけでもなく、保険金額や家族関係、契約の内容によっては例外的に争いになることがあります。 とくに、前妻の子がいる再婚家庭、長年介護をしてきた子がいる家庭、事業承継を控えている家庭では、生命保険の受取人指定が後の紛争の火種になることが少なくありません。神奈川県でも、相続人同士の感情的な対立が先行し、「生命保険は全部取り返せるはずだ」「保険なのだから一切問題にならないはずだ」と、極端な理解のまま話が進んでしまうケースがあります。 しかし、実際の実務ではそこまで単純ではありません。生命保険金については、

誠 大石
2月11日読了時間: 16分
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