行政書士に頼んでいるのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?

行政書士に頼んでいるのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?
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行政書士に頼んでいるのに遺産分割が進まない。弁護士に相談した方がいいケースを解説

相続の相談先として行政書士を選ぶ方は少なくありません。戸籍収集や相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成支援など、相続実務の入口では非常に頼りになる存在だからです。ところが実際には、「必要書類はそろっているのに話し合いが進まない」「相続人の一人が反対している」「感情的な対立が強くなってしまった」といった理由で、遺産分割が止まってしまうことがあります。こうしたときに気になるのが、このまま行政書士に依頼し続けるべきか、それとも弁護士に相談した方がよいのかという点です。

結論:相続人同士の対立や法的な争点にあるなら、弁護士への相談を前向きに検討すべき

遺産分割が進まない原因が、書類不足や手続の遅れではなく、相続人同士の対立や法的な争点にあるなら、弁護士への相談を前向きに検討すべきです。

特に、交渉が必要になっている場合や、相手が話し合いに応じない場合は、早めに弁護士へ切り替える方が解決しやすい傾向があります。

行政書士は、遺言書作成支援や相続手続に必要な書類作成、相続人調査などに強みがあります。相続人全員の意思が一致している案件では、行政書士のサポートで円滑に進むことも多いでしょう。

一方で、遺産分割は最終的に相続人全員の合意が必要です。誰が不動産を取得するか、預金をどう分けるか、生前贈与をどう扱うかなどで意見が割れると、単なる書類作成の範囲を超えていきます。こうした場面では、法的な見通しを踏まえて交渉し、必要に応じて家庭裁判所での調停や審判に対応できる弁護士の関与が重要です。

よくある誤解

よくあるのは、「行政書士に依頼しているのだから、そのまま相手方との調整まで全部進めてもらえるはず」という誤解です。行政書士は相続書類の作成支援には強い一方、紛争化した案件での対応には限界があります。また、「まだ裁判ではないから弁護士は早すぎる」と考える方もいますが、むしろ対立が深まる前に弁護士へ相談した方が、話し合いで解決できる余地が広がることもあります。

実務での注意点

弁護士への相談を考えた方がよいサインとしては、相続人の一人が連絡に応じない、遺産の内容に不信感がある、特別受益や寄与分でもめている、遺産分割協議書に署名押印してもらえない、といった状況が挙げられます。こうした場合、当事者だけで話を続けても前進しないことが多く、時間だけが経過してしまいます。話し合いがまとまらない場合は、遺産分割調停という正式な手続で解決を図ることになります。

士業としての支援内容

行政書士は、戸籍収集、相続関係の整理、遺産分割協議書などの書類作成支援に力を発揮します。弁護士は、相続人間の交渉、法的主張の整理、調停や審判への対応まで担うことができます。つまり、手続中心なら行政書士、争いがあるなら弁護士という役割分担で考えるのが実務的です。すでに行政書士へ依頼していても、途中で弁護士を加えることは珍しくありません。

まとめ

行政書士に頼んでいて遺産分割が進まない場合、問題は依頼先そのものではなく、案件が「手続」から「紛争」に変わっている可能性があります。相続人同士の対立や法的な争点が出てきたなら、弁護士に相談する価値は十分あります。早めに専門家の役割を見直すことで、相続の長期化や家族間の関係悪化を防ぎやすくなります。まずは、何が止まっている原因なのかを整理し、その原因が争いにあるなら、弁護士への相談を具体的に進めるのがよいでしょう。

行政書士に頼んでいるのに遺産分割が進みません。弁護士に相談した方がいいですか?でした。

【追記】

税理士・司法書士・行政書士の先生に依頼したのに、相続が止まったままではありませんか?

手続は進んでも話し合いが進まない。相続が止まるのには理由があります。

「止まった相続を終わらせる」という考え方はこちらにも掲載しました。

Amazon.co.jp: 『税理士・司法書士・行政書士に相談しているのに、相続が止まった人へ ― 弁護士が「終わらせる」ためにできること』 eBook : 大石誠: 本

この記事の著者

弁護士 大石誠 神奈川県弁護士会

止まった相続を終わらせる弁護士

横浜を活動拠点として、遺産分割、遺留分、相続不動産問題などの相続・終活案件に注力して取り扱っています。年間約200件の相続・終活相談に対応、毎年約20回の相続相談会を実施しています。税理士、司法書士、不動産会社等と連携しながら、問題解決に向けて丁寧に取り組みます

大石誠について、詳しくはこちらをクリック

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弁護士 大石誠
神奈川県弁護士会

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